2日目(8/5) 早月小屋テン場〜剱岳(2999m)〜剱沢雪渓〜真砂沢ロッジテン場

時刻
地点
 5:00
 6;15
 7:20
 8:10
 9:00
10:15
11:30
12:30
13:25
早月小屋テン場
2600m地点
2800m地点
剱岳頂上着
  〃  発
前 剱
剣山荘
剱沢雪渓
真砂沢ロッジテン場
[8:25]所要時間
 小窓尾根が朝焼けの空にシルエットとなって浮かび、快晴の朝を迎える(1)4日も足踏みした甲斐があったというもの・・・・。

○まずは剱岳頂上を目指して

 いくら天気が良くても、北アルプスの場合は9時過ぎるとガスが湧いてくることは経験済みである。なんとしてもその時間までには頂上へ着きたいので、5;00にスタート。

 昨日の二人も一足先に出た。剱岳ピストンの名古屋の男性は日帰り装備なので、どんどん先に行く。薬師岳まで縦走するという横浜の男性の後ろ姿を見ながら進む。アイドリングも許さない感じの急登に驚きながら・・・・。
 
 高度を上げていくと、左手にすでに毛勝山を中心とした毛勝三山(2↓)、右手に、奥大日岳と大日岳が見えてくる(3↓)毛勝山にしても、奥大日岳にしても、自分が登った山を別角度から眺めるのも良いものだ。その山に登ったときのことや、その山からこの剱岳を眺めたときのことが思い出されて懐かしい。後ろ振り返ると尾根の小さなこる部分に建つ早月小屋が見える(4↓)


3年前にピストンした別山尾根と途中の前剱、その間に立山も見えている。右奥に赤茶けた薬師岳の頭も見えてくる(5)


 2400m地点まで登ると、小窓尾根と合流する頂上とこれから辿る早月尾根が目の前に現れる。いよいよ核心部に向かう想いに気が引き締まる感じだが、岩場の続く本当の核心部は手前ピークの陰でまだ見えない(6)


 いくつかの高度感のある小ピークを越えて高度を上げていく。2600m辺りから花が多く目に付くようになる・・・北海道の山では眼にすることができないマツムシソウはこの花ならではの青さが好きだ(7)。トウゲブキとクルマユリ(8)、ミヤマウスユキソウ(9)など・・・・・。


 2700mを超えると、完全な岩登り状態となる。ステッキをリュックに括り付けて、イボイボ軍手をはめて四肢を駆使して、三点確保で慎重に歩を進める。2800m地点からは頂上付近が見えるものの、どこにルートがあるのか、果たして登れるのかと思うような岩場が続き、鎖場も数ヶ所に現れる(10)

鎖があるから通過できるような垂直な岩崖を緊張して通過し(11)ごつごつした岩場を四つん這いでよじ登っていくと、やがて別山尾根コースと合流する。一気に賑やかになる。

 8:10、先に着いていた昨日来の二人に迎えられて3年ぶりの頂上に到着(12)静かな早月尾根からは予想も付かないような別山尾根からの登山者で溢れかえっていた。

 幸い、3年前と同じような大展望が広がってはいたが、案の定、徐々に雲がわき出して稜線上のピークを隠し出していた(13,14)。




剱沢カールと立山連峰(左)、中央奥は笠ヶ岳か?右側は薬師岳

後立山連峰の白馬岳方面

○別山尾根を下り、さらに北アルプス三大雪渓の剱沢雪渓を下る

 時間的余裕もあるので、1時間近くのんびりし、3年前にピストンした別山尾根を下る。今回はリュックも大きく重いので、慎重に下る。「カニの横ばい」は最初の一歩がやはり怖かった(15)このすぐ下に垂直な梯子も高度感が怖かった。

 登りと下りでコースが分かれている「平蔵の頭」を越えると(16)それほど怖いところはなくなるが、前剱、さらに一服剱となかなか長い・・・・。

 のんびり休み休み2時間半ほどを要して、剣山荘へ到着。ここで、昼食タイムを取る。

 そこから、剱沢へ下る近道を辿る。やがて、眼下にこれから下る北アルプス三大雪渓の剱沢との合流地点に出る。荒々しい尾根と沢が合流しているのがよく分かる。一番奧の尾根が八ッ峰尾根か・・・・?(17↓)

  4本爪の簡易アイゼンは用意していったが、斜度が緩いこともあり使うことはなかったが、先行グループのトレースを見たら、12本爪のアイゼンを履いていた。下って行くに連れて、ガスが低くなり、上の方が見えないために、合流するはずの平蔵谷や長治郎谷の雪渓がどれなのかよく分からなかった。

 やがて、囂々と音を立てて滝となって落ち込んでいるところで、雪渓は一度切れている。そこは高巻き道が用意されていた(18)

 さらに、再び雪渓の上へ下りて下っていくと、雪渓の終点の先に今日のゴールの真砂沢ロッジとテン場が見えてきた(19)約1時間の雪渓下りを楽しんだことになる。距離にして3kmくらいだろうか・・・?

 ゆとりを持った8時間半の理想的な行程のゴールであったが、山小屋の管理人からは「健脚ですね〜」と褒められた。

 今日の早月尾根の登りは涼しくて、あとは下りだけだったので、あまり汗をかかなかったからであろうか・・・雪渓の上を1.2kmものホースで引いているという美味しい湧水をたらふく飲んだら、高いビールは飲みたいとは思わなかった。

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