天狗山(308m)〜白神岳(352.4m) 白神コース   単独 05,5,26

植林地の苅分道を繋ぎながら、北海道最南端の天狗山から一等三角点最南端の白神岳の稜線をピストンし、本州の岩木山や白神岳まで見えるすばらしい眺望に酔う。
 
10:30 自宅発
12:30 天狗山下駐車場
登山地点下山
12:35
12:40
12:55
13:15
天狗山下
天狗岳
323ピーク
白神岳
14:05
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13:45
13:20
[0:40]所要時間[0:40]
14:30 松前公園(花見散策)
    
GPSトラックログ(60kb)
      
 この2山は北海道の最南端に突出している白神岬の上に位置する山である。「天狗山」は地形図に載っている北海道最南端の山で、その北東に位置する「白神岳」は北海道の一等三角点最南端の山で、北海道中央分水嶺最南端の山でもある。分水嶺は323ピークを経由して白神岬の突端で終わっている。

 白神岳の山名の由来は白神岬の「シララ(岩)カムイ(神)」に因るらしい。これと同名の山で青森県と秋田県の県境に位置する世界自然遺産の白神山地の最高峰が有名である。

 両山とも標高300m台で、どちらの山にも通信関係の施設とその管理道路があるので、登山の対象となることはないであろうが、昨年、このいわく付きの両山の稜線を繋いで歩いたという函館のMiさんの情報を参考に、「いつかは自分も・・・」と思っていた。

 スカッ晴れの天気にジッとしていられなくなり、松前公園の遅い桜を見ることと江差回りでのドライブがてら出掛けることにする。津軽海峡に面した国道228号線を走ると、福島町の吉岡漁港で急崖の白神岬と白神岳に対面できる(1)

 さらに、白神岬を越えて白神の集落に入ると、戻るようにして高台の上に上っていく舗装道路がある。その道に入ると、橋を渡る手前で分岐に出会う。まっすぐ進む舗装道路は白神灯台への道で、左の未舗装の道路が天狗山頂上の直ぐ下まで続く道である。もの凄い急な道でヘアピンカーブを次々回りながら一気に高度を稼いで登っていく道である。ちょうど国道から2kmで、NHKの通施設の建つ天狗山頂上の直ぐ下に到着する。車が2〜3台置けるスペースがある。

 天狗山の頂上までは急な踏み跡を辿ると直ぐである。360度遮るもののないこの時期にしては珍しいほど遠望の利く眺望がみごとある。眼下に白神灯台が見え、津軽海峡を挟んだ対岸の津軽半島はもちろん、まだ残雪に覆われた岩木山が端正な形でくっきりと見える。これほどはっきりと岩木山を見たのは初めてである(2)おまけにその右奧に男鹿半島や白神山地の白神岳まで見えている。これも初めての経験である。さらに、西側には松前の市街地も見え(3)その左側の海上に大島と小島も見えている。

 これから目指す白神岳とそこまでの稜線を目で追う。途中の323ピークの手前までは新しい植林地が広がり、そのための作業道路や苅分道が続いているのでそれを辿ることにする(4)しかし、その作業道路は天狗山の下から続いているので、その道路を目指して、植林地の中の狩り払い部分を縦に切りながら間の笹薮を漕いで下ることにする。

 クロマツとミズナラの新しい植林地の中に続く採石が敷かれた稜線上の作業道を辿り、323ピークとのコルまで下る。そこで、作業道は終わっているが、その先にも植林地は続き、その右端に苅分道が続いているので、そこを登っていく。やがて、その道も直ぐに途絶え、また狩り払い部分を縦に切って、間の笹薮を漕ぎながら323ピークへの道を登っていく。

 しかし、323ピークへの稜線上の100mほどは植林地もなく胸丈ほどの笹薮で覆われている。仕方ないので、そのピークを目指して笹薮を漕ぎ分けて登っていく。微かに踏み跡も認められるところを見ると、林業関係者や私のような物好きな人間もいるようである。

 323ピークはちょうど中間地点である。「3級基準点」の標識が建っていて、深い沢地形越しに白神岳が見え(5)、その源頭を巻くように続く稜線も見えるようになる。うれしいことに、そこから白神岳への稜線一帯にも植林地が続き、稜線上に苅分道が続いている。

 その苅分道の足下には多くの花々が咲いている。ミヤマキンバイ(6)、芝生状に咲くオオタチツボスミレの群生(7)、淡い薄紫色のミヤマスミレ(8)、蕾は赤いが花びらは白いセンボンヤリ(9)のほかに、タチツボスミレ、オオサクラソウ、シラネオアイ、ハクサンチドリなどの花が目立つ。

 白神岳とのコルまで下り、次のコブまで登り返す。そこから稜線を外れ、作業中の林業関係者の車が停まっている駐車場を目指して、植林地の苅分道を登っていく。

 珍しそうにこちらの到着を待っている二人のおばさんに迎えられて駐車場に到着する。林業関係の視察者と間違えられるが、ただ単に登山として天狗山から歩いてきたことを告げると、呆れたような反応をしていた。聞くと、こちらの道路も昔の吉岡峠の道路から車で登って来られるとのことである。ほかに男性作業員が5人ほど休憩していた。駐車場から頂上までは、まっすぐ植林地の中の苅分道を登る方法もあるが、帰りに残して置いて、車道を辿ることにする

 車道は頂上を西側から巻くようにして続き、5分ほどで、一等三角点の設置された頂上に到着する(10)頂上付近にはNHKやdocomoや北海道開発局の通信施設等が設置されている。

 さすが、一等三角点の山だけあって、360度遮るもののない眺望がすばらしい。北側にはまだ雪が残っている大千軒岳と七ツ岳(11)、南西側には40分前に出発した天狗山が見える(12)。そして、津軽海峡を挟んで左側に下北半島、右側に津軽半島と岩木山、その右奥にこの山と同名の白神岳と男鹿半島まで見える(13)

 下山は、植林作業をしている最中の新しい苅分道を駐車場めがけて下り、駐車場からは323ピークとのコルめがけてやはり植林地内の苅分道を辿る。あとは登りと同じルートを通り、天狗山も頂上をかわして車のところまで戻る。
 


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