ウェンシリ岳(1142m)B
5:30 旭川道の駅
登山 | 地点 | 下山 |
8:05
8:55
9:35
10:35 |
登山口
氷のトンネル分岐
820mポコ
頂 上 |
12:10
11:40
11:15
10:50 |
[2:30] | 所要時間 | [1:20] |
|
ウェンシリ岳は、西興部、下川、滝上の3町村に跨る山である。最初は96年に、2度目は妻と一緒に登り、ウェンシリで待っていてもらい、その奥のポロナイポ岳まで足を伸ばしている。
ウェンシリ岳の山名の由来は、アイヌ語で「ウエン・シリ」(悪い・山の意)で、深い谷の険悪な雪崩斜面が由来と思われる。
旭川の道の駅で朝を迎えたが、予報に反して、素晴らしい青空が広がっている。山の計画はなかったが、急きょ、この山に向かった。
札久留峠からこの山が見えた(1)。
今回は、写真撮影が主な狙いなので、前回2回と同様に、東尾根(氷のトンネル)コースを登った。
なお、この登山口の奥にある有名な氷のトンネルは、積雪が多い時は全長500メートルにもなり、国内最大級と言われている。かつては西興部の観光資源で、最初のときは潜ることができた。ところが、2001年8月の崩落事故以来、トンネル内は立ち入り禁止となっている。しかし、西興部商工会青年部主催により、インストラクターを配置したり、トンネル内への入場監視など、安全を考慮して2005年から年に一度だけ開放を行っているようだ。
この山には、西興部側から2コースあるが、ウエンシリキャンプ場からの東尾根コースに比べて、中央登山口コースの方が2倍以上距離があり(2)、ちょっと億劫になり、つい、同じコースを登ってしまう。この案内図には載っていないが、反対側の下川町からの下川コースもある。そちらの方が最短距離らしいが、前回そちらへ行ったら、全然整備されてなくて、こちらへ移動したという苦い経験がある。
このコースは、東尾根を注意に辿るコースだが、登山口からいきなりの急登が続く。これまで2回も登っているが、そのことはあまり記憶になかった。尾根の途中から右手に荒々しい雪崩斜面が見える(3)。
急登はずっと続くが、尾根は徐々に細くなり、リッジ上になって来る。やがて、今は閉鎖されている氷のトンネルコース分岐に到着(4)。
ここから岩場が続く。ロープを伝って稜線に出ると、このコースの核心部である岩稜歩きとなる(5)。岩は角張っていて、しっかりしているので、あまり恐怖心はないが、ほどよい緊張感が楽しさを増長してくれる。ただ、今回は、この2ヶ所で三脚を立てて自作自演の撮影をしたので、行きつ戻りつで結構緊張した。
四肢を駆使して、岩稜を越える。左上に目指す頂上が見える(6)。この岩稜は上に見える820ピークまで続いていた。こんな岩塔もあり、その根元を通り、再び稜線歩きとなる(7)。
820ピークを越えても、さらにきつい急登が続く。展望や周りの植生を楽しみながら登って行く。
標高950mを過ぎると、斜度も緩み、ずっとウェンシリ岳の頂上を見ながらのハイマツ帯の登りとなる(8)。ポロナイポ岳はウェンシリの陰で見ることはできない。南の方には天塩岳やその向こうに表大雪や北大雪の山々が微かに見えている。
道端のオオカメノキ(ムシカリ)の赤い実が秋の訪れを感じさせてくれる(9)。3ヶ所での自作自演撮影の時間を含めて2時間30分で、11年振りの一等三角点のウェンシリ岳に到着する。
山頂標識は最初のときから傾いていたが、前回よりは少しマシになっていた。その角度に合わせて、記念撮影をしてみた(10)。ポロナイポ岳へは、今回はパス。
頂上の真下には、両側に雪崩斜面を配した深い谷が見える。この雪崩斜面から落ちた雪が谷を埋めて、氷のトンネルを造るのであろう。その奥の山塊はウッツ岳のようだ(11)。
登って来た尾根の彼方にはオホーツク海も見えている(12)。
15分ほど休んで、下山を開始。急な下りは速いが、汗が流れる。途中で滑って尻もちを突いたが、その時にポールの3本繋ぎの下の部分がぐんにゃりと曲がってしまった。先の部分だけでも売ってくれないか調べてみようと思う。
思いがけない好天のお陰で、秋にでも出直そうと思っていた、遠い山なだけに、自作自演も入れて、出版のための写真撮影の目的が達成できて大満足だった。