最近は、単独で登れる新しい山が限られてきたこともあり、再訪登山が多くなってきた。このたび、
沢登りの本を2冊続けて発刊しているganさんの誘いに便乗させていただき、沢登りでの再訪となった。
前日の夕方函館を発って、中山峠の道の駅で夜を明かし、4:00集合の薄別口へ向かう。メンバーは、これまで何度も沢や山に同行している今やgan遡行隊長の重要なスタッフとなっているKaさんとHiさん、今回初同行となるTuさん、Suさん、Mi女史の7名である。
下山してくる夏道の宝来小屋登山口へ8人乗りのTuさんの車をデポし、同じく8人乗りのHiさんの車で、白水川沿いの林道へ入る。2.5kmほど先の砂防ダム付近の林道終点に車を置いてスタートする。
○予想以上の水量
林道終点の先で渡渉し、古い林道の踏み跡を45分ほど辿ると入渓地点となる。赤茶けた岩盤の上に大きな岩がゴロゴロしている荒々しい沢だ。
3度ほどこの沢に入っているganさんによると、これほど水量の多いのは初めてだそうだ。渡渉するのにも結構緊張する(1)。また、ネオプレーンで覆われていない足や脛以外は濡らすとかなり冷たい。
深い滝壺を持った最初の5m滝が現れるが、左岸をへつる。
やがて、左岸が切り立った壁状になり、沢が狭くなってくると、スノーブリッジまで現れる。厚さを確かめて上を渡る(2)。さらに10mほどの滝。飛沫を浴びながら右岸を登る(3)。
○倒木利用のゴルジュ大高巻き
1時間ほどで、小休止をとって腹ごしらえをする。
そこからまもなく、この沢の核心部とも言える釜を持ったゴルジュが現れる(4)。
昔は右岸にロープが下がっていて、それを利用して垂直に近い岩壁をよじ登ったらしいが、それは上の方で切れていてすでにない。中を突破するには深すぎるし、流れも激しい。
ところが、今シーズンからの天の救いとでもいうように、対岸の上から崩れ落ちたのであろうか・・・?
左岸に2本のトドマツの倒木が壁に寄りかかって立っている。そこへ早速Kaさんが取り付き(5)、上まで登ってその先の高巻きの可能性を偵察する。OKとのことで、ganさんが次に登る。
ザイルの端と自分の身の確保をした後、あとの5人を引き上げる20mザイルを垂らしてくれる。スワミベルトのカラビナにザイルの輪をはめると、ganさんが引き上げてくれる。登りでのスワミベルトの使用は初体験だ。倒木の枝の節を足がかりにして、怖いので下を絶対見ないようにして恐る恐る登る。
登った後も大変。横は崖なのでトラバースができない。Kaさんの下からの指示で藪の急斜面をよじ登る。下が見えないので、トラバースする地点や下降する地点が判らないし、Kaさんの声も聞こえない。どうやら登りすぎたらしい。適当に下降を始めて、下からの声に導かれてなんとか沢床に降り立つことができた。ゴルジュの下に差し掛かってから、全員が降り立つまで1時間半ほどを要した。
○マイナスイオンを浴びながらの30m大滝
840二股を過ぎたところで、進む先に大きな滝が見えてくる。
近づいていくと、赤茶けた岩盤の上をしぶきを上げながら豪快に落ち込む2段30mほどの滝だ。全員、そのそのスケールの大きさにバンザイをして歓喜の声を上げる(6)。
下の方は左岸を登り、中段を横切って右岸に取り付くルートは私でも読むことができた。
その中段のテラス状のところにきれいな壷ができていて、思わず覗き込む(7)。豪快な上の滝をバックに私もバンザイをする(8)。落ち口へ登る最後のところは足場の確保が難しいので、ganさんが下から足を押さえて、Kaさんが上からロープで全員を引き上げてくれた(9)。