今年に入って、
檜倉山、
熊泊山と立て続けに同行しているSHOさんとTaさんの3人で出掛けた。積雪がまだ少なく山スキーは無理なので、今回もアルミかんじきである。
除雪の最終地点である八雲温泉・おぼこ荘の前に車を置き、雄鉾岳登山口へ向かう鉛川沿いの道を進む。第1案として最短ルートである591ピーク越えの西尾根ルートを考えていたが、左奥に見えてきたその西尾根の頂上直下の急な様子に、「地図がガイドの山歩き」チームの記録を参考にした第2案の緩やかな北尾根ルートに変更する。
温泉から800mほど歩き、鉛川に架かる橋を渡り、支流沿いの道に入る。その先に3つある砂防ダム工事に付けられたと思われる道である。振り返ると、鋭く尖った岩子岳〜ペンケ岳、右手に雄鉾岳の東壁が見える。
さらに進むと変わった形の砂防ダムの奥に頂上が見えてくる(2)。
3つ目の砂防ダムの先の270二股で道は途絶える。北尾根に続く尾根の末端は、左股の先の300二股にある。そのまま沢沿いを詰めれば近いのだが、見通しが利かず歩きづらそうなので、270二股の間の尾根に登り、先の地形を見ながら巻くようにして再び下り、小沢を越える。340m付近で2つ目の沢を越えて、途中から予定の尾根に取り付く。
狭い尾根を登り切ると、400m付近でネマガリダケ林の平坦地に出る。そこからは、目指す北尾根と頂上が望まれる(3)。ここまでで2時間である。目指す頂上はまだ遠い。その平坦な地形には地図上には現れない小沢が入り組んでいて、すんなりと予定の北尾根に取り付くことが出来ない。また、ズボズボと腰まで踏み抜み抜くことも多い。
ようやく北尾根の末端に乗っても、横切るような小沢が複雑に入り組み、尾根の中央がはっきりしない。上に岩場の見える550m付近がもっとも急なところである。生えている灌木に掴まりながら右から巻くようにして突破する。それを越えると、
方向を真南に変えて顕著な尾根らしい地形となり、すんなりとラッセルを続けることができる。(4)。先頭ラッセルは交代で行うが、半分以上は体力抜群の若いSHOさんにしていただく。ラッセルして行く彼の後に付いていくのさえも大変で、どんどん間が開いてしまう。
左手に八雲平野と噴火湾を見ながら、3時間25分で頂上へ到着(5)。リュックを置くのももどかしく、雄鉾岳がすっきりと見える地点を探して西尾根を少し下る。バックが青空なら最高だったが、念願の白い雄鉾の勇姿と対面することができ、大満足である。(6,7)。
雄鉾岳の南側には中央分水嶺上の元小屋沢山や沖沢山が、北側にはこの時点では雲から少し姿を現した遊楽部山塊が見える。東側には八雲平野の広がりと太平洋が・・・。しかし、噴火湾の奥の方は雲で覆われたままであった。
南側にはゆったりとした横山と砂蘭部岳が見える(8)。
30分ほど休憩して、下山を開始する(9)。下り始めてまもなく、遊楽部山塊が見渡せるところがある。一番奥に遊楽部岳、その手前にいずれは歩きたい岩子岳〜ペンケ岳の稜線などの展望に酔う(10)。
下りはラッセルもないし、滑るように下ることができる。かんじきを引っかけて頭から転んだり、笹藪を踏み抜いたりしながらも、登りで1時間30分要した400m平坦地までわずか25分で下ってしまった。
尾根のところどころで目にした木の幹に付けられた赤い境界線標は、森林専門家のTaさんによると国有林と八雲の町有林との境目を示すものらしい。
340m付近で沢に下り、登りで巻いたトレースを止めてそのまま沢沿いを270二股まで下る。このルートの方が速い。再びトレースに合流して、砂防ダム沿いの道を下る。
下まで下りたら、右手にすっくりと天を突く存在感抜群の岩子岳が目に飛び込んでくる(11)。あとは余韻を味わいながらゴールの八雲温泉に向かう。もちろん、温泉で汗を流す。
これで、地形図に山名が載っている道南の700m以上で登った山は47/74となった。ちなみに、道南のこれまで登った山と未踏の山の標高順のデータは下記である。
地形図上に山名の掲載されている道南の山一覧