海別岳(うなべつだけ)<1419m> (朱円ルート) グループ登山6名
02,03,31

3/29(金) 15:30 函館発
       24:00 留辺蕊
3/30(土) 温泉&グルメツアー
3/31(日) 5:00 常呂町発    
登山
地点
下山
 7:15
 7:50
 9:00
10:45
11:10
林道除雪最終地点
砂防ダム
森林限界
スキーデポ地点
頂 上
13:45
13:33
13:00
12:35
12:10
[3:55]
所要時間
[1:35]

15:45 小清水ふれあい温泉発
21:45 札幌
1:45 函館着

KoさんのGPSトラックルートログ
 斜里岳の東隣、知床半島の付け根部分にゆったりと聳えるこの山(1)は、夏道もなく、冬から春にかけて人気のある山である。この山の姿を写真で見てから、漠然と函館から700kmは離れている山であるが、「あの山に登るのは早春の山スキーである。そして、あのゆったりと広がる斜面をのんびりと滑り降りたらどんなにか楽しいだろう」と漠然と思い続けていた。

 それが、「絶対、いつかは!」という現実的な目標に変わったのが2年前に北海道新聞社から発行された「北海道の百名山」に選ばれていたことである。全山単独で踏破した「北海道百名山」(山と渓谷社発行)に次いで、新しい目標になった残り19山の一つであったのである。

 それをさらに現実的にしてくれたのが、今回の案内人となってくれた北海道の山MLの仲間である北見在住のTaさんの存在であった。夏のうちから彼に3月30日のお願いをしていてのまさに遠征である。北海道の山MLの札幌の仲間、今冬の白井岳に同行してくれたKoさんとKuさん、初対面のSiさん、昨年函岳に同行して以来の千歳のNaさんと合計6人でのスキー登山となった。 

 29日、仕事を終え、函館を15:30に出発し、札幌でKoさんとKuさんと、さらに旭川でNaさんと合流し、真夜中の留辺蘂まで走った。しかし、予定の30日は一日中雨とみぞれに見舞われて足止めを喰い、温泉&グルメツアーで時間を潰し、天気予報の良い次の日を待った。

 予報通り、まさに低気圧一過、ピーカンの天候で絶好のスキー登山日和の朝を、食べ切れないほどのカニ&海鮮料理で有名な常呂町の民宿「船長の家」で迎える。

 朝日に輝く荒々しい斜里岳と逆光の中に黒く浮かぶ海別岳を眺めながら、6時半、斜里町のAコープ駐車場でTAMAさんと合流、さらに登山口となる林道の除雪最終地点でSiriusさんと合流する。

 7:15、スキーを着けてスタートする。青空の下に昨日の新雪に覆われ真っ白に輝くこれ以上の条件はないと思われる山を目指して、まずは雪解け水を流す海別川沿いの林道を進む。5分ほどで鹿対策のための柵をスキーを脱いで越える。

 先行するトレースを辿り、30分ほどで砂防ダムの左側の尾根に続く林道を進む。やがて、広い尾根の林の中を大きくジグを切って高度を稼ぐ。昨日の新雪が樹木を覆い、まるで真冬の感を呈してくれるのがうれしい(2)。 

 右手に小海別岳が見える辺りで(3)、青空の下にゆったりと広がる真っ白な頂上へ続く広い斜面が覗き、高度を上げて行くと右手に荒々しい斜里岳が見えてくる。左手の尾根を眺めると、峰浜ルートから登ってきたと思われる4名ほどのグループが見える。

 9:00 森林限界を抜けると、一面白の世界が広がりこれから登る山の全景が見えるのがうれしい(4)。振り返ると、幾何学模様に広がる斜里の畑地風景が新鮮な感じで広がっている

 だんだん高度を上げていくと斜面も急になり、その向こうに斜里岳がその美しさを呈してくれる(5)。標高1200mを越えると、雪に覆われた丈の低いハイマツやダケカンバがコブ状に広がる。先行グループはスキーをデポしてアイゼンをつけつぼ足に変えているが、登れるところまでスキーで登ろうとボコボコの急斜面をジグを切って登って行くが、よく見ると枯れたハイマツの枝が雪面からあちこち顔を出しているので、帰りの滑降が危険であるとの判断に立ち、1365m付近1にスキーをデポする。

 その後は、偽ピークの急斜面を登り、強風と闘いながら、右手奥に続く細い稜線を辿り本峰を目指す。4時間弱で念願の頂上に立つ。一面見渡す限りの眺望の中にこれまで登った道東の山々を探す。側には遠音別岳と羅臼岳、その後ろの国後島、南には日高のナイフリッジ状の稜線の向こうに武佐山、西には斜里岳とその奥に藻琴山、その間に雄阿寒、雌阿寒、阿寒富士が覗く。北側には偽ピーク、その左手に幾何学模様の平野とオホーツク海が望む。特に国後島があんなにハッキリ見えたのは初めての経験である(別ページ)。振り返ると鋭い偽ピークが聳えその後ろにオホーツク海が広がっている(6)。横に幾何学模様の斜里の畑地が広がり、オホーツク海の海岸線が北の方へ伸びている。懸命に流氷を探すが、国後島の手前の水平線に微かに白く帯状に伸びるもの以外、それらしいものが見えないのがちょっと残念である。

 風をかわせる南斜面に少し下りて昼食を摂ることにする(7)。ほとんどのメンバーがラーメンである。函館から持っていったいかめしを一個ずつ食べてもらう。その間、次々とたくさんのグループが到着し、結構賑やかな夏山状態の頂上である。この時期がやはり人気の時期なのであろう。

 1時間ほど休んで、いよいよ下山である。来るときより強烈な西風と戦いながら、偽ピークまで戻る。そこからスキーのデポ地点はすぐである。スキーを再び着けて、枯れたハイマツの枝に気をつけながらボコボコの少ない滑りを楽しめそうな東側の谷地形の方へトラバースする(8)。そこから森林限界までは多少クラストはしていたが、粉雪モードの最高の一枚バーンである。一番先に大半径のターンを刻み、下からみんなの滑りの写真を撮る(別ページ)。下の方は雪も解けて思うようなターンを刻むことができなかった。全員はぐれないように気をつけながら林の中を抜け、林道へ下りてしばらく進み、鹿除け柵をまたいで間もなくゴールである。

 ゴール地点から振り返ると朝は逆光で黒くしか見えなかった海別岳の森林限界の上の部分が青空をバックに真っ白に輝いていた(9)。途中、海別岳の全容が見える地点で写真を撮り、小清水ふれあい温泉で汗を流し、一気に700km離れた函館を目指す。札幌までは二人に運転してもらい、途中仮眠をしたりしながら、次の日の1時45分に無事帰宅する。

頂上からの眺望をどうぞ!
ほかのメンバーのスキーの滑りをどうぞ!
同行したKoさんのページをどうぞ!

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