十勝岳B(2077m)〜美瑛岳A(2052m)美瑛富士A(1888m)
  単独 07,9,17
93,7,25の「富良野岳〜十勝岳〜美瑛岳縦走」へ
04,9,20の新得コースからの「十勝岳」へ
初めての望岳台コースを基点とした縦走をし、スケールの大きな荒々しい火山地形と美瑛岳東斜面の鮮やかな草紅葉を楽しむ

  
登下山
地点
 5:45
 7:30
 8:15
10:10
11:15
12:40
14:00
望岳台
1720ポコ
十勝岳
美瑛岳
美瑛富士
ポンピ沢
望岳台
[8:15]所要時間
15:00 白銀荘(入浴)
20:00 千歳道の駅(泊) 

 十勝岳は過去2回(富良野岳〜美瑛岳の縦走新得コース)登っているが、一番メジャーな望岳台コースからは登ったことがなかった。今回は、その望岳台を起点として、十勝岳〜美瑛岳〜美瑛富士の循環縦走を楽しんだ。これらの山の魅力はスケールの大きな火山地形なので、紅葉は期待していなかった。特に望岳台から十勝岳までは、荒涼とした火山礫や火山灰や溶岩の斜面である。しかし、その後の美瑛岳東斜面を覆うタルマエソウとチングルマの鮮やかな草紅葉はため息がでるほど感動的だった。

○まずは、十勝岳へ

 前夜のうちに望岳台の駐車場へ移動する。夜中は満天の星に快晴を期待したが、朝になったら、薄曇りで、青空も陽光もなかった。しかし、十勝連峰の山々ははっきりと見えている(1)

 初めは緩やかで平坦な瓦礫の斜面を登る。紅葉は右隣の三段山と富良野岳には見られるが、十勝岳の斜面には、紅葉するナナカマドも映えていないので、期待のしようがない。避難小屋は既になくなっていたが、そこから上は大きな瓦礫に覆われた尾根に取り付き、黄色のペンキに導かれて進む。遠くに見える先行者は二人。相前後する男性が一人。瓦礫の急な登りを終えると、右のグランド火口と左のスリバチ火口に挟まれた緩やかな尾根となる。グランド火口の向こうに目指す頂上が見える(2)(Iさん提供〜私の写った画像)。

 頂上直下で追いついた先行者は、日本二百名山巡りをしている新潟の男性であった。望岳台をスタートして、2時間30分で3回目の十勝岳頂上。振り返ると、3年前の1月に山スキーで登った噴煙を上げる前十勝岳の噴火口が見える(3)。北側にはこちらに爆裂火口を向けて聳えるこれから向かう美瑛岳、その後ろにトムラウシや旭岳などの表大雪の山々(4)、反対の南側には、上ホロカメットク山〜富良野岳の連なりが見える(5)

○次に美瑛岳へ

 十勝岳を後にして美瑛岳を目指す(6)この稜線を繋ぐのは14年前に一度歩いて以来である。この後は、これまで相前後してきた今春秩父から富良野に転勤してきたという青年とずっと一緒の行動となる。まだ、転勤してきて半年だが、せっかくの機会なので、こちらにいるうちに登れるだけ登ろうという決意のようだ。

 荒涼とした広い稜線を黄色のペンキの塗られた杭と踏み跡を辿る。手前の爆裂火口壁を越えて、美瑛岳への稜線へ差し掛かると、黒くて細かな火山礫の斜面一面に花の咲いたような鮮やかなイワブクロ(タルマエソウ)の草紅葉に目を見張る(7)


 やがて、チングルマの紅葉も仲間入りし、一層その鮮やかさを増す。その下に広がるハイマツ帯のナナカマドの紅葉と相まって2層の紅葉を楽しむことができた(8)。紅葉は期待していなかっただけにその喜びは大きい。その草紅葉の斜面の向こうに見えるオプタテシケとトムラウシの眺望も感動的でさえある(9)





   右に回り込むようにして美瑛岳頂上へ向かう(10)。頂上からの火口越しの荒々しいスケールの大きな十勝岳の姿を眺めながら(11)しばらく休んだが風が冷たくて、体が冷えてくる。

○美瑛富士に寄って、下山

 来た道を少し戻って、分岐から美瑛富士のコル目がけて下る。東側の谷間から吹き上げてくる風に運ばれてくるガスが頂上まで覆い、この後、美瑛富士からの眺望には一切恵まれなっかった。頂上標識の写真を撮って、直ぐに下山。

 コルまで戻り、そこから美瑛岳の北斜面をトラバースするコースを辿り、美瑛岳稜線コースと合流してポンピ沢へ下る。美瑛岳の北斜面にもところどころナナカマドの紅葉が広がっている(12)

 風の当たらないポンピ沢で昼食を摂り、お喋りしながら少しのんびり休憩する。その後は雲の平までの緩やかな登り返しがあるが、それほど気にはならない。

 やがて、十勝岳への登山道と合流するが、この辺りから、山は見えるのに、下の方が濃いガスに覆われて、下山して振り返っても十勝連峰の姿は見えなかった。

 8時間強の行程であったが、暑くなかったこともあり、十勝岳への登り以外に汗を掻くことがなかったせいか、ほとんど疲れを感じることのない快適な循環縦走であった。下山後、吹上温泉の白銀荘でのんびり入浴し、帰路につく。


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