知内丸山(665.4m)C
5:00 函館発
登り | 地 点 | 下り |
6:20
7:20
8:20 |
登山口
千畳敷
頂 上 |
10:15
9:30
8:45 |
[2:00] | 所要時間 | [1:30] |
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知内山地の最高峰ではないが、一等三角点の山である(1)。地図上では「丸山」だが、丸山は道内で一番多い山で60座ほどある山名なので、ここも地名を冠して「知内丸山」と呼ばれている。
小谷石の旧矢越小学校から登山道が開削されたのは2007年で比較的新しい山である。自分の初登は、登山道ができる3ケ月前の2007年の冬。
山スキーで頃内林道から燈明岳〜奥丸山〜知内岳〜知内丸山と縦走をしている。
その後、
登山道ができた10日後に登り、さらに、
2011年には函館ライフスポーツの春の登山会でも登っている。
今回は、昨日の大千軒岳に引き続き、『北海道夏山ガイド』の取材に来たTetsuさんに付き合っての4回目の訪問である。5時に家を出て、小谷石のイカリカイ駐車場公園で合流。小谷石の市街地から中の川沿いの道を上がり、登山口となる矢越山荘へ向かう。
登山口に建つ「矢越山荘」は、明治15開校(知内町で最も早い)の旧矢越小学校校舎を模して改築し、今年の5月13日に改築されてリニュアルオープンしたばかりである(2)。
津波などのときの避難所になることははっきりしているらしいが、それ以外の利用方法や管理者も未定だそうだ。できれば、一般の登山者も利用できるようにしてもらいたい。
山荘の駐車場に車を置いて、その奥に続く車道を200mほど進むと、右側に「知内丸山登山道入口」の標識がある(3)。そこから踏み跡を辿り、中の川へ下る。
川へ下る道沿いに、本州以外では北海道西南部でしか見られないヤグルマソウがたくさん生え、花を咲かせていた(4)。
中の川を渡渉し、対岸の杉林の尾根に取り付く。テープや標識を見落とさないように留意しながらジグを切って付けられた急な道を登って行く(5)。
200m付近で杉林を抜けると、尾根の左右に人工的な平坦地が目につくようになる。明らかに昔畑地だったと思われる地形である。 尾根が広くなったところに、「開拓台地」の標識がある(6)。
その上の登山道の続く尾根にも、段々畑の痕跡が残っている(7)。
下山後に、地元の人に聞いたら、「あの辺りなら、まだ近い方だ。もっとあちこちの山奥に畑を造ったもんだ。昭和20年代ころまでかな?水田がないので、ジャガイモが主食だった。それを主に作ったていた。」とのことだった。
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「百手観音」 |
やがて、下草の全く生えていないブナ林へと入って行くが、ブナの木の変形が造り出す「八面樹」(8)、さらに、その先の「百手観音」には自然の造形の不思議さに感動する(9)。
すぐその先の急斜面に掛かる400m付近の幅広の尾根が「千畳敷」となる(10)。この辺りも下草がほとんど生えていないので、下りはテープをこの辺りがちょうど中間地点である。
急斜面を少し登って行くと、「戻ろう坂」(11)、その上の岩場が「風岩」(12)。いろいろなネーミングの見どころが楽しい。
400m付近で林から抜け出て、展望が開ける岩場が「鹿立」である。沢を挟んで、地元では矢越岳と呼んでいる四等三角点(点名・福島境)の山から矢越岬へ続く尾根と津軽海峡が広がる(13)。
そこから稜線までは、風が強くて木が生えないといわれる草付き斜面を登る。眼下に小谷石の集落が見える(14)。
高度を上げていくと、穏やかな津軽海峡を挟んだ下北半島と津軽半、その間のずっと奥に八甲田連峰も見えている。この山ならではの絶景である(15)。
急斜面を登り終えると、一転してナマガリダケで覆われた稜線上の平坦な道となる(16)。
頂上への最後の登りの1ヶ所だけ、右手の樹間から知内の海岸線とその奥に駒ヶ岳と横津岳が見える地点があった(17)。
スタートしてちょうど2時間で、一等三角点と朽ちて欠けて下に落ちていた山頂標識に迎えられて頂上に到着。途中の標識が立派だっただけにちょっと拍子抜けする(18)。
登っている最中にも、ずっと見えていた岩木山をズームアップしてみた。これほどはっきりと岩木山が見えたのは初めての経験だ(19)。
無風でポカポカ陽気の頂上で、素晴らしい展望を楽しみながらのんびり休憩し、下山した。
下山の下草のない林の中は踏み跡がはっきりしないので、テープを見落とさないようにしないと、下る尾根を間違えそうな感じになるので、要注意だ。