ウコタキヌプリ(745m)  雨後滝山林道コース   2名 04,5,26

登山道が整備されているとの情報を得て、白糠丘陵の最高峰の一等三角点の山へ

6:00 音更発
8:00 雨後滝林道決壊地点
登山
地点
下山
8:20
8:45
9:40
車デポ地点(330m)
沢から造材道跡へ(360m)
頂 上(745m)
11:00
10:40
10:00
[1:20]所要時間[1:00]

 本別、足寄、白糠の3町に跨る白糠丘陵の最高峰で、国土地理院の「日本の山岳標高1003山」に選ばれている山なので地図上でよく目にしている一等三角点の山である。ただし、双耳峰で三角点が設置されているのは地図上の747mの本峰ではなく、南峰の745mピークである。

 山名の由来は、白糠町史によると、アイヌ語で「二つの山がくっついて立っている山」、足寄町史では、「互いに付いた玉石」の意とし、どちらも頂上の形態を示していると思われる。

 この山に登山道が本別山岳会によって整備されていることがHYMLに情報提供されたのは、音更に仮住まいしたつい最近のことである。まだ登っていない陸別町の北稜岳とセットの1日2山計画で出掛ける。ところが、情報提供者である3日前に登った帯広の方から、「本別町側からの林道が土砂崩れで通れないかも知れないので、足寄町側から入って方がいい」との詳しいアプローチ情報をいただく。

 足寄町から阿寒湖へ向かう国道241号線を中足寄まで走り、稲牛川沿いの足寄白糠線へ入る。その分岐に「足寄白糠線稲牛入口」と書かれた標識が設置されている。その道を10kmほど走るが、最後の1kmは舗装が切れ、その先の分岐で右の「上稲牛線」の林道へ入る。直ぐに鹿柵のゲートがあるが、そのゲートは開けて通過できるようになっている。その林道を6kmほど進むと、足寄と本別町の境界線となる分水嶺を越えた地点で大きなヘアピンカーブとなる。その頂点が雨後滝山林道入口である(1)。

 林道名の雨後滝山は、ちょい見には、雨上がりになると、滝のように流れる川のある山と読んだが、ただ単にアイヌ語のウコタキヌプリに漢字を当てはめただけのようである。その入口にウコタキヌプリの説明・案内板が設置されている。それによると、登山道が整備されたのは1996年らしい。その林道を車で進むが、途中酷いぬかるみがあり、普通乗用車では難しいかも知れない。500mほど入ると本別川を渡るところで林道が決壊しているので、ここが実質的な登山口となる。案内板に表示されている登山口はその先の標高340地点である。

 そこに車をデポし、同行志願のKaさんを伴い、スタートする。まずは、林道を決壊させている本別川源流の本別沢を石伝いに渡渉し、200mほど進むと林道終点となる。ここが案内板の登山口らしいが、「ウコタキヌプリ山頂→」と書かれた板が置かれているだけである。

 いきなり函状になっている本別沢を右左と石伝いに渡称しながら登る簡単な沢歩きである(2)。25分ほどで、360m附近の地図でも明らかに分かる広いところに出る。その右岸に案内板が設置されていて、そこから造材道跡へ取り付く(3)。右手に深い沢を見ながら進むが、踏み跡から察するに結構多くの人に登られているようであり(4)、あちこちに案内表示板が設置されている。その両側にはエゾオオサクラソウの群生があちこちに見られる(5)。

 1kmほどで、造材道跡から急な斜面へ取り付き、登山道らしくなる。かなりの急登である。木の根や石のステップがあるが、周りの木の幹に掴まりながら登り切ると(6)、斜度が緩み再び作業道跡へぶつかる。

 10分ほどその造材道跡を辿り、膝下ほどの笹に覆われた尾根の上の登山道へ取り付く。その先は南側からの尾根と合流し、足寄、本別、白糠の3町の境界の頂点となる710ピークである。

 向きを北側へ変え、5分ほどすると頂上標識の見える頂上であるが(7)、ダニが凄い。ズボンに次々と付くダニを払いながら、頂上到着である。
 
 頂上には一等三角点と立派な標識が立ち、東側に雌阿寒岳と阿寒富士がくっきりと見える(8)。360度の展望が広がるが、霞んでいて遠望が利かず、ニペソツやウペペサンケ山もはっきり見えないのが残念である。頂上に入山届けの赤いポストがあるとの珍しい情報を思い出して探したら、なんと頂上標識の裏に設置されている。気付かない人も多いのか、今年になって記述されてあるのは情報提供者のHYMLの2名だけである。そこに、3人目となる自分の名前を書いて下山とする。

  函状の沢の中に登りでは気付かなかったエゾシカの骨と皮だけになった死骸を見つける。多分、沢の急斜面を踏み外して落ちて死んだに違いない(9)。

 下山後、陸別の北稜岳へ向かうので、もときた林道を足寄に戻った方が近いが、本別側の林道の状況も知りたくて、反対側の本別川沿いの林道を辿る。土砂崩れの箇所はすでに撤去されていて、10km地点に鹿柵ゲートがあり、その後の10kmは舗装道路で本別町市街へ出た。


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