<前ページより続く>

○下山〜途中から前岳ピストン

頂上で休んでいるうちに、単独の女性が到着。登山口から3時間20分で来たという・・・凄い速さだ。13年前の自分のタイムを見たら、3時間15分だった・・・。もうそんな速さでは到底歩けない。

 頂上で40分ほど休んで、下山を開始する。この時点で、前岳に寄るかどうか迷っていた・・・それは、ここまでやってくるのに、かなりの疲労を感じていたからだ。
頂上から、夕方ヒュッテで待ち合わせるエバさんに「疲れて、前岳には登れないかも知れない」と電話を入れた。

 下っていくと、女性が二人、さらに、吹き通しの所で、本州からやってきた8名が花に掴まっていた(1)このあとも数人やってきて、結局会ったのは15名だった。昨日の日曜日は車の台数だけでも45台もあったとか・・・。

ガマ岩を過ぎて、この後に寄る予定だった前岳とその右奧に滝ノ沢岳が見えるようになる(2)前岳へのルートは、ユウパリコザクラの会の岳友エバさんからいただいた情報である。それは、東コルに突き上げている沢型に残っている雪渓を利用して登り、、その先は東尾根の薮を漕いで登頂するルートである。 

 登山道からの取り付き地点まで戻ってルートの様子をじっくり眺める。登山道から直接繋がってる沢型の雪渓は、途中で一部切れているが、沢型なので薮は薄いだろう。急な東尾根は薮漕ぎだが、距離的にはたいしたことはない・・・。登山道からの標高差は150mなので、薮の具合にもよるが、往復1時間30分もあればなんとかなるだろう(3)

  そんなことを考えていたら、モチベーションが徐々に高まってきた。「滅多にないチャンスを無駄にしてたまるか」との思いでスタート。途中で切れていた雪渓の間は、案の定、沢型なので足元には薮がない。上に被さっている笹を掻き分けながら進み、上の雪渓へ出て、わずか15分で東コルへ上がることができた。

 尾根の上ではハイマツ帯にもぶつかったが、それは漕いで登っていくしかない。ハイマツを抜けると、左側のピークの根元に出た。頂上は右のピークなので、トラバース気味にコルを目がけて登っていく(4)

上に近づくにつれて薮が薄くなり、足元に花々が多くなってくる(5)。夕張岳本峰の方では目にしなかったイワウメも・・・(6)薮の中には、シラネアオイの群落もあった。

 登山道からわずか40分で頂上到着。しかし、東側以外は垂直に切り立った崖なので、尻が落ち着かない。

 本峰頂上とこの頂上は携帯が通じたので、エバさんに、無事登れたこととお礼の電話をする。

 東コルから南西に延びる荒々しい岩稜が迫力ある眺めだ(7↓)上空は晴れているのに、夕張岳方向は、タイミングが悪く、ガスに覆われてしまった。時間的余裕もあるので、なんとか見えるまで40分も粘った。その甲斐あって、ようやく夕張岳本峰が頭を出してくれた(8↓)









  『夏山ガイド』にも、この前岳から同じアングルで夕張岳や前岳湿原を移した写真が載っているところを見ると、夏でも登っている人がいるのだろう。雪渓がなくても、せいぜい1時間もあれば登れることが判った。下りは、真っ直ぐ雪渓を目がけて下ったら、ハイマツ帯を避けることができて、わずか20分で登山道に出た。このピークを望岳台や西側から見上げると、鋭く切り立った尖峰で、とても登れそうな感じはしないが、弱点はあるものだ・・・。

○大歓待を受けた夕張岳ヒュッテ

 初めて泊まることになった夕張岳ヒュッテは(9)、ユウパリコザクラの会がボランティアで管理している築40年ほど経過している登山口近くの山小屋。現在、カンパを募って建て替えの計画が進んでいる。設計図もできていて、とりあえずまもなく基礎工事が始まるとのこと。

 この日の管理当番は、HYML仲間で函館出身で何度か懇親会で会っているかわ健さんと何度か山もご一緒しているエバさん。この二人に迎えられてゴール・・・・。早速冷えたビールをご馳走になった。夕食前のサプライズが待っていた・・・それは、かわ健さんが中心となって手作りした五衛門風呂。まさか、ここで風呂に入れるとは思わなかった・・・(10)。夕食も、ビールやジンギスカンを腹一杯ご馳走になった(11)泊まりはこの3人だけだったので、日が暮れてからの二次会はヒュッテの中で、消灯時間の9時まで続いた。すっかりお世話になったので、ユーパリコザクラの会の会員となり、心ばかりのヒュッテ建て替えのカンパをした。

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