横山中岳(724m) 三石コース  単独   03,10,20

秋晴れの早朝、紅葉の中の急な尾根をひたすらまっすぐ登り、霞んで微かにしか見えない南日高の山々を眺める。

10/19
11:30 函館・自宅発
    (洞爺湖・支笏湖経由) 
18:00 静内温泉(車中泊)
10/20
 4:30 静内温泉発
 5:30 三石駅前
登山
地点
下山
6:10
6:50
7:30
登山口(牧場入口)
極楽平(5合目)
頂 上
8:50
8:25
8:00
[1:20]所要時間[0:50]
ペラリ山登山口へ移動
この山は三石町の牧場が広がる郊外の北側に600〜700mの高さで連なる北横山〜横山中岳〜南横山の連山である。三石山岳会が整備している登山道がこの真ん中の中岳へ付けられている。謳い文句は「南日高の展望台」である。

 『夏山ガイド(日高山脈の山々)』にも載っている山であるが、どこかの山のついでにと思っていたが、十勝側のポンヤオロマップ岳と2山だけ残ってしまっていた。今回は、2年前に登山道が整備されたという静内町の一等三角点の山「ペラリ山」とセットで、早くも雪を被った日高山脈の主稜線の眺望と紅葉ねらいで計画する。

 前日、昼前に家を出て、洞爺湖〜美笛峠〜支笏湖経由の紅葉鑑賞ドライブを楽しみながら静内温泉まで走る。温泉に入り、夕食を摂り、静内温泉の駐車場で朝を迎え、三石町の登山口を目指す。

 国道235号線を浦河方面に向かう。三石駅前を通過してまもなくの三石川の手前の道を左折し川沿いに北上する。8kmほどして信号のある十字路があり、そこを左折して少し進むと右手の牧場の向こうに横山連山が連なって見える。その真ん中の頂が目指す横山中岳である(1)。4kmほど進むと竹内牧場の手前の右側に未舗装の道との分岐があり、そこに丸い黄色の板に赤い字の「横山中岳→」の標識がある。さらに目指す山を見ながら、送電線や辺訪川(べぼうがわ)沿いの農道を進む(2)。3km弱で荒谷橋をわたってまもなく、右に農道の分岐がある。そこにも同じような標識がある。そこから200mほどの地点が、三石町営牧場の入り口で実質的な登山口となっていて車数台が駐車できる。

 鉄条網の下を潜ってさらに続く農道を登っていくと、広い牧場に出る。その右側の柵に沿った車の轍を辿って登っていくと(3)、出口があり、そこに「南日高の展望台 横山登山口  三石山岳会」と書かれた丸い標識が立っている。ふたたび鉄条網を潜り、その先に続くきれいに刈り払われた登山道を進む。そこから頂上までまっすぐ続く尾根の上に忠実に登山道は付けられているようである。下の方はトドマツやカラマツの植林地で、登山道も古い林道跡を利用しているようである。やがて、斜度が急になり、落ち葉の下の湿っているところでは滑り、下りが思いやられる。右手真横から昇ったばかりの朝日が差し、逆光に輝く紅葉が美しい。

 約ひと月振りの登山で、まっすぐ続く急登にあえぎあえぎ登っていくと、地図上でもはっきり分かる400〜450mの平坦な尾根に乗る。広く平らな場所へ出ると「極楽平 5合目」(410m)の標識が現れる。なるほどピッタリの感じの名前である(4)。一息入れて進むと444ポコを通過する。そこから尖った頂上が頭上に覗く(5)。一度コルへ下り、さらに登り返し、450m附近からは頂上まで細い尾根の揺るぎのない急登が続く。

 周りの丈の低いミヤコザサや木の幹に掴まりながら、苦しい登りが続く。左手には北横山が、右手には逆光の中に南横山が見える。振り返ると、三石の町や牧場、さらには海岸線、そして太平洋と広がっている。天気は快晴だが、遠くが霞んでいるので、楽しみな日高の主稜線の眺望が気になるところである。高度を上げて行くに連れて、葉のすっかり落ちたダケカンバ林となってくる。650mを越すと岩が出てきて、頂上近しの感が強くなる。

 特に急いだわけでもないのに1時間20分で頂上へ到着。頂上は広くきれいに刈り払われていて、丸い頂上標識が立っている(6)。右手前方に今年の夏に登った神威岳〜ソエマツ岳、台風で断念したピリカヌプリなどと思われるの南日高の山々が霞んで見えてくるが、はっきりしないのが残念である(7)。そのほかの日高の主稜線の山々を懸命に覗くが、北側の方はダケカンバに邪魔されて、全然見えないのも残念である。樹間から白く雪に覆われた尖った峰も見えるが、どこの山かよく分からないが、その手前にピセナイ山だけははっきり見えている。気温は5度しかないが、朝日がポカポカして居心地が極めていい。太平洋を見下ろしながらのんびり朝食を摂る。

 30分ほど休んで下山開始である。登りで心配したように急な下りは膝と腿に辛い。滑りそうなのを靴一足分の足運びで底のグリップ力を頼りにちょこまか歩きで滑るような感じで下る(案の定、3日後の現在も珍しく腿前面の筋肉痛が辛い)。450m地点でようやく普通の足運びができる。登りで40分要した5合目の極楽平にわずか25分で到着。下りもここはまさに極楽平である。一休みして、再び急な下りである。さらに15分ほどで牧場に出てほっと一息つく。登りでも滑って何度か手を突いたので、下りは絶対滑って転ぶのを覚悟していたが無事に済んだのは意外であった。広い牧場の中を周りの紅葉を楽しみながらのんびりと下り、車をデポしてある登山口へ到着する。登山靴を履いたまま、次のペラリ山登山口を目指して静内へ向かう。

途中で拾った光景

勘違いの親木と勘違いの新緑

 逆光の向こうの紅葉

順光の紅葉


 この後登った「ペラリ山」へ
 

「北海道山紀行」へ    HOMEへ

 

inserted by FC2 system