5:00 音更発
6:00 トムラ登山学校レイクイン
6:50 登山口
登山 | 地点 | 下山 |
7:00
7:55
8:45
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10:30 |
登山口
沢出会い
雪田跡
(昼食休憩)
頂 上 |
13:30
12:40
12:00
(11:30)
10:40 |
[3:30] | 所要時間 | [2:50] |
14:00 トムラ登山学校レイクイン(入浴)
15:40 音更着
|
十勝川の源流の山ということに因る十勝連峰の最高峰である。ほとんどは美瑛町の白金温泉の上の望岳台から直接、上富良野町の十勝岳温泉から富良野岳や上ホロカメットク山経由で登られることが多い山である。自分も前回は富良野岳から美瑛岳までの日帰り縦走の途中にこの頂上を踏んでいる。しかし、今回は、登る人は少ないが、毎年丁寧に登山道が整備されている十勝側の新得コースからの再訪である。
定年退職した今年、これまで遠かった日高山脈、大雪の山々や十勝連峰、道東の山々を満喫するために4月下旬から音更町に仮住まいして5ヶ月、その締めくくりの山として、この新得コースから11年ぶりに再訪することにする。ちょうど紅葉の時期でもあり、いつもこの時期に登るという
「山の花紀行」のYa@帯広さんに同行を願い、その叔母さんと3人連れの山行となる。
新得の屈足温泉にあるトムラウシ登山学校の駐車場で6時に待ち合わせ、Yaさんの車でトムラウシ温泉へ向かう道路途中の曙橋から十勝川沿いのシートカチ林道へ入る。12.5kmほど走り、「十勝岳登山口4.6km」の標識から右折し、シートカチ第5支線林道を走ると、
立派な標識が建ち、きれいに整備された登山口である(1)。
入山届けを見ると、6月中旬からわずか12組しか入っていないが、幅4〜5mほどに毎年きれいに整備されているらしい快適な登山道を進む。登山口付近はアカエゾマツを主体とした針葉樹林であるが、標高900mにもかかわらず、すでにハイマツが混在している。
やがて、そのハイマツの密度がだんだん濃くなり、周囲は笹とハイマツに変わり、ハイマツの長いトンネル状態になってくる。
一段高く登ると、展望が開け、表面に頂上稜線とその下部のハイマツと紅葉斜面が広がり(2)、右手に美瑛岳〜オプタテシケ山〜トムラウシ山が、振り返るとニペソツ山を中心とした東大雪の山々が、左手には下ホロカメットク山と境山が見えてくる。
再び、ハイマツのトンネルを進むと、右に折れて上ホロカ川の支流へ下っていく。
ハイマツのトンネルを抜けるとその清流の沢で、昨日の雨のせいか水量が多く、周りの紅葉が美しい(3,4)。ここで、ちょうど1時間である。清流と紅葉を愛でながら最初の休憩をとる。
しばらく、その清流の右岸を辿るが、
途中で対岸に渡渉し、小さな尾根を越えると上ホロカ川本流へ出る。この沢は一転して地肌剥き出しの沢で、火山灰を溶かした濁った水の流れる沢である。上流に滝が見えるが、その滝の手前で右の急な斜面を登り(5)、再びハイマツのトンネルに入っていく。
その途中から広がる境山手前の紅葉斜面がこのコースの中で最高潮の状況である(6)。やがて、傾斜が緩み、雪田跡のカール状地形の中に入っていく。夏には花畑が広がっているようなところである。地図上では左の沢へ下りて、その沢沿いに登るように記載されているが、実際の登山道は反対側のその草紅葉の壁の右側の急斜面を登っていく。そこを登り切る手前の風が避けられるところで、その上の寒い強風に備えてシャツを一枚着込み、手袋を付け、休憩する。
その斜面を登り切ると、噴火の影響と思われるハイマツの死骸が累々と広がる殺伐とした台地上に出る。表面に頂上稜線が見えてくる(7)。左手には、鋭く天を突く下ホロカメットク山の姿が見える(8)。その上にも花畑状態のところがあるが、それを過ぎると、登る人が少ないせいか、踏み跡が不明瞭になり、岩に付けられた赤いペンキの印や木杭が目印となる。そのコースは概ね緩やかな尾根上に続いている。頂稜を越えてくる強風が非常に冷たい。途中でフリースも着込む。
やがて、植生もなくなり、赤いペンキの印と木杭を頼りに、荒涼とした広大な火山灰の斜面を登っていく(9)。途中、この時期なのに、まだ雪渓が残る小沢の下を渡り、頂上の手前のピークを目指して斜めに登っていく。だんだん斜度が増す火山灰や火山礫の急斜面であるが、昨日の雨のお陰で締まっていて、歩きやすいのが幸いである。
頂稜が近くなると、初めて頂上と対面である。ずっと下から見えていたピークは手前のピークである。
岩を積み上げたような頂上は、上ホロカメットク岳方向から登って来るときに見える頂上よりずっと頂上感のある姿である。頂上には色とりどりのウエアを着た登山者が沢山見えてくる(10)。やがて、美瑛岳への縦走路へ出、美瑛岳を目指して下りてくる登山者とすれ違うようになる。
冷たい強風と闘いながら、3時間30分で頂上に到着する。
噴煙を上げる反対側の眺め(11)、
南側の富良野岳側(12)、北側の美瑛岳とトムラウシ山側の眺めも(13)、寒くてゆっくり味わっていられない。大きな岩の陰に腰を下ろすが、やはり寒くてしょうがないので、そこでの昼食タイムは諦めて、
記念写真を撮ってもらい、直ぐに下山を開始する(14)。
火山灰と火山礫の斜面を滑るように、登りで1時間45分要した風の避けられる雪田跡まで登りの半分の50分で下る。そこで昼食タイムとする。
30分ほど休憩して、冷たい強風からも解放され、後はその下に広がる紅葉を楽しみ、長いハイマツのトンネルを潜って登山口を目指す。
下山後、待ち合わせ場所だった屈足温泉のトムラ登山レイクインで入浴し、別れ、帰路に就く。
毎年丁寧に整備をされている登山道や変化に富んだコースにもかかわらず、こちらから登る人が予想していたよりずっと少ないのは非常に残念である。登山道を整備している人たちの苦労に報いるためにも、もっと多くの人に登って欲しいコースである。