4:45 函館発
6:30 道々607号石崎松前線へ
7:10 大森沢林道へ
登山 | 地 点 | 下山 |
7:30
7:40
7:45
9:00
9:25
9:45 |
車デポ地点
入渓(440)
450二股
640二股
源頭(760)
頂 上 |
12:10
----
12:05
11:05
10:45
10:35 |
[2:15] | 所要時間 | [1:35] |
13:10 松前温泉(入浴)
15:30 帰宅
|
大千軒岳から南へ延びる分水嶺上の前千軒岳の南に位置する山である(1)。袴腰岳という山名は、全国に5山しかないが、そのうち3山がこの道南に集中し、あとの2山は青森県にある。共通しているのは頂稜部分が台形をしていることのようである。
この山は、もちろん登山道はなく、残雪期に東側の大千軒岳知内川コース登山口へ向かう林道の途中から尾根伝いに登られることが多い。今回はKo玉さんと昨夏の偵察時から温めておいた西側の小鴨津川源流部の西面直登沢を詰める計画である。
メンバーは札幌からやってきたHa山岳会のSaさん、函館のKo玉さん、Taさん、Fuさん、私・・・藪山グループの5名。
私とTaさんとFuさんの3名は、早朝に函館を出て、昨日松前と上ノ国の境界稜線上の木無山に登ったKo玉さんとSaさんの2名と大千軒岳への道々607号石崎松前線の途中で合流。天気は予報を覆して、すばらしい晴天。
大千軒岳の旧道・新道コース登山口へ向かう途中の小鴨津川の橋を渡って少し進み、右側の大森沢林道へ入る。600mほどのところにある広い駐車スペースに車をデポ。
それぞれ、沢と藪に備えた装備をする。私とTaさんは源流部なので水量が少ないだろうと判断しスパイク長靴、Ko玉さんとFuさんはスパイク地下足袋、Saさんは渓流シューズと様々である。
車デポ地点から沢に下り、入渓する。明るく、苔むした岩が非常に美しい渓相である(2)。まもなく現れる460二股は右股を進む。特に緊張場面や険悪なところもなく、美しい渓相を楽しみにながら遡行していく。川岸に微かに人の歩いた古い痕跡が認められる。魚影が濃いところを見ると釣り人が入っているようだ。
640二股の手前で、5mほどの深く大きな滝壺を擁した滝にぶつかる。こういうところはないよりあった方が沢は楽しい(3)。ここは左側から高巻く。
T字形で合流する640二股は右股へ。次の二股は左へ。あとは頂上稜線への直登である。
だんだん沢形は狭くなり、水量も少なくなる(4)。やがて、7mほどの滝にぶつかるが、ここも左から高巻く。高巻いて再び沢に下りるが、c730で水流がなくなり、c760で源頭にぶつかり、沢形が消える。
あとは、距離にして150m、標高差50mほどの藪漕ぎに突入。笹はネマガリではなく、密度も薄く、楽勝モードである。一帯はダケカンバ林で、白い幹と軟らかい緑のコントラストが美しい(5)。
藪に突入して15分もしないうちに稜線に飛び出る感じで、一気に展望が開ける。正面に飛び込んできたのが矢越岬に続く知内の山々である(6)。
左手に尖った前千軒岳と手前の975ピークが、その手前の笹藪で覆われたなだらかなピークが目指す頂上である。5分ほど笹藪を漕いで頂上到着(7)。まだ10時前のうれしい時刻だ。
まずは、恒例の三角点探し。5人で探すがなかなか見つからない。灌木の根が覆っている下に私が手を突っ込んでようやく発見。
周りをきれいに刈り払って掘り出した三等三角点(点名・袴腰)を撮影(8)。さらに、持参した三脚とセルフターマーで記念撮影(9)。
それにしても藪山にしては珍しく360度遮るもののない大展望が広がるのがうれしい。
北側の大千軒岳は前千軒の陰で見えないが、北東
方向には遠く当別丸山から函館山、手前には知内市街地(10)。その右側に知内の山々
。さらに南に目を転じると白神岬へ続く分水嶺上の百軒岳〜周坊堂山〜松倉山など(11)。西側左手には、入院中にKo玉さんとSaさんに先を越された八兵衛岳と雲に覆われた前八兵衛岳、右手は上ノ国と松前の境界稜線の山々。それらの大展望を楽しみながら、早めの昼食で腹ごしらえ。
天候にも恵まれ、快適で美しい渓相の沢登り、楽勝の藪漕ぎ、そして、この大展望・・・これ以上の贅沢はない。全員大満足で下山開始。
登りで稜線上に飛び出た地点まで戻らず、直接下りに入る。源頭の下で沢に合流。あとは来た沢を下る。途中で水溜まりに閉じこめられたイワナを手づかみして流れに戻してやるといった魚助けも・・・。460二股まで戻ったところで、林道に直接繋がっていそうな踏み跡を見つける。多分、釣り人が上り下りしているのだろう。それを辿ったら、やはり林道へ出て、70mほども歩いたら車のデポ地点に到着。
車のそばで着替えをしていたら、上から蕗を満載した車が2台下りてくる。我々を見て、「あれ?何も採ってねぇな〜」と言う。「袴腰岳に登ってきたんです」と答えると、理解できないらしくポカンとした顔をして過ぎて行った。彼らにすると、山は何かを採るところで、登山道もない山への登山などは理解できないのだろう。
国道へ出たところで、江差周りで札幌に帰るSaさんと別れ、松前温泉に向かう。温泉の前でKo玉さんが「財布を山の車のデポ地点に落としてきたらしい。戻って探しに行きます。」と戻って行った。我々が当別辺りまで来たときに「財布、やはり落ちていました。今、国道に出てきました。」との電話が入る。ボンネットの上に置いたまま忘れて車を出したらしい。
これで、
76山ある道南700m超峰で残りは8山になった。一番稼げたはずの2〜4月の残雪期は癌で入院・療養中で、あと3山になったKo玉さん(彼は北海道内の700m超峰踏破狙いであと67山を残しているだけ)にすっかり差を付けられた格好になった。困難な山ばかり残っていて全山踏破は難しいが、可能な限り挑戦したいものである。