尖山(知内町)(360.7m)  
小谷石南尾根コース  単独 11,9,23

        小谷石から登山道があるという情報をいただき、早速トライ・・・まさに、津軽海峡の展望台

6:15 自宅発
登山
地点
下山
7:40
8:10
8:40
登山口(龍神様下)
NTT管理道路交差
頂 上
9:45
9:20
9:00
[1:00]所要時間[0:45]
10:00〜11:00 矢越岬コース偵察
11:30 こもれび温泉(入浴)

GPSトラックログ
(登山道地図)
尖山・・・知内山地の突端に位置する名前通りの目立つ山で、四等三角点(点名・同じ)が設置されている(1)

 つい2日前、このサイトのトップページからリンクしている「北海道の山岳ニュース」の管理人で札幌のYoさんから、「仕事の関係で、知内の尖山に登ってきました。まだ登られてないようですので、ぜひ登ってみてください」というメールに登山道が記された地図まで添付されてきた。

 この山に登山道があるなどとは、今まで聞いたこともなかったし、ネット上でもまったく目にしたことがない。もちろん、地図にも記されていない。この山に登るには、その奧にあるNTTのマイクロウエーブへの管理道路を辿って、途中から薮漕ぎでしか登れないと思っていた。登山道ができたのは、最近のことかと、知内丸山の登山道開削に携わった岳友Toさんに確認したら、以前からあって、自分たちは関わっていないとのこと・・・。

  この山の奥にあるNTTマイクロウエーブまでは、尖山の南側の山腹を巻いて、管理道路が続いている。2007年に旧矢越小学校から知内丸山の登山道が開かれるまでは、一等三角点マニアの人たちは、この管理道路を辿って、その先に続く尾根から薮漕ぎで知内丸山に登っていたらしいことは知っていた。しかし、今回の登山道は、途中でその道路を横切りはするが、全く関係ない南尾根を辿るコースのようである。

 台風一過のスカッ晴れの下、早速出掛けてみた。知内火力発電所の横から改めて眺めると、まさに端正な尖山である。その右手にNTTのマイクロウエーブの鉄塔が見える(2)

 小谷石の集落へ入って、まもなく段丘の上に神社が見える。その下から登るらしい。まさに、海抜0mからの純登山である。空き地に車を置かせてもらい、外にいたそこの家のおばさんに登山道のことを聞いてみた。「昔、上に畑を作っていたこともあり、上の神社の桜の木のところから斜めに上がって行けば、道はあるけど、はっきりしてないよ〜。」とのこと。

 民宿「然」の裏山の龍神様への階段を登って行く(3)。上には、社が2棟立っていて、その左側に桜の木が2本生えている。その後に、確かに斜めに上がって行く踏み跡が見える(4)

 急斜面にジグを切って続くはっきりしない踏み跡を辿っていくと小さな尾根に乗る。

 尾根に乗って直ぐに、「尖山 小谷石 1」と書かれた標識が設置されている(5)標識があるということは、登山道として整備されているということだし、1ということは、2以上の標識があるということだろう・・・と心強くなる。

 その先の尾根には、はっきりとした踏み跡が続く(6)ピンクテープもあちこちに結ばれている。

 左からの顕著な尾根が合流する標高点127にも「3」の標識があった。その上は杉の人工林が続くが、まもなく自然林に変わる。尾根が広くなり、林床には下草や笹がほとんど生えてなく、どこでも歩ける感じなので、踏み跡が不明瞭で鹿道もあるようだ。しかし、あとは頂上へ続く尾根を辿るだけなので多少不明瞭でも、登りは尾根を外すことはないので、心配はない。

 
 標識「4」を越えて、標高150m付近で方向を東側に変える。更に登っていくと、標高180mでマイクロウエーブへの管理道路にぶつかる(7)標高的には、ここが中間地点である。ちょうど30分だった。道路を横切り、その先の法面に続く踏み跡を登り切ると、標識「5」があった。相変わらず、林床に下草が生えていない尾根を登っていく(8)310ポコへの登りは少し急になる。310ポコは、膝下くらいの灌木に覆われていた。

  一度下って登り返すと、尾根は細く、急になってくる。右側は切れ落ちた崖状になっている。330m地点に標識「7」があり、頂上は近い(9)あと30mに「8」と「9」はないだろうと思ったが、案の定、なかった。頂上への最後の登りは、直登せずに左から巻くように進むと、草原状の斜面へ出た。

 ちょうど1時間で頂上に到着。頂上標識も下にあった標識と同じ物で、数字が「10」となっていた。その手前に四等三角点も設置されている(10)

 山の形からしても当然だが、頂上は狭くて、周りは全て急斜面で囲まれている。それだけに、遮る物のない大パノラマが広がる。西側は知内山地に遮られているが、南側の津軽海峡を挟んだ津軽半島や下北半島、東側の函館までの海岸線や函館山や横津連峰も見える。

 直ぐ背後にはマイクロウエーブの鉄塔が建つ。その後には、知内丸山の頂上が見える(11)その左側に、福島町との境界線上の矢越岳も見える。



南側には、津軽海峡を挟んだ津軽半島・・・右眼下は小谷石の集落、左手前は越えてきた310ポコ(12)

東側に広がる知内町市街地から木古内方面へ掛けての眺望。右端は桂岳(13)

さらに右側には、駒ヶ岳(左奧)、当別丸山(左手前)、横津連峰(中央)、函館山(右手前)など(14)

 20分ほど休んで、下山開始。途中で、みごとな量の「タヌキの溜め糞」を見つける。これだけの大きさは初めてである。これだけ溜めるにはどのくらい掛かるのだろう?(15)

 コースのほとんどは下草もなく、笹もほんの少しの尾根だが、310ポコだけは、見たことのない実を付けた灌木に覆われていた(15)。(これは、yamaさんから「ヤマシャクヤクの実です」と教えていただいた。一帯を覆っていたので、花の頃はみごとだろうと思われる。)

 踏み跡が不明瞭な上に、鹿道もあるので、登りながら、「下るときには尾根の合流地点で間違うかも知れない」と思っていたが、案の定、310ポコからの下りで、「こんなに急だったかな?」とGPSで確認したら、右に方向を変えなければならないのに、真っ直ぐ下っていた。トラバースして、正規の尾根に戻る。

 ずっと下って、標高点127でも、明らかな踏み跡もある幅広の尾根へも真っ直ぐ下っていた。ピンクテープもないし、記憶にない様子に気づき、再びGPSで確認して戻った。このほかにも、気を付けないと間違えそうな所があった。ピンクテープを注意して探しながら下ることが必要だ。自分はGPSを持っていたから良かったが、下りの尾根の合流地点に「登山口→」の標識か、間違って進まないように長いテープで遮るかの措置も必要な感じがした。

 眼下に小谷石の漁港が見えるとゴールは近い(16)頂上での休憩も入れて、およそ2時間の行程だった。下山後、民宿「然」へ寄って、この登山道のことを聞いてみた。「割と昔からあったようです。うちに泊まる知内丸山へのお客さん(一等三角点マニアだろう)は、登山道ができるまでは、ここから登っていたようです。」とのこと。車を置かせて頂いたお宅にも寄って、お礼を言う。

<矢越岬コース偵察> 
 下山後、いただいた地図に小谷石神社の裏から矢越岬までの道も記されていたので、偵察がてら行ってみた。近くにいた人に聞いたら、「歩いたことはないけど、昔は尾根伝いに行って、山で木を切り出して、矢越岬の入江から船で運び出したという話は聞いたことがある。今でもハンターがときどき入っているようだ。しかし、道というようなはっきりしたものはない」とのこと・・・。

 神社の裏に行ってみたら、入口には尖山と同じ人たちが設置したと思われる「矢越岬4km 小谷石 1」の標識もあり、尾根づたいに鹿道状の踏み跡も続いているので、進んでみることに・・・。最初の400m辺りまでは、ピンクテープもあったが、途中からそれもなくなり、1kmほど進んだあたりで尾根がはっきりしなくなった。鹿道なのか踏み跡なのか分からないが二手に分かれているので、今回は戻ることにした。次回は、きちんとした地形図を持参し、GPSにルートも入れて再挑戦してみたい。

 こもれび温泉で汗を流し、北海道最古の神社という雷公神社、姥杉、荒神社、重内展望台などに寄って、帰路に就いた。 

北海道山紀行・目次へ    HOME   

inserted by FC2 system