チトカニウシ山(1446m)北見峠ルート(スキー登山・単独行) 
00、5、04
 まだ雪の覆われた北大雪の山々を眺めながら、尾根を忠実に辿り、快い滑降を楽しむ。
登山地点 下山
5:00
6:30
6:55
北見峠  
1258ピーク
頂 上
8:20
7:50
7:35
[1:45]所要時間[0:45]
  チトカニウシのコース概念図
 GWの5連休の真ん中3日間を利用して、今冬揃えた山スキーを利用しての春山スキー登山を計画する。第1日目は夏道のないチトカニウシ山と向かい側に聳える天狗岳の1日2山の計画で、1日を要して上川町まで北上してその駅前で夜を明かす。
 
 チトカニウシ山・・・北見峠を通るたびにこんな形のいい山にどうして登山道が無いのだろうという思いと、名前が妙に気になる山であった。名前の由来はアイヌ語の「チ・トカン・イ・ウシ」(我ら・射る・いつもする・所の意)で、狩猟の際、ここで豊猟を占って矢を放ったとされている。
登りはじめの小ピークから頂上を望む
 夜明けと同時に、積雪期の登山口である北見峠へ向かう。チトカニウシ山が朝日に輝いて迎えてくれる。峠の手前の尾根取り付きに車が1台、中ではまだ寝ているようである。用意をして、バナナを1本頬張って、足跡やスキートレースがたくさんついていて心強い頂上まで続く尾根を進む。最初の小さなピークに載ると950ピークの向こうに頂上部分だけガスを被った頂上が見える(1)。
 天狗岳と有明山
 15分ほどで、反射板や無線施設が立つ広い台地上の950mピークに乗る。右手にこの後登る予定の天狗岳から続く有明山(2)、平山、ニセイカクシュッペなどの北大雪の山々、そして旭岳から愛別岳の表大雪の真っ白な峰々が朝日に輝いている。斜め右側から朝日を浴びながら、野鳥のさえずりを耳にエゾマツの大木とダケカンバの帰りの滑降が楽しみな広い斜面を進む。
 頂上から天塩岳を望む
 1時間30分で頂上手前の森林限界となる1258ピークに到着。これまで見えなかった山肌にガスを巻いた天塩岳が姿を見せる(3)。いよいよ最後の頂上への急斜面へ取り付く。上の方はハイマツが姿を現し、その間を縫うように登り、誰もいない頂上へ到着。一等三角点の木杭が立ち、「千登蟹牛山」という文字がマジックで書かれている。
 
 スキーを脱ぐと、ズボッと腰まで埋まってしまい、写真を撮ろうと思い動き回ろうとするが、同じような状態が続き、風も強いので、すぐに頂上の下に陣取り朝食にする。下を見ると、北見峠からずっと辿ってきた尾根が見え、下りの滑降の楽しみが広がる(4)。
 頂上から北見峠までの登ってきた尾根ルートを見下ろす
 40分ほどのんびり休み、いよいよ楽しみな滑降である。下を見ると1258ピ−クの上をツボ足の男性が一人、さらにその下の斜面を後ろに紐でスキーか何かを引っ張りながらの男性がさらに一人見える。上の方はハイマツが邪魔でその間を縫うように滑り降りるだけで、その途中でツボ足の男性と擦れ違い、19分ほど立ち話をして別れる。まもなく下の男性ともまた立ち話をする。その男性はスノーボードを引っ張っていたのである。昨日は旭岳を滑って来たとのこと。
 快適にターンを刻む
 1258ピ−クの下の疎林の急斜面を気分良くパラレルターンでドンドン滑り降りる。シュプールを見上げて自己満足しながらふと下を見ると狙っているはずの尾根ではなく、深い谷が覗いている。「間違えた!」・・・どこで間違えたのだろうか?・・・落ち着いて登ってきたと思われる尾根を探すと二つ谷を挟んで右側に見えるのがそうらしい。こんなときは夏でも経験があるが、正規のルートに辿り着くまでは焦るものである。トラバースしながら登り返し、源頭部を巻いて登りのスキートレースを見つけて一息つく。登りは時間が掛かるので、まだだろうと思って滑りに酔っているととんでもないことになるということが分かった。
 
 そのあとは、自分の登りのトレースを探しながら緩い斜面のターンを楽しみ、950mピークに到着。男女二人連れがショートスキーを履いて登ってくるのと出会う。「もう登ってきたのですか?」とびっくりされるも、「これから天狗岳にも行きたいので」というと納得したような顔で「でも、これからまた登られるのですか?」と聞かれる。 最後のおいしい斜面にターンを刻み林道に出る(6)。
 
 スタートして 3時間20分でスタート地点に到着。スキーを積み込んで、靴は履いたままで、次の天狗岳の登山口、昨年から営業中止となっている北大雪スキー場を目指して車を走らせる。        

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