4:00 自宅発
登山 | 地 点 | 下山 |
6:10
7:10
7:50
8:25
9:05 |
登山口
二股の滝
白泉岳
南白水岳
頂 上 |
11:45
11:00
10:35
10:15
9:45 |
[2:55] | 所要時間 | [2:00] |
12:10 平田内温泉
あわびの湯(入浴)
14:50 帰宅
|
この白水岳は、遊楽部岳の南に連なる山で、熊石山歩会が登山道を開削した「道南アルプス」の白水連峰の主峰である。頂上はせたな町と八雲町の境界線上に位置する。
一番奥の頂上に到達するには、地図に山名表示のない白泉岳、南白水岳、中白水岳の1000m超ピークを越えていかなければならないタフなコースである(1)。この中で、三角点が設置されているのは白泉岳(1043m)(三等三角点名・白水山)だけ。白泉岳の三角点名にも「白水」が使われているが、その由来は不明。
この山に最初に登ったのは、一人歩きの山を始めた1992年であるが、そのときにちょうど頂上までの登山道の開削作業中で、その場に居合わせた熊石山歩会の中川会長より、後日、「町外登頂者第1号」のウッドクラフトのレプリカを贈られた記念すべき山である。
その翌年に再訪、さらに、1996年に今は廃道となっている
冷水岳〜熊石岳〜白水岳と循環縦走している。
この度、たまたま「今秋、数年ぶりに登山道の笹刈り整備が行われ、10/11に町民登山会が行われた」との情報を得ての13年振りの再訪となった。
○まずは、急登が続く白泉岳を目指して
平田内温泉奧の有名な露天風呂「熊ノ湯」手前が登山口である。その広い駐車場からスタート。山の上の方はすでに葉が落ちてしまっているが、
麓の紅葉がちょうど見頃である(2)。
尾根の上に続く登山道を覆うブナの黄葉が美しい。足元は落ち葉の絨毯・・・それらを楽しみながらどんどん高度を稼ぐ(3)。途中で、「白泉の滝」を左に見ることができる。
1時間ほどで、沢の中へ下って行くと双方から合流する二股の滝に下りる。右側の滝が「阿吽の滝」らしい。その滝を少し登ると、右側(写真の倒木の地点)の急斜面にロープが張られ(4)、そこを登り切ると、白泉岳へと続く尾根に乗る。沢を乗越して別の尾根に移る珍しいコースでもある。
標高800mを越えると、ブナからダケカンバへと徐々に植生が変わってくる。ダケカンバはすでに葉が落ちてしまっている状態である。
目の前の白泉岳へ続く笹藪は幅広く、きれいに刈り払われている(5)。いつも、山に登るたびに思うのだが、このようなボランティアのお陰で山を楽しむことができるのである。自分も経験があるのでわかるが、この労力たるや大変なものだ。「熊石山歩会」もスタッフの高齢化と人手不足で、段々手が回らなくなってきていると聞いている。感謝・感謝である。
振り返ると、日本海の海岸線の眺望が疲れを癒してくれる(6)。やがて、最初のピーク・白泉岳に到着。ここで、およそコースの半分を越えた辺りである。
○さらに、南白水・中白水を超えて
白泉岳からは、平田内川の源流部を挟んで聳える端正な冷水岳と左奧の奧白水岳(7)。
進む先には次のピーク・南白水岳と尾根の上に続く登山道がくっきりと望まれる(8)。目指す白水岳は、この南白水岳の陰でまだ見えない。
ここから南白水までは、細い吊り尾根で結ばれているので、それほど笹藪は濃くなく、快適な稜線歩きを楽しむことができる。
南白水手前の尖ったピークへの登りが多少きつい。
その急登から望む左手の南白水から伸びる源頭部分の迫力ある急な岩崖と、その末端から眼下に覗く紅葉が美しい(9)。
やがて、南白水岳に到着。ここで初めて目指す白水岳と対面することになる。幅広の尾根の上にくっきりと続く開削間もないことを伺わせる登山道が見える(10)。その遠さに辟易させられるところあるが、高度差はそれほどないのが救いである。
最初、この山に登ったときには、『夏山ガイド』ではこの南白水岳までしか紹介されていなかった。しかし、ここから先に今回と同じような感じで開削間もない新しい登山道が目に飛び込んできた。それを辿ってみたら、白水岳頂上まで到達でき、そこに「熊石山歩会」のメンバーが頂上の刈り払い整備をしている最中だったのである。
そんなことを思い出しながら下り始める。ところが、中白水とのコル付近は、再開削前は、完全に登山道が笹藪で覆われていたようである。刈り払われた笹が登山道を厚く覆っていて、刈り払いの幅も狭かった。この辺りがもっとも大変な作業だったであろう。
頂上の少し前で休んでいると、もの凄いスピードで若い男性が登ってくる。下の方で声を聞いた気がしたのは、この方の声だったのだ。普段、他の人に追い越されれることの少ない自分より速く歩く人に久しぶりに出会った。
その男性と一緒に、シンボルツリーのような曲がりくねったダケカンバに迎えられて13年の頂上に到着(11)。以前より広く刈り払われていて、
北側の遊楽部岳(12)や南側の越えてきた南白水岳を眺めることができる。
男性は、今春美幌から江差に転勤してきた方で、精力的に道南の山を登り歩いている方だった。ポカポカ陽気の中、いろいろ山談義をしながら40分ほど休憩。
○登り返しと急な下りの下山
南白水まで自分が前になって一緒に歩いていたが、そこからは先に出てもらった。すると、とても付いていくことのできない速さで、走るように下っていく。
こちらはスパイク長靴なので、登りは強いが、急な下りはあまり速く歩けない。そのうちに左小指に靴擦れを覚えたので、ゆっくりと下る。
登山口から「熊の湯」を見に行くと、その男性ともう一人の男性が気持ちよさそうに入浴していた(13)。下の平田内温泉でゆっくり体を洗いたいので、いつも、ここは見るだけでパスしている。
駐車場まで戻ると、彼も戻ってきて、丁寧なご挨拶をいただく。その後、平田内温泉の駐車場でレストランに寄るという彼と別れて、こちらは温泉へ。
この平田内温泉は、日帰り温泉のあわびの湯はそのままだったが、民営化され、昨年までの国民宿舎だった建物が建て替えられ、新しく「八雲遊楽亭 熊石ひらたない荘」となっていた(14)。八雲の国道5号線にある遊楽亭と同じ経営者である。