尖峰(せんぽう)(953m)<天候悪化のため撤退>
  
<川北温泉林道〜北東尾根ルート>  山スキー 2名  09、3,18

急な転進であったが、天候悪化で途中までの試登に終わる。


5:00 羅臼発
5:30 相泊4km手前(通行止め)
※知床岳断念〜尖峰へ転進
7:00 川北温泉林道入口
登山
地 点
下山
 7:00
 8:00
 8:30
 9:30
10:55
林道ゲート
林道分岐
林道終点
北東尾根(c550)
780ピーク下(c730)
13:30
12:50
12:20
12:00
11:00
[3:55]
所要時間
[2:30]
18:00 音更・鳳の舞(入浴・泊)
翌日、10:30 函館着

 標津山地の武佐岳の北に聳える、ひときわ目立つ端正な鋭鋒でる。登山道はないが、道東の岳人の間では、山容はもちろん頂上からの展望のすばらしさが魅力の人気の山のようである(1)昨秋、薮山仲間からオフミ登山の誘いを受けたが、参加できなかったこともあり、念願の山の一つになっていた。

 この日は、知床岳の予定で、羅臼から入山口の相泊を目指した。ところが、4km手前で雪崩のために通行禁止。山行だけで10時間の予定にスキーを担いでの往復8kmは到底無理。急遽、転進先を検討する。SHOさんの持参した5万分の1の地形図と簡単な情報をもとに、帰路途中のこの尖峰に決める。

○快心のルート採り

 検討の結果、ルートは、標津側から国道244号線の根北峠へ向かう途中の金山橋手前から川北温泉へ向かう林道へ入り、途中の分岐からその右の林道終点まで進み、北西尾根に乗る予定である。

 国道途中から、スッキリと天を突く素晴らしい山容を眺め、登ろうとする北西尾根をじっくりと観察する。上の方は確かに急だが、尾根の右側は林になっているのでなんとかなりそうである。むしろ気になるのが、その尾根を遮る衝立のように聳えるc780ピークである(2)

  金山橋手前からイケショマナイ川沿いの川北温泉(現在は露天風呂のみ)へ入る林道入口へ到着。林道は除雪されて、路面が出ているが、ゲートは施錠されている。自分はスキーを、SHOさんはかんじきをリュックに括り付けて、ツボ足でスタート。アイゼン、ピッケルのほかに20mロープとハーネスやカラビナ等も持参する。
 
 1kmほどで、除雪終点となり、自分はスキーを着ける。2.5km地点の分岐から右の林道へ進む。こちらの林道は途中までであったが一度除雪されたらしい。正面に目指す山が見える。登ろうとする北西尾根と右から巻こうとする555ピークも見え、ルートの目途が付く(3)

 スタートして、1時間30分で広い林道終点に到着。地形図をもとに、いかに効率よく555ピークを巻いて北西尾根に乗るかを検討する。その結果、その先の沢の岸を辿り、c350付近から北西尾根のc540へ突き上げている雪で埋まっているであろう枝沢を利用することに決定。

 c350二股までは、沢が開いているので、スノーブリッジを渡りながら右岸、左岸と進む。しかし、枝沢に入ったら完全に埋まっているので、その中を最後まで快適に登ることができた(4)。林道終点からちょうど1時間で狙っていたc540付近の広い尾根に乗ることができ、あまりの効率良さに大満足。振り返ると標津方面の平野が見える(5)そこにスキーをデポする。

 このころから南隣の武佐岳は完全に雲に覆われて、その雲がこっち側へ押し寄せて来るのが気に掛かる。

○衝立のような780ピーク

 ツボ足でc660ポコまで登ると、下から見上げて気になっていた衝立のような780ピークとその斜面が遮るように目の前に飛び込む。尾根は細い上に急で、しかも岩場になっていて、登ることは不可能。斜面も予想以上に急だ。上の尾根より、こちらの方が手強い感じだ。コルから斜面を右へトラバースしながら登り、岩場の上の少し平らになっている地点を狙うことにする(6)

 アイゼンとハーネスを装着し、ロープも用意して、ストックをそこにデポして、コルに下り立つ。日が当たらない斜面なので、雪面が堅い。順調にトラバースし、真っ直ぐに上の平らな地点を目指す急な直登部分で、安全のためにSHOさんがロープを設置してくれる。

 立木を利用しての自分の安全確保の方法や、万が一の場合のSHOさんを確保する方法、ロープの扱いなどを教えてもらう。SHOさんが、四つん這いで、アイゼンとピッケルを利かせながら登っていく(7)ロープは20mしかないので、3ピッチ目で、まずはSHOさんが尾根の平らな部分に到着。

○天候悪化のため撤退

 それまで陰になっていた頂上方向を眺めるSHOさん・・・暫くして 「ガスが懸かって、山が見えなくなっています。風も非常に強いです・・・今日はここで撤退しましょう!」との決断・・・確かに上空もすっかり白くなり、右隣の山も上の方は見えなくなっている。風の強さは、下のピークでも感じていた・・・この山の魅力は頂上からの展望だし、この風では頂上稜線の歩きは大変だろう・・・残念だが、あっさりと同意。

 下りもロープを使用して斜度の緩むところまで慎重に下る。コルから登り返した地点で装備を外し、スキーデポ地点まで下る。かんじきのSHOさんは登りと同じ沢型の中を下るが、スキーの自分は、その左岸の尾根を下り、下の二股で合流。

 林道を歩いているうちに雨が降ってくる。車に着いたら本降りとなる。実にタイミングの良い撤退決断だった。振り返っても、スタート時に見えていた山はすっかり見えなくなっていた。そのまま2日掛かり予定の帰路に就く。暫く走ると、雨はみぞれに変わり暴風雪状態になる。こんな中、山の中にいたら大変なことになっていただろう・・・。

 その日のうちに音更まで走り。翌日、4時に出て、高速を繋ぎ、10時30分には帰宅し、無事、4泊5日の知床遠征は終わる。

 SHOさんのぺージへ


「北海道山紀行・目次」へ   HOME

inserted by FC2 system