[84] ウエンシリ岳(1142m) [氷のトンネルコース] 96、8、9(金)

「氷のトンネル」を見物して、急な尾根と細い岩稜、そして、心地好い尾根道を辿る

5:30堆武町日の出岬発
6:10氷のトンネル見物
登山地点下山
6:40
7:25
8:00
8:40
登山口
氷のトンネル分岐
820mピーク
頂上
11:00
10:30
10:05 
 9:40
[2:00]所要時間[1:20]
12:00上川         
13:30糠平温泉(入浴)
15:30帯広 
 利尻山を中心とした天候に恵まれた道北登山旅行の3目目は、ちょうど見頃の氷のトンネルの見物と北見山地の中央部に位置するウエンシリ岳登山である。
 氷のトンネル
 堆武町の日の出岬キャンプ場で夜を明かし、車で40分で登山口到着。まず、まだ誰も来ていない氷のトンネル(1)を見物に行く。TVで紹介していた通り傘を持って入ってみる。見事な大きさである。流水が多くずっと中の方までは入って行けないのが残念。
                
  両側の雪崩斜面から落ちて積もった雪の下を沢の水が解かしてトンネル状になるのと深い谷ゆえに太陽があまり当たらないし、雪の上に積もった木の葉や土が断熱剤の働きをするために雪が真夏まで持つのであろう。
 岩稜の上を行く 
 いよいよ、キャンプ場の方に戻って登山口に取り付く。昨日の利尻は寒かったが、今日は気温が高いようだ。しかし、昨日は持たないで後悔したガスとラーメン、ポタージュスープ、コーヒーを持って登山開始。 いきなり粘土質の急斜面を直登である。端の笹に掴まらないと滑って登れない。続いてやはり急斜面をジグを切って登る。最初からどっと汗が流れる。その状態が45分程続いて、「氷のトンネル分岐」に到着。早速水分補給、こんなに早い水分補給は初めてである。
 頂上を眺めながら心地好い稜線を行く
 そこからは、今度は、スリルと変化のある細い岩稜尾根が続き、時には四つん這い状態やロッククライミング状態で進む(2)。両側の沢の対岸の稜線からの迫力ある雪崩斜面や頂上直下の雪崩斜面、オホーツク方面から道北方面の展望を楽しみながら進むと、820mピークからは頂上を眺めながらのダケカンバやハイマツの林の心地好い尾根道となる(3)。時折、頂上の左側に天塩岳とその奥に雪渓を抱いた表大雪の山が見える。振り返ると敏音知山塊とその両側に道北方面の丘陵状の重なりが見える。
 頂上の様子
 それにしてもカエル(黄土色)の多い山である。道のあちこちでぴょんぴょん逃げて行く。頂上までそのような状態が続く。その中で何度か多分ヘビではないかと思われる動きや音を感じるが、目にするのがいやなので見ないようにして進む。
 
 登り始めたころは太陽が出ていて暑かったが、曇ってきて汗のかいた体には心地好い。最後のピークからはハイマツの根を踏んだりダケカンバの小径木の中の緩やかな尾根道をゆったりと一歩一歩味わうように進むと突然頂上に飛び出す。手彫りの立派な頂上標識と一等三角点が設置されている(4)。残念なのは大雪方面の展望が広がる南側がガケカンバの木々で覆われていることである。
 
 雪崩斜面の続く氷のトンネルのある深い沢を見下ろしながら(5)、お湯を沸かし、ポタージュスープとラーメンとコーヒー、そしてみつ豆の缶詰のちょっとゴージャス気分の食事をする。時間的余裕もあるので寝転んだりしながら1時間程寛ぐ。頂上から氷のトンネルの沢を見下ろす双眼鏡で覗いても誰も登ってくる気配もなく、下山を開始すると夏の陽射しが戻って来た。しかし、頂上の近くではトンボが舞っている。もう秋の気配である。これから気温が下がるに連れてだんだん赤さを増して下の方に下りて行くのであろう。そんなことを考えながら下りて行くと、下の方はセミの声が響いていた。とうとう、誰も登ってこなかったが、登山口に出たら氷のトンネルの見物の車が何台も通り過ぎていった。
 
 氷のトンネルの下を流れてくる川の冷たい水で汗まみれの顔を洗い、体を拭き、さっぱりして着替えをする。道北の3山を予定通り登覇し、予定が余ったので、7月末に悪天候のため空足を踏まされた日高のカムイエクウシカウシヘ再挑戦すべく、浮島峠を越え、層雲峡を抜けるが、十勝側は霧雨に変わっていた。糠平温泉で入浴し、帯広へ。帯広で名物の豚丼を食へ、半分諦めの境地で中札内へ向う。(結局、次の日も雨で、夜明け前にカムエクは諦め、札幌へ出る用事があったので、富良野経由で、夕張山地の崕山へ登る。)


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