写万部山(498、8m)A   [共立コース]     単独  2005,8,05
1993,5,08のページへ
展望の山へ12年振りに再訪するが、霞んで期待した展望には恵まれず。
13:30 カニカン岳登山口
登山地点下山
14:30
15:00
15:15
登山口
6合目
頂上
16:00
15:35
15:25
[0:45]所要時間[0:35]
17:30 豊浦温泉(入浴)
18:30 豊浦道の駅(泊)

 長万部の由来となっている「シャマンペ」はアイヌ語でカレイのことを意味し、この山にカレイの漁期を知らせる残雪が残ったことに由来すらしい。八雲町辺りからも国道5号線の正面に見える500m弱にもかかわらず端正な形で見えるこの山は(1)一等三角点の山らしく、道南北部からニセコ方面、噴火湾一帯の遮るものない360度の展望が魅力の山である。なお、地元では「写万岳」と呼んでいるので、あちこちの標識にそのように記されている物が多い。

 この山へは、八雲に転勤になった1993年に2回登っているが、当時は地元の共立小学校PTAが子供達のために開削し、毎年整備をしてきたらしいが、今年になってNPO法人「長万部緑と樹を愛する会」に整備が委ねられたそうである。

 国道37号線の直線道路・通称静狩街道の中間辺りに建つ標識からJR線路を越えて、その後にも設置されている標識に従って共立地区の酪農地帯を抜けて山へ向かう。標高140m地点の登山口には広い駐車場がある。入林届けを見ると、午前中に男性が一人登ったらしい。

 古い林道跡に続く登山道に取り付く。最初はトドマツの植林地の中を通るが、やがて、若いダケカンバの林となる。道端に共立小学校の子供達が作ったと思われる標語が掲げられているのを見ながら登るのも楽しい(2〜4)また、新しい合目標識も設置されていて、登りと下りの距離も記されている。

 5合目から6合目の頂稜に乗るまでが最大の急登で、ジグを切り、きちんと階段のステップが切られ、ロープも設置されている。暑くて汗が全身から吹き出て滴り落ちる。6合目からは右側が笹原の急斜面で、稜線上に頂上までのすっきりとした登山道が見え、一気に展望が広がる(5)

 頂上が近くなると、右側の斜面が急になり、その右側に静狩の町が見え、その先に静狩峠や豊浦方面の海岸線が見える(6)

 頂上には、愛称まで記された新しい標識と一等三角点、前には気付かなかったというより知識もなかった北海道で8ヶ所しかない天測点のコンクリート製の四角柱が残っている(7)この天測点は同じものをこれまで上磯の当別丸山と日高のペラリ山で眼にしている。
 天測点とは、かつて、国土地理調査所(現国土地理院?)が星(恒星)を観測して座標(経度、緯度)を決める測量(天文測量)に使用したもので、昭和26年から昭和33年の5年間で全国に48点を設置した(その後、一部廃点)もので、北海道には8箇所存在するらしい。昭和34年以降は観測機器が改良され、軽量化が進み、この天測点は必要なくなり、現在では約450の三角点上で、天文測量を実施している・・・とのことである。 

 天候はいいのだが、湿気の多い30℃以上の気候が影響したのか、目の前の太平洋岸だけ(8)以外の期待した遠望は霞んでほとんど見えないのが残念である。頂上にはヒオウギアヤメが一輪咲いていた。10分ほど休憩して下山を開始する。タオルは絞れば汗が滴り落ち、ズボンもシャツもグショグショの状態で登山口に到着する。早速着替えて、明日の昆布岳とニセコの山に備えて豊浦温泉へ向かう。





写万部山(498、8m)   [共立コース] 1993,5,8    天候 快晴

この年の最初の山、足慣らしのつもりが、早春の爽やかさとすばらしい展望に大満足。
  登山口に向う道からの写万部岳
7:00 自宅発(八雲)
登山地点下山
7:40
8:00
8:20
登山口
4合目
頂上
9:30
9:10
8:50
[0:40]所要時間[0:40]
10:00 帰宅
 平成5年最初の登山、八雲に転勤になって、片道1時間40分道央方面への短縮の地の利がうれしい。 5月4日に山開きしたとのニュースを読み、天候も良好、今年最初の足慣らしにはもってこいの山である。まだ他の山はほとんど雪の下である。 

 家から30分ほどで登山口まで行けるこの山の一番の魅力は、この高さで一等三角点が設置されていること。それだけ展望がよいということであろう。

 長万部から国道36号線に入ると正面にゆったりとした、しかし、頂上感のある写万部山が見える(1)。国道沿いに建つ登山口への標識に導かれて農道へ入る。山の麓を目指し、広い高台の酪農地帯を抜け、登山口に到着。
シラカバの幼木の林の中を進む。 
 このコースは、毎年共立小学校のPTAが子供たちのために整備をしているとのことである。山開きが済んだばかりで、道もすっきりしている。天気は最高、久し振りの山の空気と、ウグイス、山バト、その他名の知らぬ鳥たちの爽やかな声に迎えられ、うきうきと登山開始。わずか2kmの行程、足慣らし程度の散策気分である。

  登山道は良く整備されていて歩きやすい。笹薮の中に細いシラカバの幼木が林立し、その木を残して笹を刈り払った広めの道が続いている様が気に入る(2)。 この山で一番の急斜面の取り付き部分(4合目)で、静狩湿原や長万部の町、春霞みに霞む噴火湾などを眺めながら休憩。耳に入るのは鳥の声のみ。頂上までの尾根伝いの道ぞいにカタクリの群生がやや盛りを過ぎて咲いている。
 早春のカニカン岳・長万部岳・大平山の連峰
 天候のせいもあり、結構汗をかきながら頂上着。さすが一等三角点の山、太平洋から日本海、雪に覆われたカニカン岳・長万部岳・太平山と続く山並みが一服の涼感を伴って美事(3)。遠くニセコ連峰、昆布岳が見渡せる。残念なことに噴火湾は薄い海霧のせいで駒ヶ岳、横津、さらには羊蹄などは見えず。それでも、静狩湿原から八雲方面へ向けてすっきりと続く海岸線が美事。裸でも寒くないほどの陽気。おにぎりとジュースをとりながら休憩。
 
 帰りは、カタクリの葉と笹の子を採りながら下山。途中オオバナノエンレイソウを見付けて採取、家へ帰って花瓶に差す。

※この山は、八雲いるうちに、早朝散策気分で何度か登った。頂上までどういうわけか静狩湿原と同じヒオウギアヤメやエゾカンゾウなどが咲き、結構季節の花が豊富な山である。


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