白馬大雪渓〜白馬岳A
単独 11,8,10〜11(1泊2日)
08,7,27〜28の蓮華温泉からの「白馬岳」
白馬大雪渓を登り、白馬三山を循環縦走予定だったが、2日目の悪天候のために縦走断念

登り
(8/10)
地点
下り
(8/11)
 5:20
 6:15
 6:45
 8:00
 9:50
10:30
12:00
猿倉登山口
白馬尻小屋
雪渓始まり
雪渓終わり
村営頂上宿舎
白馬岳
村営頂上宿舎(テン泊)
8:50
7:55
7:25
6:30
---
---
5:30
[6:40]
所要時間
[3:20]
3年前の三百名山巡りで、蓮華温泉を起点として、白馬岳〜雪倉岳〜朝日岳と循環縦走をしているが、そのときは、3日連続の雷を伴った暴風雨に見舞われ、テントも張れず白馬山荘への避難宿泊やら停滞で、縦走も雨の中だった。

 そこで、この白馬岳を再訪する際は、猿倉を起点として、有名な北アルプス3大雪渓(ほかは針ノ木雪渓・剱沢雪渓)の白馬大雪渓を登り、白馬三山(白馬岳〜杓子岳〜鑓ヶ岳)の循環縦走と決めていた。

 前日に登山口となる猿倉の駐車場へ入って、車中泊。標高1200mを越えているので、涼しくて熟睡できた。朝を迎えて、山の方を見上げると、山頂付近はガスに覆われていたが、上には青空が広がり、山肌も朝日に輝いていた(1)

○念願の北アルプス3大雪渓のひとつ白馬雪渓を登る
 

 1泊2日のテント泊装備でスタート。猿倉荘で登山届けを出す際に「早ければ2時頃にも雷雨が来るかも知れません」と言われた。今日は白馬岳までで頂上宿舎でのテン泊なので、十分余裕がある。しかし、「この時間なら杓子岳と鑓ヶ岳を越えて天狗山荘までも可能ですよ。頂上に10:30頃までに着かなければなりませんが・・・」とのアドバイスもいただく。

 登山道から直ぐに林道歩きとなる。道端に見たことのない花を見つける。3日前に裏剱からの下りで仙人温泉小屋の前でこの蕾を見ていたが、そのときは何の蕾か不明だったが、ここでは花を開いていたので、ホトトギスと判った(2)

 林道終点から再び登山道となり、白馬尻小屋とその上にこれから辿る白馬雪渓が見えてくる(3)

登山口から1時間半ほどで、雪渓の始まりに到着。上を見上げると、先行者が蟻の行列のように見える(4)
ここで、持参した4本詰めの簡易アイゼンを着ける。
ちなみに、北アルプス3大雪渓の針ノ木雪渓は3年前に針ノ木岳と蓮華岳に登った際に、剱沢雪渓は5日前に下ったばかりで、これで完全制覇だ。

 アイゼンを利かせながら一歩一歩一定のペースで登れるのがうれしい。前からは冷たい風が流れてきて、後からは夏の陽光が照らすので、A面とB面に感じる温度差に戸惑いながら登る。しかし、高度を上げていくに連れて寒くなり、長袖のシャツを着込んだ。
 やがて、進む先きの稜線コル上空が晴れ渡り、青空が広がってくる。左上に見える白いピークは杓子岳から延びる北尾根の末端のようだ(5)
 1時間ちょっと歩いて、雪渓の終点に到着。距離にして1.5kmくらいのものなのだろうか?ここで、アイゼンを外す(6)
 下を見ると、後続者が次々と登ってくる。さすが、日帰りも可能な人気のコースだ(7)

○花畑の斜面を登って、白馬岳頂上へ

ちょっとの間岩尾根を登るが、やがて、目の前に一面の花畑が広がってくる。

 クルマユリの赤と鮮やかなハクサンフウロの濃いピンク色が特に目を引く(8)。

 やがて、花畑が広がるカール底のような斜面の先のコルに、今日のテン場の村営頂上宿舎が見えてくる(9)

 4時間も歩いていないのに、ゴールが近くなってくると緊張感がなくなり、リュックの重さが気になりダラダラしてくる。急ぐ必要もないので、のんびり登っていく。

 左側の稜線コル方向にクルマユリの群生で一面赤く彩られている斜面が広がっている(10↓)


 頂上宿舎に近づいてくる頃に、それまでガスに覆われていた杓子岳の頂上が姿を現してきた(11)しかし、その奧の鑓ヶ岳は山頂部分をガスに隠したままだった。

 4時間半で、今日のテン泊予定の頂上宿舎に到着。この時点では、10:30に頂上まで行けるが、頂上をガスで覆われている杓子岳と鑓ヶ岳を越える気は起きなかった。

 リュックを小屋のそばに置いて、空身で頂上を目指す。尖った頂上との間に3年前に暴風雨に見舞われ、このテン場までも下りられずに2泊も避難宿泊をした国内最大の収容人数(1000人)を誇る白馬山荘が見える(12)


3年ぶりの頂上に到着(13)
3年前には見ることもできず、濃いガスと雨の中を歩いた北側へ延びる雪倉岳〜朝日岳への主稜線の展望が広がる(14)

頂上へ着いた頃になって、ようやく明日縦走予定の手前の杓子岳とその奧の鑓ヶ岳がすっきりとその姿を現した。
時間的には、この二つを今日中に超えて天狗山荘までいくことは可能だが、両山への登り返しを見たら、とてもその気は起きなかった(15)


南西方向に見える立山連峰はガスが覆い、一瞬だが、6日前にその上に立った剱岳と思われる尖ったピークが見えた(16)

 時間的余裕があるので、頂上付近をブラブラして過ごす。白馬山荘の上から頂上を見上げたり(17)花々を楽しんだり・・・・・。

 白馬山荘の上にはコマクサの群落があったが、そこへは入れないようにロープが張られていた。前回は、雨の中だったので、これらの花々を楽しむことはできなかったが、意外と花の多い山だった。シロウマの冠のついたシロウマアサツキも・・・。

 他では既に花の終わったウルップソウが、頂上宿舎の直ぐ上にだけ、ミヤマキンポウゲと一緒にまだ花を咲かせていた(18)




頂上宿舎へ戻り、テントの受付を済ませて設営をした。この時点では20張り程度だったが(19)夕方には50張りにもなり満杯状態になっていた。
テントを張ってから、直ぐ上の稜線へ上がってみたが、その斜面は、これまた一面ハクサンフウロにやミヤマダイコンソウなどが混じる花畑だった(20)

○暴風雨に見舞われ、縦走を断念

 午後からは濃いガスに覆われ始め、風が強くなってきた。夜半から雨も混じり、暴風雨状態になった。テントが揺れるためにテントの内側まで濡れてくる。
 朝を迎えて、雨は上がったが、風の強さと視界数10mの濃いガスに包まれたまま・・・・とてもこの状態で稜線を縦走する気にはならない・・・あっさり諦めることにする。

 テントの撤収が大変だった。霧雨状のガスなので、まずは上下カッパを着て外に出る。テントを飛ばされないように押さえたら、ポールは曲がってしまうは、中に敷いていたビニールシートはどこかへ飛んで行ってしまうは・・・周りもみんな悪戦苦闘していた。

 びしょ濡れのテントはグシャグシャに丸めてビニール袋に詰め、他のものも適当にパッキングして早々に退散・・・。

 昨日登ってきた雪渓コースを下る。雪渓が近くなって、ガスから抜けたが、稜線を越えてくる濃いガスがどんどん先へと伸びていく(21)

 雪渓の下まで下りて振り返ったら、稜線方向の上空は真っ黒な空だった。それでも、すれ違った登山者は200〜300人ほどはいたのではないかと思う22)

 わずか3時間半弱で猿倉登山口へ到着。駐車場でテント等を乾かしたかったが、曇天でそれも叶わず、まずは、白馬村の市街地へ出てコインランドリーへ。さらに、小谷村の道の駅まで北上すると、青空が広がり、陽光に恵まれたので、テントを車の上に広げて併設の温泉へ・・・・その後、湿った寝袋などを乾かして、明日のフェリーに乗るために新潟までのんびりと走った。

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