支湧別岳(1687.7m)<北大雪> (登り)パンケシユウベツ川北面右股直登沢ルート (下り)北尾根夏道ルート
  12名  03,9,7

小滝・大滝が連続する沢を登り、下りは疲れた膝にやさしいフカフカの松林の夏道尾根を下る。
登山
地   点
6:55
7:50
8:15
9:15
11:05
パンケシユウベツ川林道終点(680m)
1020m二股
1220m大滝下
1230m付近(休憩)
頂 上(1687.7m)
[4:10]登山・所要時間
下山
地    点
11:57
12:15
13:30
14:00
頂上(1687.7m)
北尾根分岐(1670m)
伐採道跡(900m)
パンケシユウベツ川林道終点(680m)
[2:03]下山・所要時間
14:45 白滝温泉(入浴)
22:15 函館着(帰宅)



 この山とその名前を初めて目にしたのは、7年前の1996年、平山〜ニセイカウシュッペ山をピストンしたときの帰路、上支湧別辺りから右手に尖った高い山を見て、地図で名前を確かめたときである。そのときは自分の登山の対象になる山などとは考えても見なかった山であるが、最近になって尾根上に夏道ができているという情報を入手し、来年にでも登ってみようと思っていた山である。
 左の写真は、リーダーの熊ブーさんから送られた写真であるが、もし前日晴れてればニセイチャロマップからこのような鋭鋒に見えた山である(1)。

  しかし、今回思いも掛けず、昨年の夏、札内JPで逢って以来お付き合いいただいている「山の旅人」サイトの北見の熊プーさんから「sakagさんのまだ登っていない北大雪の2山を計画しますが、いかがですか?」とお誘いを受け、最近同行の多い「地図がガイドの山歩き」サイトの札幌の西條・久野チーム、「山の時計」サイトの名寄のEIZIさんほか、昨年クワウンナイ川を同行した旭川のOgiさん、2度山中でお逢いしている札幌のSaさんも一緒に参加。さしずめ、全道あちこちからの参加者を北見の「山とヨガに魅せられて」サイトのFu女史以下HYMLの会員他のメンバー6名がお迎えする形のグループ12名の山行となる。

 前日、ニセイチャロマップ岳を下山し全員で一夜を明かす。今日は北見のMa女史の替わりに2年前海別岳同行したTAMAさんが参加し、昨日と同じ12名のグループ登山である。ルートはパンケシユウベツ川北面右股直登沢ルートを登り、下りは同じところに戻ってくる北尾根の夏道ルートである。

 パンケシユウベツ川沿いの林道終点が入渓地点である。この地点は砂防ダムを挟んで3つの沢が合流しているところでもある。今回の沢はその一番右側の沢である。リーダーの熊ブーさんを先頭に、前日でメンバーの足前を把握したためか昨日より速いペースでどんどん進む。昨日のニセイチャロマップの沢より急な沢である(2)。900mを越えた辺りから左岸に切り立った岩壁が迫り、斜度も増してきて5m以内の小滝が連続するようになるが、特に難しいところもなく、変化を楽しみながら快調に登る。

 スタートして1時間ほどで二股にぶつかる。ここからはどちらからもアプローチできるが比較的易しい右股を進む。左股の遡行図は「北の山脈」に載っている。やがて、10mほどの滝にぶつかる。ここも難なく越えると、目の前に行く手を遮るように谷幅いっぱいに垂直に切り立った岩壁と20mほどの大滝が現れる。ここが2万五千の地図のコンタ1220m地点に記載されている滝マークのところである(3)。

 流れのすぐ左側斜面に手頃なホールドがあり、高所恐怖症の自分でも下を見ないとロープなしでも登れそうである。しかし、万が一のことを考えてロープを垂らすとのことである。リーダーの熊ブーさん、西條さん、EIZIさんの3人が登り、あとの9名はハーネスを付けてロープを待つ。下の面倒は久野女史が見る。一番先に私がトライする。ロープに頼らないでどんどん登っていく。でも、このロープというのはまさに安心感満点の命綱である。これなら、高所恐怖症の自分にもどこでも登れるような気がしてくる。

 全員が登り切るのに30分以上を要し(4)、さらに進むと、3mほどの3段の滝が現れる。そこを越えると一気に斜度が緩み、明るく開けた細い沢となる。それより上はもう滝もないという。周りは鹿が葉っぱだけを食べたと思われるヤチブキが繁茂している。そこで休憩し、ハーネスを外したり、登山靴やスパイク靴に履き替える。自分は大同ノンスリップ携帯靴を渓流シューズの上から付ける。

 水流が伏流したり現れたりしているを繰り返す単調な沢を登っていく。高度を上げるに連れて周りの紅葉が鮮やかさを増してくる。1450m附近から沢地形を離れ頂上への藪斜面を進む。藪と言っても笹が生えていないし、樹木もそれほど煩くないので割とすんなりと歩ける。ナナカマドやカエデの類の紅葉を楽しみながら休憩を入れて、急な斜面を登っていく(5)。だんだん樹木も混んできて、頂上までもう少しと言うところでハイマツ帯に突入するが、直ぐに背丈より低くなり(6)、目の前に頂上が見える。

 頂上は岩混じりの露地になっていて、二等三角点が設置されている。足下は真っ赤に紅葉したウラシマツツジが美しい(7)。展望は残念ながら北側の上支湧別の集落(8)と低い雲の下に東側のオホーツク海が見えるだけで、肝腎の北大雪の山々はガスの中である(9)。

 1時間弱休憩しながら、ガスの晴れるのを期待するが、どうやら無理のようであり、記念写真を撮って下山開始となる(10)。下山は頂上から東側へ延びる稜線を500mほど進み、さらに北側へまっすぐ延びる尾根にある夏道を下る。北尾根までの稜線の南側は快適な花畑状態で、あちこちに生えているクロマメの実を口に入れながら進む。

 北尾根に付けられた夏道はエゾマツとトドマツが主体の林がずっと続き、林床が明るく、苔むしたフカフカの道である。ときどき岩場が現れ、かなり急な所もあるが、その上も苔が厚く生えていて、疲れた膝にやさしい道なのがうれしい。途中、樹間から西側に頂上附近が紅葉に彩られた天狗岳〜有明山〜平山が覗く。やがて、900m附近で伐採道跡にでる。その道を辿って、入渓地点となった砂防ダム出てゴールインである。

 帰り道頂上から見えていた上支湧別の集落から頂上を見上げたが、残念ながら、頂上部分は雲に覆われていた。とうとう2日間自分の登った山の形が分からずじまいであったのは残念であるが、12名という足並みの揃ったメンバーで、変化に富んだ標高差1000m以上の沢や滝の登りを楽しみ、例年より早くてきれいだという紅葉を楽しんだけでも大満足である。

白滝温泉でサッパリし、一路函館を目指して、眠気と戦いながらずっと高速を繋いで7時間半で無事帰宅する。

 (この写真は、全部Ogi@旭川さんをはじめ同行した仲間から送ってもらったものです。私のカメラは充電し忘れで使い物になりませんでした)

<同行した方々のサイトのページへ>
「山の旅人」  「地図がガイドの山歩き」
「山の時計」  「山とヨガに魅せられて」



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