ウペペサンケ山B(1848.9m)
<糠平コース> 単独 15、7、8
10,9,28の「糠平コース」
96、6,8の「菅野温泉東コース」
 14年振りに、糠平コースから再訪し、うっすらと雪化粧した白と赤と緑の三色の稜線歩きを楽しんだ

4:15 糠平公共駐車場発
登山
地  点
下山
 4:40
 5:55
 6:45
 8:10
 8:45
登山口
1399ピーク
1610ピーク
糠平富士(1835m)
頂上(本峰)
12:45
11:50
11:25
10:35
 9:55
[4:05]所要時間[2:50]

16:00 日高・沙流川温泉(入浴)
18:00 日高道の駅(泊)

GPSトラックログ
 東大雪山系の最南部に位置し、2kmに渡る長く平らな稜線が特徴の山。元々は、ウペペ・サンケ・ヌプリで、「雪解け水を・一気に押し出す・山」の意。

○不遇?の名山

 深田久弥の『日本百名山』のあと書きにあるが、深田氏が百名山を選ぶに当たって、当初147ほどの候補を挙げた。その中にこのウペペサンケ山が入っていたのだ。ところが、選から漏れたほかの山はすべて「日本三百名山」に入っているが、この山だけは、その選からも漏れた、いわば不遇の名山なのだ。

 登山道は、長いけど一番メジャーな糠平コース、変化に富んだ菅野温泉東コース、最短の西コースの3本があった。しかし、現在は、林道が通行止めで登山口まで行けるのは糠平コースのみとなっている。東コースは、最初の96年に登っている。西コースは、04年に隣の東丸山に登ったときに稜線コルまで歩いている。糠平コースは、一度1610ピークで途中撤退しているので、登頂できたのはこれで2回目である。

 悪天候で停滞連泊となった糠平公共駐車場で、スカッ晴れの朝を迎える。朝日を浴びて輝くウペペサンケが美しい(1)国道273号線沿いの指導標から糠平川沿いの林道を7kmほどの林道を走ると登山口に到着(2)

○まずは、1610ピークを目指して・・・

 同じ駐車場に泊った豊田ナンバーの男性が先行して行った。その後、途中で追い付き、相前後しながら登ることに・・・。
 
 鬱蒼とした針葉樹林の中を15分ほど登っていくと、湧水が音を立てて流れ落ちる最後の水場。冷たくて美味しい(3)徐々に急斜面となり、辛い登りが続く。周りは針葉樹からダケカンバ林へと変わって行く。



 登り詰めると、稜線上の1399ピークへ到着。一気に展望が広がる。目の前に次に越える1610ピークが見える(4)後から登って来た愛知県の男性は、「あれが糠平富士ですか?」と聞いてくる。しかし、目指す山頂や長い頂稜はこの1610ピークに遮られて見えない。この1610ピークまでの登りがこのコースの中で一番きついところだ。
 コルへ下って行くと、ハクサンシャクナゲが咲いていた(5)

○長い尾根を辿り、糠平富士を目指す


 思ったより辛さを感じることなく、ダケカンバからハイマツ帯へと変わる急登を登り詰めて、1610ピークに到着。澄み切った青空の下に、目指す糠平富士〜本峰〜西峰までの長い頂稜がすっきりと迎えてくれた。三脚を立てて、自分の姿を入れた写真を撮る(6)
 実はこれが今回の一番目的だった。道新連載の「ほっかいどう山楽紀行」用の画像がほしかった。ここまで来ると、あとは距離はあるが、辛い登りはない。
 やがて、唯一の岩場が現れ、その手前が管野温泉東コース分岐である(7)今は林道が通行止めで登れないようだが、この山に初めて登った96年にはこちらから登ってきている。


その先で、ここまでも、道端にずっと咲いていたエゾイソツツジの群落があった(8)
さらに登って行くと、1699ピークに到着。目指す糠平富士がグンと近くなり、山容も迫力を増して来る(9)


 道端には、秋になると美味しいブルーベリー状の実をつけるクロマメノキの花(10)、2株だけ見つけたエォツツジ(11)、ポツポツと目に付き、糠平富士のすぐ下に小さな群落を作るコマクサ(12)などが疲れを癒してくれる。


 スタートから3時間30分で、糠平富士に到着。一等三角点(烏邊珊山)が設置されていて、「ウペペサンケ山」という標識がたっている(12)
 そばに「糠平富士 ←最高地点へ1.5km」と彫られた標識もたっていて、その向こうには、二ペソツ山と石狩連峰、その奥に残雪を抱いた表大雪の連なりが見える(13)

○いくつものピークと深いコルを越えて、長い稜線先の本峰へ


 東側眼下には、ポコポコと溶岩円頂丘が並び、その先には糠平湖が望まれる(14)
 目指す最高点の本峰へは、日高山脈の稜線歩きを思わせる岩とハイマツの細い稜線のさらに1.5km先である(15)
 

 本峰が標高差70mほどの深いコルのずっと先に見える。その先の登り返しが、過去2回の印象よりきつそうに見えるのは歳のせいか?(16)
 コルの付近は、花畑になっていて、エゾハクサンイチゲや(17)チングルマ、エゾノツガザクラなども咲いていた。


キバナシャクナゲも、北斜面を覆うように咲いていた(18)
糠平富士から、まだかまだかと思うほどいくつものピークを越えて、30分で5年ぶりのウペペサンケ山本峰へ一番乗りで到着(19)


 本峰からは、稜線上の西峰、その先には04年に管野温泉西コースから薮を漕いで登った東丸山、やはり、04年に2度目のトライで沢から登った東大雪唯一の活火山である丸山、そして、その右側には3回登頂している二ペソツ山。それらの奥には残雪を抱いた十勝連峰〜表大雪の連なりが広がる(20)



 南西方向には、夕張岳や芦別岳などの夕張山地(21)、その南側には雲海で覆われた十勝平野の先に日高山脈まで見えている(22)


 すぐ南には、然別湖とそれを囲む周辺の山々(23)東側は雲海に覆われているが、その上に雌阿寒岳と阿寒富士が頭を出していた。
 まさに、360度の大パノラマである。風もなく、ポカポカした陽光を浴びながら、珍しく1時間以上ものんびりしてしまった。
 3人目に到着した男性から、いきなり「坂口さんですよね。いつもホームページと道新の連載、楽しみに読ませて頂いています」と挨拶された。札幌の方だった。
 愛知県と札幌の男性が下山して行って、しばらくしてようやくこちらも下山開始。糠平富士までが遠い(24)

下山途中に6名ほどとすれ違う。1610ピークまで来ると、いつの間にか上空に雲が広がっていた。
 登りは写真を撮りながら登るが、下りは、どんどん下るので早い。3時間掛からないで下りてしまった。

 登山口まで来て驚いたのが、およそ登山口には似つかわしくないレーシングカーのような車が停まっていた(25)よく、長い林道を走ってきたものだ・・・と思ったが、林道やダートを爆走するレーシングカーもあるので、その類いだろうか?それしても車高はかなり低い。

 翌日も好天予報だが、午後から札幌で会議が入っているので、日高の道の駅まで走って、沙流川温泉・ひだか高原荘で入浴。その後日高の道の駅で車中泊とした。







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