山名の由来は不明だが、昔は障子山とも書いたこの山は、
横津連峰山麓・函館市桔梗町の海岸段丘面に広がる畑地の後ろにコブのように聳える目立つ山である(1)。その昔、松前藩がこの山に築城を考えたこともあったという史実もある。
退院後ひと月以上経過し、長距離のウォーキングにも支障がなくなったので、リハビリ登山と体力の落ち具合の確認も兼ねて、妻を誘って、急登は多いが、往復2時間ほどで往復できるこの山を選んだ。
登山口となっている第2砂防ダム広場までの道は、セダンの乗用車の走行は無理なくらい荒れていた。むしろ、車を置いたその先から第1砂防ダムの手前までの道の方は走りやすそうな感じだった。
第1砂防ダム下の橋を渡る。
雪解けの水を運ぶ蒜沢川の流れにも春を感じる(2)。
2005年から笹刈りがされておらず、登山道は笹に覆われたままなのが残念である。今後、その予定は無いらしいが、有志での笹刈りが許可されるのであれば、ぜひボランティアでしてみたい衝動に駆られる。
期待した花は、フキノトウと
ナニワズ(3)以外は見当たらず、迎えてくれたのは途中で衣服に登ってくるのを見つけては駆除した8匹ほどのダニだけであった。
笹に覆われた北斜面の作業道後を登って、1時間弱で西尾根の稜線に乗る。ここで、初めて、函館山や南側の展望が広がる。
急な尾根道を10分ほどで頂上へ到着。結果的に過去と同じペースで登ることができたが、疲れはほとんど無い。
春霞みで霞む函館山や市街地(4)、さらには、
南側の眼下に見える新中野ダムと蝦夷松山と雁皮山など(5)を眺めて昼食を摂る。
ゆっくりしたいのだが、蝶の苦手な妻が周りを飛び回るタテハ蝶に悲鳴を上げるので、早々に下山開始。
下山前に頂上に祀られている三吉神社の祠を見る。数年前は、鉄製のキセルとワラジは隣の祠に祀られていたが、今はそれが崩壊してキセルはイチイの木に針金で吊され、ワラジは三吉神社の祠の前に鎮座されていた(6)。
下山もゆっくり下ったつもりだが、1時間で登山口へ到着。それほど疲れもなく、そのまま帰宅するには早すぎる。期待した花が全くなかったので、
北斗市の匠の森のカタクリ群生地へ向かう。
リハビリ登山と体力確認の山ではあったが、結果的に以前と同じペースで往復することができ、それほどのダメージは無いようだが、多分明日辺り筋肉痛が来そうな気配だ。
この程度の山で体力確認はちょっと無理だというか、この程度の山で疲れを感じるならお先真っ暗である。次はもう少しハードな山で試してみたい。帰宅後ダウンしたのは妻の方であった。