うたかたの夢か幻か、45分間の「滝の瀬十三丁物語」

いよいよ滝の瀬十三丁の始まりこの急な滑めを越えたら、いよいよ いよいよ待ちに待った、このためにここまで登ってきた「滝の瀬十三丁」の始まりである(1)(2)。写真では何度か目にはしていたが、百聞一見に如かずである。10mくらいの川幅いっぱいに広がる足首ほどの結構強い流れのまさに滑るような緩やかな滑滝がずっと上まで続いている。白い岩盤の川底は一面黒いフカフカの苔で覆われ、それを一歩一歩踏みしめるようにゆっくりゆっくり渓流シューズのフリクションを味わいながら進む。一歩一歩がいとおしい・・・・時間が過ぎないでほしい・・・そんな思いで、ここだけはゆっくりゆっくり歩を進める。まさに至福のひとときである。

 20分ほど夢心地の歩を進めると、はるか右上から白く輝きながら何段にもなって落ちてくる三川台からの大きな滝とこちらの滝の合流地点に到着する。右岸の巻き道を越えると、その先にも同じような滑滝が続き、夢の続き、第2部の始まりである。きらきら輝いて流れるその上に目を転じると紅葉した稜線が見える。いつまでもいつまでも夢なら覚めないでくれと祈りながら、さらに20分ほど進む。その先にやはり川幅いっぱいの小さな滝が待っている。そこを直登すろと、その先は岩のごろごろしたふつうの沢模様に変わる。夢から現実に引き戻されたような感じで振り返ると、夢でなかった証拠がずっと下まで続いている。その地点で、夢を反芻するような思いで、しばし休憩。

たっぷりどうぞ!

ちょっと急になると水しぶきを上げて

一面フカフカの黒い苔に覆われて

静かな流れと紅葉の稜線

上から振り返る

一歩一歩フリクションを利かせて

三川台からの滝(右)の合流点

何段にもなって落下する三川台からの滝

滝の合流点の上から第2部の始まり

やや川幅が狭くなって

いよいよ終章が近づく・・・上の滝で終わり

つづく
いくつかの滝と急流を越え、源頭を目指し、一夜の夢を結ぶ

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