白水岳 (1,136m)  2回目 1993、10、11  熊石町平田内温泉奥より 天候 晴れ

 ブナ林の紅葉と遊楽部岳への縦走路を見たくて再訪する。 

 6:20 自宅発(南茅部)
登山 地 点下山
 7:45
 8:30
 8:55
 9:35
10:05
登山口
二股の滝
白泉岳
南白水岳
頂 上
13:40
13:00
12:30
12:05
11:45
10:45遊楽部とのコル  10:50
[3:00]所要時間[2:50]
  14:00 平田内荘温泉(入浴) 
  15:40 帰宅 
 
 昨年7月に次いで2度目の挑戦である。昨夏はガスの中の登山で、周り白水連山、奥が頂上がほとんど見えなかったのとカメラのフィルム切れで写真がないこともあり、昨年から、絶対今年の秋の紅葉の時期に再挑戦しようと決めていたこと。そして、先日、熊石山歩会会長の中川氏から「遊楽部への縦走路開削完了」の知らせが届き、それを見届け、来年の左俣からの縦走の見通しを立てる目的もあった。
 
 紅葉の始まったばかりの八熊線を走り、平田内荘奥の登山口へと向かう。登山口には整備された立派な駐車場ができている。このような働き掛けができる中川さんたちの実績が素晴らしい。登山口の標識も遊楽部岳経由の左俣までの縦走路と冷水岳までのルートなどが誇らしげに書かれている。駐車場には車無し、休日にしては珍しい。冷水岳の美事な紅葉を見上げながらのスタート。
ブナ林の紅葉
 昨年も思ったが、最初からアイドリングなど許さないといった急斜面が続く。二股の滝の水が楽しみ、去年より10分早く到着。やはり、水が一番旨い。この辺から紅葉が最高潮になり、特に楽しみにしていたブナ林のブナの木肌の白さと太陽光線にきらめく黄葉のコントラストが美しい(2)。そして、足元のフワフワした柔らかさがたまらない。落ち葉を踏みしめる音もいい。昨年、すごいと思った白泉岳への根曲り竹林の道は、新竹が迫ってきて狭く感じたのと意外と短かく感じた。昨年はガスの中だったので、周りの展望はすべて初体験に等しい。後ろを振り向くと、ブナ林の紅葉とその下に広がる江差方面への海岸線が美しい。

 頂上までは 1000m以上の峰を4つほど越えていくが、その最初の峰・白泉岳に1時間少々で到着。向かいの冷水岳の鋭い山容と山肌の紅葉の素晴らしさが登行意欲をそそる(3)。中川さんたちの開削したと思われる登山道がはっきり確認できる。ここからはまだ目指す頂上は南白水岳の陰で見えない。
 樹間から覗く冷水岳
 南白水岳の南側の谷へ落ち込む急崖の眺めも迫力あり。山容ものっぺりした本峰より見栄えがする。南白水岳山頂からようやく白水岳山頂とその後ろに遊楽部が頭を見せる。昨年は、刈ったばかりの竹の上を滑って転びながら進んだが、さすがにこなれて、地に足が着いている感じがする。途中、昨年テントが張られていた地点に中白水岳の標識あり。
 
 まもなくして頂上到着。昨年は、速いとびっくりされたが、それよりさらに10分早い2時間20分。目の前の臼別頭下の急崖の紅葉は期待した通り素晴らしい。そして、迷わず遊楽部頂上の直下目がけてくっきりと続いている縦走路に思わず感動する。つい、「2時間程余裕がある、行けるところまで歩いてみよう。せっかく知らせてくれた道だ。」とばかり休憩もせず下り始める。

 遊楽部岳とのコル目がけて急斜面が下る。コル付近は笹藪だけでなく、ダケカンバやブナやナナカマドの紅葉が結構目に付く。しかし、多少の起伏が続くだけで変化に乏しい。そこを抜け、遊楽部へ取り付く笹藪だけの道になると、目の前に遊楽部、後ろに白水岳の山頂が見える。およそ真中手前辺りか。「このくらいなら遊楽部まで下から4時間で着く。縦走8時間。」と実感し、引き返すことにする。
 立派な頂上標識
 やがて、また白水山頂へ、誰もいない。ちょとがっかり。とうとう最後まで一人にも会わなかった。休日にしては珍しい。単独登山のうれしさの一つに、人に会えることがある。それがないとなんとなく寂しいものである。「中川さん、うんと宣伝しましょう。」・・・立派な頂上標識(4)の前で昼食をとるが、結構風が寒いので、そそくさと下山開始。
 
 急な下り斜面の辛さを、周りの景観とブナ林の柔らかな紅葉と二股の滝や第1水場での水の旨さでごまかしながら、1時間55分で下山。登山口の露天風呂に入ろうと思ったが、頭を洗いたいので止める。平田内荘の温泉に漬かり、汗を流し、快い疲労感と充実感に浸る。
 来年の夏は、絶対8時間縦走に挑戦!(ただし、車の手配が問題)、そして、秋には冷水岳へ・・・ 

帰りに、国道の見市川の橋の上から、白水連山を眺めて(1)、乙部経由で帰路に就く。                        

    1回目  1992、7、5    [天候] 登山口・曇り(濃霧)、山頂・晴れ

町外登頂者第1号の認定を受けたブナ林のみごとな新しい山

  まだ、南白水岳までしか登山道が開削されていないとのことで、その山を目指す。 雲石峠を越えると濃霧のため山は全然見えず。登山口には2台の車あり。仮案内図に「南白水岳から頂上までの道、6月末に整備完了」と記述。南白水までと思って来たが、頂上まで行くことに変更。                                      

 初めから、直登が多いせいか、昨日の寝不足のせいか、これまでになくきつい。見事なブナ林の中を進む。かなり急な道を沢に向かっておりた所が二股の滝。2方向から流れる滑滝が見事。水がおいしい。そこから、 10mほど滝を登り、右側尾根へ。この山で一番急な道をザイルを伝って登る。まもなく、ネマガリタケ林を開削したばかりのまだ踏み慣れていない道を白泉岳(1,043m)へ向かって直登。ガスのため距離不明、ひたすら登るのみ。刈ったばかりの竹の切り口を踏んで歩くため、足が地に着かない感じそのものである。それにしても、熊の新しい糞(淡い緑色)が凄い。熊もやっぱり刈り払った歩きやすいところがいいらしい。開削したばかりの道だから、まだ人間の歩く道だと分からないのだろう。それでも、さっきの沢水と休憩のお陰か、ようやく足どり快調。しかし、濃霧のため、周りの景色全然見えず。

 白泉岳(1,043m)頂上付近からダケカンバが見られる。そこから、いったんおりて尾根道をたどって南白水岳(1,124m)へ。「夏山ガイド」はここまでの表記。ガイドでは3時間40分のところを1時間50分で登覇。ガスの中からようやく頂上が見える。そこまで続く開削したばかりの一本道が印象的。
 
 さらに、開削したばかりの未整備の道(竹は刈って倒したまま、途中2か所程つながっていない部分あり、ちょっと迷う)に足を取られながらも、熊石山歩会の偉大な営みに感激しながら、頂上へ向かう。多分雪渓が遅くまで残っていたと思われる急斜面にエゾカンゾウほか4種類程の花が咲く。ほっと一息の感あり。途中台地状のダケカンバ林のところに中川氏らのテントあり。頂上近くを登る3人の姿発見、嬉しくなる。単独登山で人がいるという事の嬉しさ再認識する。周りの山々はガスの中。
 
 頂上着、中川氏を初め、3人が頂上部分の整備作業に取り掛かるところ。びっくりされるも喜ばれ、感激する。中川会長さんから「町外登山者第1号」の認定を受ける。 直ぐ目の前に迫る遊楽部岳の展望、特に臼別頭直下の急崖が見事。そこをバックに写真撮影をしていただく。いずれ遊楽部岳へのルートを作り、縦走コースを作るのが夢との話に感激。暫くおしゃべりしながらも、蠅とブヨが煩いのと仕事の邪魔になるので30分程で下山開始。
 
 南白水岳への途中で左頭上に突然、冷水山(1,174m)の鋭い三角錘の頂上がガスの中から姿を出し、その迫力に圧倒される。しかし間もなく、ガスの中へ。下山方向を見て、初めて白泉、南白水、白水と尾根伝いに登ってきたことが判明。7月11日に安全祈願をして山開きをするとのこと。完全に整備された道を紅葉のころの良く晴れた日に再訪することを楽しみに別れる。
 
 下山しながら目と足で改めて険しい道であることを実感。二股の滝で、思いっきり水を飲み休憩・昼食。最後まで、山容見えず。下山後、平田内温泉で汗を流し、帰宅。


冷水岳からの縦走登山


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