標津岳(1061m)   モシベツ川コース  単独  02.8.05
ガスの中の道東1日3山のスタートの山、中腹のダケカン林の広い斜面と展望台から頂上までの尾根のハイマツノ回廊が印象的。
                         開陽台からの標津岳(次の日撮影)
4:30 養老牛温泉 ホテル大一
登山
地点
下山
4:50
6:05
7:02
登山口
清水沢
頂 上
8:43
7:42
7:06
[2:12]所要時間[1:37]
武佐岳登山口へ
以前から、道東に行ったときには、近くに並んでいるこの未踏の標津岳、武佐岳、西別岳を一日で登ってやろうと温めていた計画である。前日の午前中に1泊2日の知床岳を下山して、それぞれの登山口を確認して、宿泊先である養老牛温泉のホテル大一へ向かう。のんびりと温泉で疲れを取り、明日に備える。

 残念ながら、霧が舞うようなガスの朝を迎える。知床岳のようにガスから抜けることを期待して、まずは一番近く、歩く距離が一番長い標津岳を最初の山に決め(1)、(翌日撮影)、温泉のそばを流れるモシベツ川沿いの林道に入る。快適な林道を6kmほど走ると広い駐車場があり、そこから登山道が続いている(2)。登山口から300mほど進むと[頂上まで6km]という標識が立ち、その後1kmごとにその標識が設置されている。
登山口の様子
 まずは、珍しいアカエゾマツの植林地の中を進む。しばらく登山道は背の高いヨツバヒヨドリの花に覆われていて、それを掻き分けながらの緩やかな歩きである。途中、直径1m近い大木が途中から折れて道を塞いでいる。1.6kmほどで植林地を抜け、傾斜も増し、快適な尾根道となる。左側にはガスでよく見えないが、モシベツ川の深い谷が入っているようである。547標高地点はツツジヶ丘と呼ばれるだけあって、ツツジの仲間が多く、高山の様相を呈してくる。晴れていると左前方に標津岳頂上が望まれるとのことであるが、ガスで全く展望はない。
清水沢
 やがて、広い斜面をトラバース気味に右から巻いて2回ほど少し下ったりしながら緩やかに高度を上げて行く。標高630mを越えた辺りで早くもハイマツの出現に驚く。さすが道東の山である。程なくしてコルから広い斜面に取り付く手前で「清水沢」という標識が目に入ってくる。唯一の水場である(3)。水を飲み、一休みする。ここから「展望台」までの1.2kmほどは、広いダケカンバのみの疎林の斜面を大きくジグを切りながらの登りが続く。ガスの中だけにその眺めはしっとりとして、まさに幽玄の世界そのものである(4)。
ダケカンバの純林の中を行く
 やがて、「展望台」という標識が目に入ってくるが、今日は用をなさない乳白色のベールのみである。そこから登山道は真北に進路を変え、背の高いハイマツ林の中にきれいに枝払いをされたハイマツの回廊が尾根に沿って続く。先週の札内岳〜札内分岐、昨日の知床岳では、ハイマツは漕いだり、掻き分けたり、跨いだり、潜ったり、幹を渡ったりという印象が強いだけに、ちょっと異様な感じさえする。それでも、高度を上げて行くにつれて回廊の幅が狭くなり、ガスに濡れた枝が迫ってくるので、上には着る。下は最初から履いたままである。
ハイマツ林の向こうに浮かぶ頂上
 やがて、足下にコケモモやイソツツジなどが咲いていたであろうお花畑なども出現し、行く手にボーッと霞んだ頂上が見えてくる(5)。ハイマツに囲まれたところに「標津岳」と書かれた背の高い標柱が立っているが、登山道はそこをかわして奥の方へ続いている。そちらを辿ると、広く刈り払われた広場があり、その奥に新しい標識が立っていた(6)。
頂上の様子
 山頂からは、本来であれば、これから登る武佐岳や西別岳はもちろん、阿寒の山から知床の山までの大パノラマが広がり、屈斜路湖と斜里岳の眺めが最高だとのこであるが、残念ながら、それらは「夏山ガイド」の写真を見ながら頭の中に描くだけの頂上である。

 これといって急登もなく、淡々とした登りであったこともあり、疲れも感じることもなかったし、何も見えない頂上でのんびりする気にもなれず、菓子パンを口にして、早々と下山することにする。平日のこんな天候に誰とも会うこともないだろうと下山を続けていると、若者が二人登ってきたのにはびっくりした。

 武佐岳へ


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