積丹岳(1255.2m)B
<北尾根ルート> 山スキー  単独 12、4,19
94、7、29の「婦美コース」
02,5,5の「ツボ足での婦美コース」
ダメもとで行ったが、天気の神様に味方されて、標高差1100mのロング滑降を楽しんだ

6:15 余市道の駅発
7:00 除雪終点     
登山
地 点
下山
 7:20
8:40
9:35
10:15
10:40
除雪終点
・600
・918
・1121
頂 上
11:55
11:30
11:20
11:15
11:10
[3:20]
所要時間
[0:45]

12:30 岬の湯しゃこたん(入浴)
19:00 神恵内市街地駐車場(泊)

 積丹半島第2峰の積丹岳は、北東尾根に婦美コースの夏道があるが、積雪期はそのコースと今回初めて登った北尾根ルート(画像左の尾根)が一般的なようで、『北海道雪山ガイド』にも掲載されている(1)。(下山後入浴した「岬の湯しゃこたん」の駐車場から夕方に撮影)。 
 
 これまでに、夏に1回、積雪期に夏道ルートから余別岳まで足を伸ばして以来3度目の訪問である。

 積丹の語源は、「シャックコタン(夏の集落の意)」。この山自体のアイヌ名は、「ポロエプイ(大きな凸山の意)」とのこと。

 前日は朝から雨で、入山口を確認しただけで終わった。余市の道の駅で迎えた当日の朝も周りの山の雲が低い。しかし、雨の心配はないので、ダメもとで再び入山口を目指した。諦めていたのに、積丹町に入ると、上空に青空が覗き、頂上だけは雲に覆われているが手前の1121ピークまではっきりと見えている。


北尾根の取り付きとなる共和地区の農免道路2号線を入った最終人家の除雪終点が入山口である。ここからも、登るこれから辿る北尾根から1121ピークまでなんとか見えている(2)

 その先に続く林道を直進すると、右手に地図にも載っている浅い貯水池?のようなところがある。その先の牧草地を通り、突き当たりのカラマツ林へと入っていく。

 カラマツ林を抜けると林道があった。その林道が尾根の方へ続いているので、それなりに進んでいく。やがて、左側がトドマツ林、右側がカラマツ林の間を登っていく(3)そのまま進むと、徐々に斜度が増し、尾根へと上がっていくと人工林を抜け、雑木林となる。
 

 c350を越えた辺りで、雑木林から抜けると、帰りの滑りが楽しみな見通しの良い尾根が続く。その先に・600ポコと更に左奥に・916ポコが見えてくる。上空に青空が広がってうれしくなる(4)
 600ポコを越えて進むと、c700付近は広い平坦な台地上の地形が広がる。風もなく、春の陽光がポカポカして気持ちよいので、ここで一休みし、916ポコをバックにセルフタイマーでパチリ(5)。

 後ろを振り返ると、青空を映した日本海が広がり、野塚の集落や積丹岬も見える(6)。916ポコを越えると、1121ポコが見えてくる。尾根は細くなり、左側には急な源頭斜面が広がる(7)
 手前の細い尾根には岩場があり、その左側を巻いて進むが、割れ目が入っていて、ちょっと気持ちが悪かった。実は、帰りに上の1121ポコから間違って左の尾根を滑り出し、途中で間違えたことに気づき、途中からこの急な源頭斜面の上の方を斜滑降で岩場の下を目がけてトラバースした。そのお陰で?細い岩場の尾根はパスすることができた。

1121ポコを越えると、その先の頂上はガスの中だった(8)ここから頂上までは、標高差130mほどの幅広の緩斜面である。あと30分もあれば・・・と登っていく。

 スタートして3時間20分で3度目の頂上に到着(9)頂上には、夏道コースから登ってきたと思われる新しい足跡があった。自分より先に到着して、すでに下山したようだ。靴の足跡から察するにテレマーカーのようだ。

 薄いガスで覆われていて、展望はなかったが、風もない上に、上空から薄いガスを通して陽光が差し、ポカポカと暖かいのがうれしい。岩の上に腰掛けて30分ものんびりした。

 2度ほど、南側のガスが取れて、余別岳から続く稜線とポンネアンチシ山や、余別岳への稜線上の岩峰が見えた。この岩峰は、前回そこを通過するのに怖い思いをした所だった。しかし、肝心の余別岳は頂上を見せることはなかった。


 いよいよ楽しみにしてきたこのルートならではの標高差1100mほどの滑降スタート。もちろんザラメ雪だが、ほどよい融け方で気持ちよいターンを刻むことができる。1121ポコへ登り返さないで、東側を巻く。その先に広い最高の斜面が広がっていた・・・大回りで気持ちよく6ターンほど滑り降りたら、登りのトレースがないことに気づく(10)地図とGPSで確かめたら、手前の北東尾根を滑り降りていたことに気づく。目を左に転じると急な源頭斜面の向こうに本来の北尾根が見えている。もっと回り込まなければならなかったのについ美味しい斜面に釣られて滑り出してしまったのだ。雪山では良くあることなのだが・・・・。しかし、幸い早く気づいたお陰で、広い源頭斜面の上部を斜滑降でトラバース気味に下れば、登り返さなくても良いことに気づく。途中斜度が50度ほどのところもあって怖かった。どうせなら、岩の出ていた痩せ尾根をかわすようにと、雪庇の切れているその下を狙って斜滑降で下った。

 無事にc1000mほどの地点で北尾根に戻ることができた。その後も、好きなようにターンを楽しめる斜面がずっと続いていた(11)700m台地までは、表面だけが解けた理想的なザラ目雪で、好きな斜面を気持ち良く滑り降りた。それより下の木立の中もプルークターンながらそれほど苦労することはなかった。これほど気持ちよいロング滑降を楽しむことができたのは、3年前の羊蹄山や旭岳以来だ。 天気予報からまさか登れるとは思わなかったのと、思いのほか滑りも楽しめたので、大満足だった。

 下山後は、近くの「岬の湯しゃこたん」でのんびり過ごす。露天風呂から眼前に日本海が広がり、神威岬が見え(12)反対側には積丹岬も見えた。



94、7、29の「婦美コース」
02,5,5の「ツボ足での婦美コース〜余別岳」


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