今回は、
昨年4月のエベレスト街道トレッキング参加者の同窓登山会の対象として、私以外の本州メンバーは誰も登っていないこともあり、日本百名山のこの山を選んだ。
天気予報は晴れなのに、ホテルを出たら山麓からガスにすっぽり覆われてその姿はまったく見えない。メンバーは昨日下からその全容を眺めているのがせめてもの救いである。雨の心配はなく、うまくいけば上の方は晴れているかも知れないとの期待で、5時にホテルを出て、途中のコンビニで朝食と昼食を購入し比羅夫コースの登山口を目指す。
登山口には、すでに10台ほどの車が停まっていたが、全て本州ナンバーなのにはビックリする。北海道ナンバー車の自分が地元の山に登るのに肩身のが狭い想いがするのはなぜだろう・・・。
メンバー8人の中には、これほどの山に登った経験がないという自称初級者もいるので、全員揃っての登頂を願い、ビスターリモードでのリードに心がけてスタート。
最初はトドマツとカラマツの人工林の中を行くが、直ぐに天然林の中へ入っていく。すっぽり濃いガスに包まれた静かな林だ。
あちこちの幹に絡まるツルアジサイの花の白と葉の緑のコントラストが美しい(1)。2合目から西へ延びる尾根に乗り、ここから単調な尾根道が続く。2合目を越えてまもなく「風穴」に到着。ここで一休み。岩の間から涼しい風が吹き出している。
3合目辺りから、トドマツとエゾマツの大木が出てくる(2)。この針葉樹林帯は5合目下まで続くが、このエゾマツ林は他のコースでは見られない。
途中で、ガスの切れ目からときどき下界の眺望が覗くようになる(3)。
5合目を越えると、ダケカンバの林にちょうど花を付けているオガラバナやナナカマド、ウコンウツギなどの林に変わってくる。傾斜もきつくなり、ジグを切る道となり、足元も不安定になる。しかし、標高を上げてくると、道端に色々な花が姿を現して、辛い登りを癒やしてくれる。
ベニバナイチヤクソウもその一つである(4)。花に詳しいNaさんが大活躍である。8合目辺りからハイマツ帯の登りとなる。
岩礫の9合目を越えると、期待した通りにガスがきれいに取れ、上空にきれいな青空が広がり、真っ白な花を付けたウラジロナナカマドの向こうに頂稜が見えてくる(5)。
この辺りから、いろいろな花が現れてきて、歩きのペースがぐんと遅くなる。今がピークの黄色が美しいウコンウツギ
、チシマフウロ
、イワベンケイなどのほかに、ミヤマオダマキ、ピークを過ぎたエゾノツガザクラ、コケモモ、シラネアオイなどなど・・・。
ポカポカ陽気の中、昼食を摂りながら40分ほど休憩し、下山を開始する。父釜と母釜の間を通り、真狩口へ抜ける。途中、終わりかけたエゾノツガザクラと
斜面を覆うキバナシャクナゲの大群落がみごとだった(13)。
9合目半付近で比羅夫コースへ合流し、きつい下山を続ける。ザレ場で気を付けながらも何度も滑って尻餅を突く場面が多かった。私が腕を擦り剥いた以外は、だれも怪我することもなく、無事4時間少々でゴール。夏道は9年ぶりであったが、相変わらず登りも下りも長くてきつい山だ。
明日のニセコアンヌプリに備えて予約済みのニセコ五色温泉旅館へ向かう。気持ちの良い温泉に入り、ビールを飲み、美味しい料理を食べて、心地よい疲れを癒す。