6:00 自宅発
7:30 桜野温泉入口分岐(車デポ)
登山 | 地 点 | 下山 |
7:50
8:15
8:45
9:45
10:35
11:05 |
桜野温泉入口分岐
林道と離別(220m)
沢〜東尾根へ(340m)
スキーデポ(570m)
805標高地点
頂 上 |
12:55
12:50
12:25
11:50
11:35
11:20 |
[3:15] | 所要時間 | [1:35] |
13:15 桜野温泉・熊嶺荘(入浴)
|
八雲町市街地の南側にゆったりと聳える砂蘭部岳の左隣(北東)のピークである。
国道5号線の東野地区からはその東面の全容が良く判る(1)。2003年3月に北側から砂蘭部岳に登ったときに、時間不足で寄り損なって以来ずっと気になっていた山である。
冬山の利点は、自分の実力次第で好きなルートを採れることである。もっとも登りやすそうなルートは桜野牧場の奥から伸びる南尾根であるが距離が長い。最高の好天時にその尾根から登った
「腰痛おじさんの山歩き」にすばらしい写真が掲載されている。また、今年の正月に、
「地図がガイドの山歩き」チームはガロウ沢沿いの林道から北東尾根を登っている。できれば、オリジナルルートを登りたいと地図とにらめっこする。すると、途中で沢を越えなければならないが、桜野温泉入口の先の林道から取り付けそうな最短ルートの東尾根が目に入ってきた。標高550〜600m間が手強そうな急斜面であるが、そのルートに単独で挑戦することにした。
標高600m〜頂上間は広く緩やかな尾根で、山スキーが楽しめそうである。今シーズン初めての山スキーでスタートし、沢の中や痩せた急な尾根も強引に登った。ところが、570m付近の急登でそのスキーをデポしなければならない状況となり、下りも、滑りを楽しめる状況ではなく、登りの道具としてしか役立たなかった。このルートは、当初からかんじき登山の方が良さそうである。
暗いうちに家を出て、八雲町の野田追川沿いの道を桜野温泉の入口を目指して走る。
朝日に輝く横山頂上と南へ延びる稜線が迎えてくれる(2)。温泉入口に除雪スペースに車をデポして出発の準備をし、100mほど先から右に続く林道に取り付く。
1kmほどで林道を離れ、途中から沢の右岸を進む。小沢を越えなければならないところで、沢地形の中へ下りる。東尾根へ取り付くのは、当初から斜度の緩い340m二股と決めていたので、そのまま沢地形の中を進む。雪が多ければスノーブリッジで覆われているはずの渡渉地点で、スキーを対岸へ放り投げて渡る。
340二股から小沢を2つほど越えて
東尾根に乗ると、目指す先に左側から巻いて登る迫力満点の崖尾根ピークが迫ってくる(3)。その根元の550m付近までも右側が切れ落ちた急な痩せ尾根であるが、スキーを着けたまま細かくジグを切りながら強引に登っていく。一番心配していた550〜600m付近は40度を越える急斜面で、小さな雪崩のデブリが斜面を覆っている。今日の雪の状態から雪崩の心配はないので、大きくジグを切って登っていく。しかし、堅く凍って締まった雪面を15cmほどの新雪が覆っていて、それがエッジで切れ落ちるためにエッジが利きづらい。さらに、シールに湿った新雪が着くようになる。シールワックスを持参してなかったので、やむなく570m付近でスキーをデポすることにする。
その先の最も急なところをツボ足でステップを刻みながら直登し、650m付近でかんじきを着ける。
振り返ると、眼下に桜野牧場とその向かい側に野田追岳が見える(4)。その先は緩やかな斜面が広がり、ダケカンバの疎林帯となる。
やがて、平坦な805標高地点まで登ると、台地状の頂上が見えてくる(5)。
やがて、スキーを履いてきたら美味しそうな頂上への広々とした雪面が広がる(6)。その真ん中に膝下ほどのラッセルで、自分のトレースを刻んでいく。
左側には小鉾岳の岩稜とその奥に沢から昨夏に登った紋内岳が見える(7)。さらにその左側に乙部岳といずれ1泊で登る計画の鍋岳が雪雲に覆われて微かに見えている。
スタートして3時間15分、頂上に到着。近くの灌木の枝に古いビニールテープが結ばれている。夏には三等三角点が設置されているはずではあるが、とても藪漕ぎで来る気はしない。
一番先に目が向いたのは、4年前に登った砂蘭部岳である(8)。稜線を辿れば往復で3時間は必要であろう。時間的に不可能ではないが、すでに登っているので無理しないことにする。
太平洋側には八雲町の市街地と海岸線が広がる(9)。その左側には、残念ながら中央に見えるはずの遊楽部山塊は雪雲に覆われているが、その手前の左から沖沢山〜微かに雄鉾岳〜中央右に1/21に登った三角山〜その右奥に岩子岳〜ペンケ岳が望まれる(10)。
そんな眺望を楽しみながら簡単な昼食を摂り、
セルフタイマーで記念写真を撮影後(11)、下山を開始する。登りのトレースを辿るのでラッセルもなく、下りは速い。登りで1時間以上も要したスキーデポ地点までわずか30分で下る。
スキーを着けても、その下の急な痩せ尾根は難儀しそうなので、流れ止めを掴んで両手にぶら下げて、沢地形の中まで下る。スキーを着けて沢沿いのトレースを滑り降りるが、笹に引っかけて転倒して沢の中に落ちそうになる。沢地形から右岸の高台に乗って初めて普通に滑り降りることができる。登りで25分要した林道はわずか5分であった。ここの間だけがスキーの利点であった。眼下に桜野温泉・熊嶺荘を見て
、まもなくゴールイン。
温泉でゆったりと疲れを取り、単独で、念願の山を一つ踏破した満足感に酔いつつ帰路に就く。