十勝岳C (2077m)
                                                <望岳台コース>  山スキー  単独 14、4,29 
B07,9,17「十勝岳〜美瑛岳〜美瑛富士」
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@93,7,25の「富良野岳〜十勝岳〜美瑛岳縦走」へ
好天に恵まれて、念願の十勝岳を山スキーで登り、山頂で出会った岳友と一緒に滑ることができました。

登山
地点
下山
 8:10
 9:15
10:25
11:40
望岳台
避難小屋
グランド火口
頂 上
12:50
12:40
12:30
12:15
[3:30]所要時間[0:35]

13:30 青い池
17:30 白金温泉・国民保養センター(入浴)

 現在も噴煙を上げる十勝岳はこれまで3回登っているが、積雪期は未踏だった。厳冬期にも白銀荘から登れそうだが、単独行なので、天候の安定する春山スキー登山を狙っていた。

 しばらく好天が続きそうなので1週間ほど春山スキー登山の旅に出ることにした。皮切りは一度スキーで滑ってみたいと思っていたこの十勝岳に設定した。

 前日の午後、サクラの咲きだした函館を出て、中富良野まで走った。スキー場のラベンダー公園駐車場で、7時間爆睡して快晴の朝を迎える。しかし、気温は−2℃。急いで行っても雪はガリガリだろう。ゆっくりご飯を炊いて食事をして、おにぎりを作って、最近除雪がされて入れるようになったばかりの白金温泉の望岳台へ向かった。向かう道路の正面に尖った頂上がスカッ晴れの空の下にくっきりと迎えてくれた(1)

  6:30に到着。素晴らしい天候なのですぐにでもスタートしたかったが、ガリガリのアイスバーン。ツボ足登山には最高だがスキーには最悪。ツボ足の単独登山者3人が先行して行ったが、雪が緩むのを待った。


  待っている間にスカッ晴れの下で朝日を浴びて輝く十勝連峰をパノラマ撮影してみた。左からオプタテシケ山〜美瑛富士〜美瑛岳〜十勝岳〜三段山〜富良野岳(2)

 
 少し雪が緩んできたので、8:10にスタート。風もなく、暑いくらいで、シャツ1枚になってゆっくり歩いても汗が噴き出てくる。
昔十勝岳スキー場のゲレンデだった広い緩斜面の先を進む単独の女性二人の後を追う。山頂部は黒い地肌を見せて噴煙を上げる大正火口と2度登っている前十勝の62-U火口の陰で見えなくなる(3)。 1時間ほどで十勝岳避難小屋に到着(4)


避難小屋のそばで休んでいると、後ろから登ってきた若者3名も岩に腰かけて富良野岳をバックに休んだ(5)。登って行くと、上から5人グループが滑り降りてくる。この時間に下りてくるということは上ホロの避難小屋にでも泊ったのかもしれない(6)
 1500m付近の急斜面まで来ると、シールが効かないほど堅くなってきた。スキーをリュックに括り付け、アイゼンを履いて登り続けた。斜度が緩くなると、雪は緩んできたが、面倒なので、頂上までそのままの態勢で登り切った。
 

 大正火口の横を抜けてグランド火口へと入って行くと、頂上が見えてくる。そこで、先行の女性に追いついた(7)
 夏道は左の尾根に上がってグランド火口の縁に続いているのだが、尾根へ上がるのが面倒なので、火口原の中を真っすぐ進んで、頂上根元を狙う。よく見ると同じことを考えたスノーシューのトレースが見えるので、それを辿った。
 頂上の根元まで登って振り返ると、前十勝の62-U火口が下に見える(8)


 頂上の下まで来ると、斜面は非常に荒れていて、しかも氷化していて、非常に歩きづらい(9)
 スタートして3時間30分、11:40、先行の山スキーヤーに迎えられてようやく頂上に到着。シールを剥がしていると、頂上の南側を巻いて到着した山スキーヤーが到着。どうやら上ホロの方から縦走してきたらしい。その男性に「あら?坂口さん!」と声を掛けられてびっくり・・・なんと旭川の「道北ヤブ山日記」のoginoさんだった(10)10数年前に2人でクワウンナイ川を遡行して以来、毎年のように薮山山行でお世話になったいる。12月末にも札幌で開催された薮山仲間の忘年会でお会いしたばかりだった。聞いたら、十勝岳温泉から富良野岳へ登ってこちらまでやってきたらしい。


  次々と後続者がやってきて、頂上もにぎやかになる(11)。頂上標識のすぐそばに自然に空いた穴があったらしく、その中へ潜りこんでいる若者が楽しそう(12)


 いつの間にか、ほかのみんなが下山していき、スキーの2人だけが残された感じになった。落ちついて周りの景色を楽しむ。春山にしては珍しくこれ以上はないと思われるほどの大展望が広がっている。
 まずは、oginoさんがやってきた富良野岳から上ホロカメットク山方向。その後ろの夕張山地。その右奥に羊蹄山までも見えている(13)
 反対側には美瑛岳とその奥に表大雪の山々(14)これらのほかに、増毛山地や日高山脈も見えていた。


 この時期初めての大展望も満喫し、跡の楽しみはロング滑降である。アイスバーンのまま荒れた北斜面を避けて、南斜面から巻くように下った。上の方は堅くてガタガタで手こずったが、すぐに雪は柔らかくなった。
 先に下山したメンバーをすぐに全員追い越して、大斜面の快適な滑降を楽しむ。不安定なプラブーツながらも見事なターンを描いて滑るoginoさん(15)、彼から提供してもらった貴重な自分の滑り(16)


 グランド火口まで下って、頂上をバックの1枚(17)。この後、白銀荘まで滑り、十勝岳温泉まで登り返すという彼と避難小屋の上まで一緒に滑り下りた。
 彼と別れて、昔ゲレンデだった緩斜面に描いた自分のシュプールと滑り下りた斜面を見上げて、望岳台までのロング滑降を楽しんだ(18)
 休み休み滑ったつもりだったが、登りで3時間半も要したロングコースをわずか35分でのゴールだった。望岳台の駐車場は観光客の車で満杯だった。


 温泉に入る前に「青い池」を見たくて、そちらへ向かった。ここも観光客でごった返していた。しかし、白い美瑛岳と1時間ほど前まで頂上にいた十勝岳をバックにした雪に囲まれた青い水面がみごとだった(19)
 この後、白金温泉に戻って、300円で入れる国民保養センターで疲れを癒した。

oginoさんの「道北ヤブ山日記」の「十勝岳」のページへ



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