三頭山(1009m) A 
<雨煙別コース>  妻同行  07,6,04

98,7,12の三頭山(単独)
 熊との出会いのおまけまで付いて、ドピーカンに恵まれ、9年前のガス中登山のリベンジが叶う。

6:30 北竜町道の駅発
登山
地点
下山
 8:30
 9:20
10:10
10:55
丸山分岐(5合目)
7合目
反射板横
頂 上
13:00
12:05
11:50
11:15
[2:25]所要時間[1:45]
稚内へ向かう
 ピッシリ山に次ぐ天塩山地第2峰の幌加内町の山。頂上部に3つのコブを持つことが山名の由来らしい(1)9年前に訪れたときは、ガス中登山で眺望もなければこの山の山容も分からないままで、いつかは再訪をと思い続けてきた山である。今回は、妻同行の利尻・礼文の旅の途中に再訪した。ドピーカンで、一等三角点にふさわしい見事な展望が広がり、リベンジは叶ったが、熊との出会いのおまけまで付いた。また、下からずっと春に見られる花はすべて目にできるほどの花の山でもあった。

 下から歩いて登る政和コースと、政和コースと5合目で合流する丸山分岐まで車で上がれる雨煙別コースがあるが、妻同伴なので、今回も後者のコースを採った。

 幌加内市街地を抜け、国道275号線を北上し、雨煙別川の橋を渡って直ぐ左側に「三頭山雨煙別登山道入口」の標識がある。その林道を1.5kmほど進むと、再び標識があり、右へ入る。ここから5合目の丸山分岐(590m)まで車で入れるが、これまでに、この山以外に経験はのないほど急な林道である。普通乗用車は難しいほどの斜度だ。前回、経験しているにもかかわらず再び驚いてしまった。

 広い駐車場のある5合目の丸山分岐から登山道が始まる(2)朝から20℃を越し、真夏の山を思わせるドピーカンの天候だ。暑いときの登山はオーバーヒートして頭痛を起こす妻に合わせ、超ビスタリーモードで歩く。前回の単独行の2倍の時間をかけて登り下りしたが、下山後28℃にもなっていて、やはり頭痛を起こして下山後ダウンしてしまった。

 7合目までは、4回ほど同高度の小ピークを越えるアップダウンが続き、効率が悪い。しかし、道沿いにはエゾイチゲ、ツバメオモト、ハクサンチドリ、ピークを過ぎたカタクリ、さらには、タカネザクラ(有毛なのでチシマザクラか?)やムラサキヤシオツツジなどの花が多い。

 7合目から山頂までの登りに掛かり、山頂部と登山道が続く尾根が見える。急な沢地形には雪崩斜面が発達し、急な草付き斜面が多い(3)

 急な登りが続き、高度を上げて行くに連れて雪渓が多く残り、緊張する場面もある。その周りには、早春のエゾエンゴサク、カタクリ、サンカヨウ、オオバキスミレ、ザゼンソウなどの花が咲いている。

 しかし、見なくてもいいものまで見てしまった・・・9合目の直ぐ下の大きな雪渓上で、後ろを歩いていた妻の「熊じゃないよね?岩かな?」という声に戻ったら、なんと、横30〜40m離れたところで、座りこんでいたのがやおら立ち上がり、早足で上の方へ歩き始めた熊ではないか!若熊といった感じの大きさである(4)これまで何度か目にしたことはあるが、もっとも至近距離である。「鉢合わせはしたくないが、カメラに収められる距離なら見てみたい」が叶った瞬間である。なんとか小さいなりにカメラには収まったが、戻るか進むかが問題である。

 頂上を目の前にして退却も悔しい。幸いこちらの進路と90度ほど違うことを幸いに、笛を吹きながら進むことにした。二頭山と頂上が見通せる一頭山まで登り切ると(5)その先の登山道が熊の進んだ方向へ向かっている。「熊だって遭いたくないはず」とさらに強く笛を吹きながら進む。ご丁寧に2ヶ所も登山道を覆う雪の上を横切っていた。おまけに頂上直下の大きな雪渓にも、頂上へ向かって古い足跡が続いている(6)頂上へ着いたら熊がお出迎え・・・などという状況は嫌だが、退却も悔しい。笛を力一杯吹き続けながら頂上へ到着。

 待っていたのは熊ではなく、一等三角点にふさわしい360度の大展望であった。前回には無かった枯れ木の幹を利用したみごとな頂上標識が立っていた(7)

 東側には幌加内市街地とその向こうには表大雪や十勝連峰の白い連なり(8)、北側には留萌と空知の境界線上に連なる900m台の山々とその後ろに白い襞を見せるピッシリ山(9)その右東側に、やはり白い頂上部を見せる函岳が見える。残念ながら利尻富士は見えなかった。

 無風で半袖のTシャツ一枚でも暖かい陽気に、まだゆっくりしたかったが、熊が気になって、どうも落ち着かない。20分ほどで下山を開始し、9合目の下まで笛を二人で吹き続けながら下った。



道花に咲く花々の一部

ムラサキヤシオツツジ

エゾイヌナズナ

サンカヨウ

オオバキスミレ


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