紅葉のワイスホルン(1045.8m)B<リフト終点まで(920m)>
ニセコ紅葉巡り
登り
(硫黄川
コース) | 地 点 |
下り
(リフト下
コース) |
13:25
13:40
13:55
14:40 |
登山口
硫黄川沿いの道分岐 |
15:40
15:35
15:25
14:55 |
登山道分岐 | スキー場下 |
リフト最終地点 |
[1:15] | 所要時間 | [0:45] |
16:30 昆布川温泉・幽泉閣(入浴)
20:40 帰宅
|
倶知安の市街地の後ろに優美な姿で聳えるニセコ連峰のワイスホルン。名前の由来は 、その昔ドイツ人がこの山を見て「日本のワイスホルンだ!」って言ったことからこの名前になったと言う説と、ヨーロッパアルプスの本家ワイスホルンWeiss Horn[白い・角]の標高が約4500m(45×100.0)であることから1045mのこのピークがひっくり返って(45+1000)、ワイスホルンという名前になったという説があるらしい。
この山には、ずっと以前に閉鎖されたニセコワイススキー場があった。現在は、スノーキャット(雪上車)でスキーヤーをリフト終点まで運ぶスキー場として運営されている。自分も、00年と02年の2回、HYML仲間とそれを利用して、頂上からの滑降を楽しんでいる。
リフト最終地点(920m)までは、リフト管理道を利用した登山道があることは知っていた。しかし、
「北海道あれこれ」のHaさんの記録によると、昨年探訪した
旧岩雄登(イワオヌプリ)硫黄鉱山の生活道路だった硫黄川沿いの道からも登山道があるという。最近の『夏山ガイド』にも掲載されているらしい。
五色温泉から倶知安へ抜ける道道58号線からも、手前の尾根にその道がくっきりと見えている(1)。後志森林管理署に電話して聞いてみたところ「登山道として整備している」とのことだった。
ニセコ紅葉巡りの後、時間も遅くなったことや登山道の状況が判らないので、妻には車で待っていてもらって一人で登った。硫黄川沿いからの登山道を登り、リフト沿いの道を下って周回した。
旧ワイススキー場の下までの「ニセコ林道」は入口のゲートが施錠されていた。そこに車を置いてスタート(2)。進んでいく正面の上の方にリフト終点とそこまでの登山道も見えている(3)。
硫黄川の手前の川の橋が流失して、道路が陥没していた。ゲートで閉ざされているのは、これが理由かも知れない(4)。
15分弱で硫黄川の橋の手前の分岐に到着。昔の鉱山の生活道路だっただけに、道ははっきりしているが、まったく草刈り等の整備はされてない(5)。
その草で覆われた踏み跡を辿る。深いところは膝くらいまであり、昨日の雨で濡れたままである。さらに、足下がぬかるんでいるところも多い。スパイク長靴で来たことが幸いだが、妻を同行しなかったことも正解だった。
途中から南東尾根の末端に、きれいに刈り払われた幅広の登山道が見えているが、渡渉地点はまだ先である。渡渉してから対岸を戻ってくるような感じである。
ニセコ林道の分岐から15分ほどで、きれいに刈り払われた鉱山跡へ直進する道と右へ続く登山道の分岐に到着(6)。Haさんの記録によると、ここに、「ハイキングコース入口」と書かれた標識が置いてあったとのことだが、いくらさがしても見つからなかった。ここからは幅広に刈り払われた非常に快適な道となる。
右の道を下っていくと、川の渡渉地点に出る。長靴なので、あっさり渡ることができたが、登山靴では、水量の多いときは大変そうだ(8)。
その先にも道が続いていた。案の定、戻るような感じで、川沿いの斜面をトラバースすしながら南東尾根の末端の方へ向かって進む。5分ほどで、南東尾根へ到着。標高630mなので、ここからリフト終点までは標高差300mの登りだ。
そこからは忠実にその尾根上に道は続いていた。毎年幅広に刈り払いが行われているようで、非常に快適な道だ。しかし、古い鋸目が多いことからすると、かなり昔からあった道のようだ。750m辺りまでは急な登りだが、後半はやや斜度が緩くなる。
1年に何人も歩かないであろうが、丈の高い笹藪の中にも、快適な道は続く。ナナカマドの紅葉が美しい(9)。休憩がてらに後ろを振り向くと、西日を浴びた羊蹄山とニセコアンヌプリがすっきりとした姿で望まれる。
かなり急いで登ったこともあり、スタートして1時間15分でリフト終点に到着(10)。そこまでの道がリフト沿いに下っていることを確認する。
しかし、周りの笹藪が高くて、展望は全く利かない。嫌でも、リフト終点のテラスの上へ上がらなくてはならない。笹藪を漕いでテラスへの上り口を探す。鉄骨部分は安心だが、板の部分はかなり朽ちている。乗ったら折れそうな感じで怖々だったが、なんとかよじ登ることができた。板が折れたりしないように、釘が打ち付けられている梁の上を選んで歩くようにする。
リフトのテラスの上は、まさに、展望台だ。登山道をここまできれいに刈り払ってくれるなら、このテラスも手入れして、安心して上がれるようにして欲しいものだ。
南側には、羊蹄山と紅葉に彩られたニセコアンヌプリ(11)。その右には、イワオヌプリ(12)。北側や西側の展望は頂上斜面に遮られて見えない。
東側を見下ろすと、スキー場の北側の斜面に広がる紅葉がきれいだ(13)。その右のリフト沿いの道がくっきり見え、昔のゲレンデ跡の右斜面の紅葉もきれい。そのずっと先には倶知安市街地も望まれる(14)。
ハイマツ帯の上に見える頂上をカメラに収める。なんとか、あそこまで登山道を延ばせないものかと思うのは自分だけではないだろう(15)。
展望を十分堪能し、下山を開始することにしたが、テラスから降りるのにちょっと手こずった。後志森林管理署へ電話した際に、あの危険なテラスへ上がらないでも展望が広がるようにかりはらってほしいと話しておいた。なお、頂上までの道は今のところ考えていないとのことだった。
あとはリフト沿いの急ながらも快適な道をどんどん下る(16)。一番上のリフトの下で、ゲレンデもリフト沿いの道も2方向に分かれる。左側を進む。目の前にずっと羊蹄山が見えていた。
下まで下って、昔のゲレンデを見上げる。まだ営業していたときは滑ったことはないが、スノーキャットで上って、滑り降りたことがあるゲレンデだ(15)。朽ちた昔のロッジの下から駐車場跡へ出ると、真ん前に西日を浴びたニセコアンヌプリがど〜んと聳えていた(16)。
そこからニセコ林道を歩き、硫黄川に架かる橋を渡ると、登りで歩いた硫黄川沿いの道の分岐で周回の終わりだ。残りの林道を歩いて、妻の待つ林道ゲート前へ。