町村合併で八雲町になった
旧熊石町市街地の直ぐ後ろに崖状に切れ落ちた斜面を見せてそそり立ち、登行意欲を掻き立てられる山である(1)(2006年11月撮影)。山名の由来は、アイヌ語でそのものズバリの「海からそそり立つ所」の意。
この山に登ったのは、調べてみたら、一人歩きの山を始めた1992年の3山目の山であった。しかも、その前の2山は登ったことのある山だったが、この山は未踏の最初の山であった。まさに、記念すべき一人歩きの原点の山なのである。
前夜、年に何度もお世話になっている八雲Baさんの別荘に集った。中には大千軒岳や恵山に登ってきたメンバーも合流し、飲み会が遅くまで続けられた(2)。
翌朝、帰路に就く洋ちゃんご夫妻に見送られ、雲石峠を越えて登山口を目指す。熊石漁港で、海の近くの山は海抜0mから登る「純登山」にこだわっている室蘭のシュウさんを下ろして、登山口へ。
登山口では、室蘭の山おじさんが合流。
今年の整備の手が入っていない登山口をスタート(3)。
少しして、東側コースと西側コースの分岐に到着。右の東側コースへと進むが、いきなり細い急登尾根が続く。足下にはどんぐりがたくさん落ちていて、熊の糞も多い。2合目付近で、シュウさんが追いついて合流。
ガスに包まれて展望はない。周りのエゾヤマツツジがちょうど満開で、色も鮮やかな赤が多い。足下の花を探しながら(下段にまとめて掲載)、ゆっくり登っていく。Baさんが先週カメラに収めていたクマガイソウはすでに花が終わっていて、一堂がっかり。クマガイソウは終わっていたが、「熊がいそう」などと冗談を言いながら登りを続ける。
左側は足下からスッパリと切れ落ちた崖がところどころに見える険しい地形と痩せ尾根が続く。それにしても緩むことがほとんどない急登の連続である。
やがて、標高540mの前ヤンカから尖った頂上ピークが見える(4)。前ヤンカを下り、
コルからの頂上直下の標高差100mの急登が続く(5)。
2時間を少し越えたところで、縦走路の途中と言った感じの頂上へ到着(8↑)。
頂上からの展望はないが、西側コースへ少し下ったところで眼下に熊石漁港と市街地が見える(9↑)。天気が良ければ奥尻島も見て欲しかったが・・・残念!
頂上標識のあるところには三角点はなかったが、すこし進んだ地点に赤いペンキで塗られた二等三角点(点名・熊石)があった(10)
頂上稜線からは、東側コースと同じような標高差100mほどの急な尾根の下りが続く。周りの木やロープを利用しながら慎重に下る(11)。好きな人はやや伸び過ぎの感じのギョウジャニンニクを採りながら・・・。
505ポコへの登り返しもきつかった。その後は、斜度は少し緩むが急な下りには変わりはない。
途中の樹間から、切り立った崖を抱いた頂上南面が覗く。険しい地形の山だということが良く分かる(12)。
やがて、トドマツの人工林の中を下ると崖の上に出る。ロープを利用して降り立ったところが岩盤の上を流れ落ちる「若狭の滝」だった(13)。この滝の名前は、大学時代の同期で、熊石町に勤務していたころに熊石山歩会に所属し、このヤンカ山を初め、冷水岳や白水岳など「道南アルプス」の登山道開削に業績のあった若狭君の名前を採って名付けられたようだ。
その先に続く登山道を辿ると、コース分岐を通過し、登山口へゴール。
見市温泉へ入って、雲石峠経由で帰路につくという他のメンバーと別れて、自分は『Ho』の無料クーポンが使える平田内温泉のあわびの湯に入って、海岸沿いに帰路に就いた。