樽前山(1041m)F〜風不死岳(1103m)C
2:00 自宅発
登下山 | 地点 |
7:00
7:35
8:15
8:50
10:10
10:35
12:20 |
7合目ヒュッテ
外輪山
西山
932峰分岐
風不死岳着
〃 発
7合目ヒュッテ |
[5:20] | 所要時間 |
恵庭渓谷へ
|
支笏湖の南側に位置する樽前山と風不死岳は、支笏カルデラの後カルデラ火山である(1)。風不死岳の方が
、樽前山より古い火山で、侵食が進んでいる。山麓には幅が極めて狭く深い峡谷がいくつもあり、そのひとつが苔の洞門である。「ふっぷし」という山名は、アイヌ語で「トドマツのあるところ」を意味する「フプ・ウシ」「フップ・ウシ」「フプシ」が由来である。
樽前山は、1909(明治42)年の噴火でできた巨大な溶岩ドームを持つ三重式火山として世界的に有名な山だ。また、日本二百名山の山でもある。最初に登った1993年は、今回と同じ7合目の樽前ヒュッテから登り、火口原の中を歩いてドームの根元まで行って噴気孔を覗くこともできた。しかし、現在は外輪山から中へ入ることは規制されていて、外輪山の最高点の東山ピークが頂上となっている。さらに2000年に登ったシシャモナイ(苔の洞門)コースも現在は閉鎖されている。
それぞれ数回ずつは登っているが、今回は、山麓の紅葉狙いで、これらの山に初めて登って以来20年ぶりに7合目ヒュッテを起点に樽前山〜風不死岳を周回した。この山の休日の駐車場は混むので、朝2時に出て、7合目ヒュッテの登山口を目指した。
○まずは、樽前山の外輪山を時計回りで2/3周
登山口付近は木の葉が落ちていて、紅葉には少し遅かったかと思いながら、登っていくと、右下に真っ赤な紅葉帯と支笏湖が見えてくる(2)。スッキリした秋晴れの下、朝日に照らされる登山道を登っていく(3)。
東斜面の下にも高度に合わせた感じの紅葉のグラデーションが広がっている(4)。さらに遠くに目をやると、勇払原野の向こうには夕張岳と芦別岳が朝霧の上に頭を出している(5)。35分で外輪山へ到着。 右へ進むと、現在の頂上とされている東山ピーク(1022m)だ。しかし、今回は、風不死岳には遠回りではあるが、左側から時計回りに太平洋側の景観を楽しみながら西山経由で廻り、風不死岳を目指すことにした。
やがて、溶岩ドームの陰で見えなかった羊蹄山が姿を現したが、上の方が真っ白になっていた。多分初冠雪ではないかと思われる(6)。さらに進むと、苫小牧にある「樽前山神社」の奥宮(おくみや)(7)。そばに立つ≪樽前山神社奥宮略記≫によると、「樽前山は住古より秀麗なる尊容から山そのものを神山・神体と仰ぎ、域いは山嶺を神おわします崇高なる霊域と仰ぎ祭祀を厳修。」と書かれている。
徐々に下っていき、コルから西山への登りとなる(8)。3度ほど踏んでいる西山ピークなので、寄らなくても良いのだが、そこからの展望も見たくて西山ピークへ寄ることにした。振り返るって、溶岩ドームと歩いてきた外輪山の稜線を眺めて一休み(9)。なお、噴火湾の上には霧が懸かっていてその上に駒ヶ岳や横津岳の頂上部分が見えるだけだった。
西山ピークから932ピークまでは、錦岡コースから登った昨秋にも歩いている。溶岩ドームの近くに眺めながら北へ進む。東山の方から廻ってくる登山者と挨拶を交わしながら、東山からの道の分岐に到着。これで、外輪山を2/3周したことになる。
○風不死岳へ
外輪山上の周回コースと分かれ、最低コルまで下る。正面に932峰とこれから登る風不死岳が見える(10)。932峰ピークへ向かって登っていくが、今回はこのピークもパスしてすぐ下をトラバースする道を進む。樽前山と風不死岳のコルまで下ると森林帯となり、道端のツツジ類の灌木の紅葉が美しい(11)。
ツツジの紅葉がきれいな平坦な地形から登りに掛かる地点に「風不死登山口」の標識がある。何故この位置なのか良く分からない(12)。ここから963ピークまでの急登は岩峰や岩頭の間を潜る感じで登る。頂上まで、樽前山とはかなり趣の違う変化に富んだコースが楽しめる(13)。
やがて、鎖が設置されている2本のルンゼ状のところにぶつかる。右側を親子連れが登っていたので(14)、左側のルンゼに取り付いた。左側の方が上の一歩がオーバーハング気味で苦労した。小さなピークを二つ越えるが、そこからは分かっていても勘違いするニセピークが見える。ニセピークから登り返したところが頂上だ。上はずいぶんと賑わっているようだ(15)。
10:10、スタートして3時間10分で4回目の風不死岳頂上。いつもは熟年登山者で賑わう頂上だが、なぜか若者ばかりだった(16)。最近、このように若い人たちが多くなったことは非常にうれしい限りだ。この後も北尾根コースからの到着も増えてきて、入れ替わりの忙しい頂上だった。 それにしてもみごとな展望だ。ここから眺める南側の樽前山のどっしりとした姿はなかなかなものだ(17)。
摩周ブルーにも劣らない「支笏ブルー」の湖面越しの羊蹄山とそばにちょこんと寄り添う感じの尻別山(18)、その右側には恵庭岳とその後ろの小漁岳〜漁岳〜空沼岳の連なり(19)、も素晴らしい。
○紅葉を楽しみながらの下山
途中のルンゼのところで追い付いた親子連れも到着した。母親と2人で楽しそうに登っていた男の子は4年生だという。これからが楽しみだ。時間もあるので、のんびりしていたかったが、次々到着する登山者で溢れ、追い出されるように25分ほどで下山開始。
やはり、次々と登ってくる。3連休の最後の日だけが天気が良かったせいだろう。ルンゼを下ったところで、HYML仲間の今年の冬に三段山で一緒だった札幌のNAKさんと再会。その後は、山麓の紅葉を楽しみながら下っていく(20,21)。
やがて、上から見えた紅葉帯の中を潜って進むと登山口は近い(22)。駐車場は車で溢れていた。
車で下っていくと、たくさんの歩いている人たちがいる。バスででもきたのかな?と思いながら2.5kmほど下っていくと、苫小牧の方から来る道との分岐の下の舗装道路の両側にびっしりと車が並んでいたのには驚いた。一番下の車の人は、登山口まで往復6kmも歩くことになる(23)。