八雲・三角山(741.4m) 
<南西尾根・国有林境界苅分道>  単独  11、11,10

「沢から登ったら頂上から続く北西尾根に国有林境界の苅分道があった」という情報をもとに早速登ってきた

 酒谷山下山   
登山地 点
下山
 9:25
 9:35
 9:55
10:25
11:00
オボコ山の家
尾根取り付き
436ポコ
591ポコ
頂 上
12:35
12:25
12:15
11:50
11:20
[1:35]所要時間[1:15]
13:00 八雲温泉・おぼこ荘(入浴)
15:00 帰宅

北海道には丸山の次に多いありふれた名前の三角山だが、この三角山は、国道229号線(八熊線)から見ると雄鉾岳の左手前にどっしりと聳える山で、国道5号線からもよく見える山である(1)

 この山と雄鉾岳の間を流れる鉛川一帯は、江戸時代から鉛、亜鉛、マンガン、金、銀を産出していた八雲鉱山(閉山1969年)として栄えたところで、今でも、その遺構が周辺一帯に残っている。

 この山には、冬(07,1,20)に北西尾根を登っているが、先々週末に、沢から登ったganさんグループから「頂上から南西尾根に国有林境界の苅分道があり、それを下ったら、オボコ山の家の上流300ほどに出た」との情報をもらった。もちろん初耳である。そのような道があるのだったら、再訪してみようと、早速、その苅分道から登ってきた。


 雄鉾岳登山口まで車で入り、八雲鉱山時代の郵便局だったオボコ山の家の前を通り(2)、鉛川の右岸沿いの道を進む。ここ最近刈り払われた道だった(3)10分ほど進むと、川にぶつかる。昔の鉱山時代には橋が架かっていた地点である。その手前が苅分道のある南西尾根の末端で、ピンクテープがぶら下がっていた。非常に急な尾根末端なので、登り切るのに手こずった(4)

 登り切ると、尾根の上にきれいに刈り払われた道が続く。この道は、毎年刈り払い整備が行われるので、ちょっとした登山道より快適に歩くことができる(5)

 ただ、登山道ではないので、どんな急なところでも境界線上を直登しているのが特徴である。もちろん地形図には記載されてはないし、一般的に情報も公開されてはいないが、あちこちの山で目にする道である。このような登山道もどきの道がこの山にあるなどとは全く知らなかった。

 ところどころに国有林境界によくある「山」と赤い字で彫られた標石とビニール管や木の幹に貼られた赤い鉄板の「森林境界標」等が見られる。

 416ポコを越えると、目指す頂上が、591ポコの右側に見えてくる(6)。416ポコの先のコル付近は、両側がスッパリ切れ落ちていて、人一人が通れるほどの狭いナイフリッジ状の道が少しの間続き、緊張を強いられる。後ろを振り返ると、雄鉾岳や元小屋沢山などの渡島と檜山の境界稜線が見えるようになる。


高度を上げていくと、ブナの木が多くなり、その中に快適だが急な道が続く(7)。次の591ポコへの急な登りを喘ぎながら登る。登り切って下りに差し掛かると目の前にド〜ンと目指す頂上への急な尾根が目に飛び込んでくる(8)コルまで50m下った先の標高差200mのこの急な登りが、この山の核心部だった。


喘ぎながら登り、休んでは後を振り返ると雄鉾岳の雄姿が癒やしてくれる(9)


北側には遊楽部山塊が連なり、その手前の冬と夏の2回その頂上に立つことができた天を突く尖峰・岩子岳が嫌でも目に付く(10)


 頂上は、一面ネマガリダケに覆われていて、苅分道が反対側の尾根へ下っていくその頂点である(11)。その頂点から少し下ると、噴火湾方面の展望が広がっていた(12)苅分けから1mほど南側の薮の中に最高点があり、三等三角点があるはずだが、先々週末に登った4名で探しても見つからなかったとのこと。ちょっと潜り込んでみたが、ネマガリの密度が強烈で、枯葉が厚く積もっているのこともあり、とても見つかるような状態ではなかったので、あっさり諦めて、昼食タイムとする・・・。この時期なのに、全く寒さを感じることのない暖かさがうれしい。


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