4:00 自宅発
5:30 知内川沿い林道除雪最終地点
(最終人家から1.5km付近)
登山 | 地 点 | 下山 |
5:50
7:05
9:05
9:45
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12:10 |
除雪最終地点
奥二股登山口
広川原
350m二股出会い
(右岸尾根へ)
頂 上 |
17:20
15:55
14:30
13:55
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12:55 |
[6:20] | 所要時間 | [4:25] |
18:00 知内・こもれび温泉(入浴)
|
燈明岳・・・同じ名前の山が福島町と知内町だけで4山も存在する。
今回の燈明岳は、その中でも最も標高が高く、大千軒岳の東隣の中央分水嶺上に聳える山である(1)。
当初は、この山ではなく、前千軒岳の南側に位置する袴腰岳と百軒岳に登る予定で、千軒地区の知内川沿いの林道へと入って行った。最終人家から1.5km付近の除雪最終地点まで進むと、見覚えのある車が停まっている。車から降りた人を見たら、なんと、
3/23の岩子岳に一緒に登ったSaさんである。お互い思いがけない出会いにビックリである。
聞くと、燈明岳に登るという。この山は奥二股の吊り橋に板の架かるGWの初めに登ろうと予定していた。しかし、彼の話では、昨年の秋に吊り橋は撤去されて、立派な橋が架けられているとのこと。彼はすでに袴腰岳と百軒岳は登っていることもあり、予定を変更して燈明岳に同行させていただくことにする。
まずは、山スキーで長い林道を歩き始める。しばらく進むと、正面に975ピークと前千軒岳が見えてくる。途中、何カ所も雪が切れているところもあったが、シールのまま通過して、
3.5kmほどの道のりを1時間15分で、大千軒岳奥二股登山口へ到着(2)。
吊り橋の架かっていた川の方へ下りていくと、その姿は跡形もなく消え、いつでも渡れる新しい橋が架かっていた(3)。彼の話では、昨年の夏にはまだ吊り橋が架かっていたので、多分、秋に新設されたのではないかとのことであった。
(後日情報〜昨秋、檜山森林管理署が架けたそうで、「観峡橋」と名付けられた)
そこにスキーをデポして、橋を渡り、川沿いに続いているはずの雪に隠された夏道の記憶を辿りながらツボ足で進む。
夏でも、怖いへつりや急斜面のトラバースや高巻きの多いコースである。自分たちのトレースを振り返って、「あんなところをトラバースしたのか?」ビックリするようなところもあった(4)。
途中で、夏道を見失ったりしながらも、なんとか雪を繋いで長い高巻きを越え、川沿いへ下りた。しかし、そこはまだ高巻きが必要なところであったが、強引に沢沿いを進む。
やがて、奥二股から2時間も要して、広川原に出て、ホッとする。渡渉も石を伝って簡単にできた(5)。
広川原から、さらに40分、流れが直角に曲がる地点から少し進み、夏でもへつったり、岩の上を高巻く地点を越えると350二股出会いである。ここからが本題となる燈明岳に繋がる右岸の尾根に取り付くのだが、スタートからここまでで4時間も要している。標高差600mに残されたタイムリミットはあと3時間である。時間よりも体力が心配である。
沢を渡渉して、かんじきを着ける。あとは尾根を忠実に辿るだけなので、ここまでのような緊張を強いられるところはないはずだ。しかし、最近積もったと思われる重いシャーベット状の新雪が深いところで60cmほどもあって、体力の消耗を強いられる。
やがて、
左手に前千軒岳と中千軒岳とその間に突き上げるキレットの沢が見えてくる(6)。750mを越えると、雪も締まって歩きやすくなり、ペースが上がる。
850mを越えて、平坦なところへ出ると、初めて雪庇を発達させた頂上と対面である(7)。右側の細い尾根を伝い、中央分水嶺上に乗ると、一番奥が頂上であった。
スタートから6時間20分という久しぶりの長丁場であった。しかし、
その疲れも、前千軒〜中千軒〜大千軒へと繋がる稜線と春山とは思えないほど純白の広い山肌に吹っ飛んでしまった(8)。
遙か北側にも積丹半島〜狩場山塊〜遊楽部山塊〜乙部岳〜砂蘭部岳などの山並みもくっきりと見える(9)。更に、東側に目を転じると、端正な形をした七ツ岳とその右手にそれらを従えた七ツ岳の山名の由来になっているとも言われるポコポコと尖った頭を並べる馬岳や牛岳などの知内の山々、そのずっと奥に横津岳まで見えている(10)。
無風のポカポカ陽気の下で、それらの展望を楽しみながら、ゆったりと昼食を摂り、
大千軒岳をバックに記念写真を撮って(11)、下山を開始する。
ラッセルの必要のない下りは速い。その気になって下っていると、思いっきり頭から雪面に投げ出されてビックリする。気が付いたら、右足のかんじきが足に着いていない。埋まった状態でベルトが切れてしまったのである。なんとか工夫して結び直して、騙し騙し下山を続ける。登りで350二股出会いから2時間半も要した下りはちょうど1時間であった。
ところが、川沿いを歩いていると、今度は左足のベルトも同じ箇所で切れる。左右対称でのハプニングに笑うしかない。同じように結び直して、岩のへつりもかんじきを着けたまま歩き、奥二股登山口へ到着。
スキーと一緒にSaさんがデポしておいたグレープフルーツをご馳走になり、元気をもらって、濡れて重いシールを着けたままの山スキーで、林道歩きをスタートする。しかし、単調な歩きに緊張の糸が切れてしまい、11時間を超える久しぶりの山行の疲れがどっと出て、足が重くゴールが遠い。スタートして、11時間30分、ようやく車の姿が目に入ってくる。
思いがけない出会いで、思いがけない念願の山を踏破できた喜びは大きいが、珍しく疲労のダメージが大きい。体力を持て余した超ビスタリーモードのネパールトレッキングや帰国後に続いた下痢状態など、かなり体力が落ちていたらしい。知内のこもれび温泉から上がった後は、ソファに横たわってしばらく動くことができなかった。Saさんに「坂口さんでもこんなことがあるのですか?」と喜ばれてしまった。