燈明岳(611m)〜馬岳(661m)〜牛岳(666m)   
<ツラツラ林道〜燈明岳南東尾根ルート>  山スキー&かんじき  単独  09、4,02

久しぶりの単独行で9時間強・・ずっと念願だった全国でここにしかない珍名山をゲット

4:30 自宅発
5:30 知内温泉手前分岐
登山
地 点
下山
 5:45
 6:55
 8:05
 9:20
 9:45
10:35
11:10
11:25
11:50
除雪終点
尾根取り付き
c270スキーデポ
燈明岳
・559地点
馬岳
・559地点
(昼食・休憩)
牛岳
15:00
14:10
13:45
12:50
----
----
12:10
----
11:55
[6:05]
所要時間
[3:05]
1520 知内温泉(入浴)
17:15 帰宅

 知内町市街地から湯の里地区へ向かうと国道の正面にも見えるが、七ッ岳(957m)の南側から東側一帯に溶岩が押し出されて盛り上がったようなトロイデ状の形の500〜600m台の山がボコボコと聳えている。地図に山名が記されているものは、燈明岳、牛岳、馬岳、長山(581m)、丸岳(531m)、親岳(695m)・・・七ッ岳はこれらの盟主として名付けられたらしい。

○珍名に惹かれて・・・

 それらの中で気になる山名が、全国でもここにしか存在しない馬岳と牛岳である。由来は判らないが、生活に密着した牛や馬の背中のように見えることからであろうか?また、燈明岳というのも、全国で、知内町内にもう1山と隣の福島町の大千軒岳の西隣の山(どちらも踏破済み)と、和歌山県に1山あるだけのこれも貴重な山名である。

 山名の珍しさもあり、数年前からの念願の山となっていた。地図を眺めてずっと温めていたルートであるが、知内町湯の里地区のツラツラ川沿いのツラツラ林道(湯の里林道)の途中から燈明岳の南東尾根に取り付き、燈明岳を越えて、両山をピストンする以外にはないようだ。また、このツラツラ林道と同じ湯の里地区にあるチリチリ林道は、名前の面白さからか林道マニアには人気の林道のようだ。
 
○ツラツラ林道途中から、まずは燈明岳へ

 春の陽気の好天に誘われて、久しぶりに単独で挑んだ。国道から知内温泉へ向かう道を進むとT字路にぶつかる。左へ進むと温泉だが、ツラツラ林道へは右である。しかし、除雪はそこでストップしている。山スキーを履き、国道並みの立派な道を進む。ツラツラ川を渡る湯の元橋からは、これから登る3山と七ッ岳も燈明岳の右側に顔を覗かせている。否が応でも登高意欲が高まる(1)

 その先でツラツラ林道にぶつかるが、その分岐に地図にない新しい林道ができていて、立派なゲートで閉鎖されている。そちらへ昨日のものと思われるスキーのトレースが続いている。ツラツラ林道は、その直ぐ下に続いてるのだが・・・。

 ふと4年前のSHOさんの「親井川との分岐に近づいたら、突然、林道が終点となる。本流の方へ降りたら橋を発見・・・」との記述を思い出した。読んだときは、その意味が分からなかったが、彼は、この新しい林道を進んだらしい。彼のこの記述を目にしていなかったら、自分もトレースに引っ張られて同じ道を進んでいたかも・・・。ちなみに、そのスキートレースはその後目にすることはなかった。

 その後、何度か目にした工事関係の表示杭には湯の里林道と記されているところを見ると二つの呼び名があるようだ。2.5kmほど進み、作業道跡の入口を利用し、燈明岳へ繋がる南東尾根に取り付く。途中で林道も出現し、それを利用する箇所も・・・。

  c270ほどまでスキーで進んだが、灌木の繁茂する痩せ尾根となってきたので、そこにスキーをデポし、アルミかんじきに履き替える。アップダウンや急登を繰り返し、c450mの地点の広い尾根上に出る。そこで、延々と続く昨日のものと思われる足跡を発見。初めは、スキートレースの人が別のルートからツボ足で登ってきたのかと思ったが、沢の方へ下っているのを見て、思わず詳しく観察・・・爪の跡がくっきり・・・間違いなく熊の足跡である(2)もう近くにはいないから心配ないはずだが、慌てて笛を吹く。

  高度を上げていくと、左手にこれまた険しい丸岳と長山、この両山の由来は頂上や頂上稜線の形から来ているようだ。その奥に真っ白な大千軒の山並みが見える(3)


 小さな雪崩れ跡の残る急登を登り切ると、今度は痩せ尾根を遮る岩場の出現・・・トラバースできないので這うようにして岩の上に乗り上がったら、その先は両側がスッパリと切れ落ちたナイフリッジ(4)(下山時撮影)・・・思いっきり姿勢を低くし、意図的に視野を狭めてストックを頼りに、一歩一歩恐る恐る進む。

 ようやく幅が広くなって頂上に到着(5)北海道ではこの近くにしかない燈明岳全3山踏破の瞬間である。
 
○標高点559にリュックをデポし、まずは馬岳へ

 北尾根を下り、少し登り返すと、ダケカンバとブナの疎林帯の広く平坦な快適な尾根となる。正面に端正な七ッ岳が姿を現す(6)

 西側の牛岳と西側の馬岳は尾根で繋がっているが、燈明岳からの尾根との合流地点が・559地点である。ここまででちょうど4時間だった。 

 距離が長く、登りも急な馬岳を先にアタックすることにして、リュックをそこにデポして空身で向かう。尾根上を西に進み、馬岳とのコル(500m)へ下る。

 コルから見上げると馬岳東面の急崖の迫力に押しつぶされそうな感じだ。尾根の右側を登るのだが、その斜度にも圧倒される(7)

 北尾根の根元まで進み、急斜面に取り付く。陽が当たらない斜面なので、膝下くらいの新雪に覆われているのが幸いである。その下の堅い雪にもかんじきでのキックステップや爪がよく利く。それにしてもかなりの急斜面だ。軟らかい雪がなければ、アイゼン、ピッケルの世界だろう。

  右側奧には大千軒連峰を(8)北側には七ッ岳を眺めながら喘ぎ喘ぎ登っていく。

 やがて、斜度が緩み、登り切ったところが頂上だった。頂上からは東側には、越えてきた燈明岳の稜線の向こうに函館山や横津連峰、手前に当別丸山などが見える(9)南側には知内山地の山々と津軽海峡の展望が広がる。

 それらの展望を楽しみ、まもなく下山。下り切ってから少しショートカットして・559地点へ戻る。往復1時間25分だった。

○昼食後、牛岳へ

 昼食を摂った後、ほぼ同じ高さから登れる牛岳を目指す。馬岳に比べて標高は高いが、標高差も少なく、根元までの距離も近く、何より斜度が緩いのが良い(10)

 尾根の根元までの広い尾根を少し下る。七ッ岳がこの辺りの山を従える盟主に相応しい山容で見える(11)この山に、この時期に登るには、左手前のポコを越える尾根を登るのが一番近いようだ。SHOさんが、すでに4年前に踏破済みである。

 この時期の山には付きものの雪面を忙しく動き回るクロカワゲラ(セッケイカワゲラ?)の接写にも成功(12) 

 急な斜面を登り切ると、緩やかで広い尾根に出るが、その殆どは南側に10mほどもせり出した雪庇のようである。厚そうなので崩れる心配はなさそうだが、木の生え際を歩くようにする(13)

 わずか25分で、一番奥の頂上に到着。ほぼ360度の大展望が広がる。遠くは、遊楽部岳、その手前に2月に登った袴腰岳、その奧に駒ヶ岳〜横津連峰〜函館山〜津軽海峡を挟んで下北半島と津軽半島〜知内平野や知内山地〜大千軒岳などなど・・・。

 これから再び登り返さなければならない燈明岳も雪崩れ斜面を抱えた急峻な山だ。そのずっと奧に津軽半島も見える(14)

 それらを十分堪能して、下山開始。45分の往復でリュックデポ地点へ戻る。


○再び燈明岳を越えて下山

 天候にも恵まれ、約6時間を要しての大満足の3山ゲット。足が攣りそうな気配を感じたので、リュックデポ地点へ戻って念入りにストレッチをして、登り返さなければならない燈明岳を目指す。頂上を越えたナイフリッジ状の尾根が下りが心配だ。

 いよいよ登りより怖いナイフリッジの下り・・・登りのときよりも雪が腐り、チョットした油断で崩れ、谷底へ小さな雪崩となって落ちてゆく。転倒でもしたら、そこを滑り落ちるのは自分である。一歩一歩これ以上の慎重さはないと思うほど姿勢を低くし、視野を狭めて恐る恐る下る。

 最難関を突破して、広い急斜面の上に出て安心したら、滑って尻餅をついた。そのショックで足元からゆっくりとした雪崩れが発生。幅5mくらいで、厚さ20cmくらいのまま、40mほども滑って停止した。

 登りで目にした熊の足跡も新しい物はなく、順調に下る。デポ地点からスキーに履き替えて人工林の中まで下る。登りで見つけた林道の続きを探したら、どうやらツラツラ林道から上がってきているようなので、それを辿って下る。登りに取り付いた地点より500mほど上だった。

 ちょうど15:00にゴールイン。9時間15分の長丁場だった。久しぶりの単独行で不安感や恐怖心を制しながらの3山ゲットに大満足で、知内温泉に向かう。主人に馬岳と牛岳の由来を聞いたが判らないとのこと。国道並みの立派な新しい林道は、途中でストップしたまま10年以上も経っているとのこと・・・・まさに無駄な林道のようだ。このような林道はほかでも実に多く目にすることが多い・・・まさに作ることが目的だったのではと思われる道路建設業者のため林道・・・?


「北海道山紀行・目次」へ   HOME

inserted by FC2 system