様似・天狗岳(666m)<様似町>
ニカンベツ川右岸林道〜南西尾根ルート  単独  12,10、27
昨年雨で途中撤退したグループ登山への単独リベンジが叶う

5:30 アポイ山荘駐車場発
  ニカンベツ川右岸林道へ
  林道終点(南西尾根c330)
登り
地 点
下り
6:15
6:35
7:00
林道終点
550ポコ
頂 上
8:00
7:45
7:15
[0:45]所要時間「0:45]

仁寒別林道入口で待ち合わせ

国土地理院のwebで検索すると、道内だけで、天狗岳と天狗山を合わせて24座もある。これは67座の丸山についで2番目の多さだ。ちなみに3番目は三角山の19座。往々にして。天狗の付く山は尖っていたり、岩山のことが多い。

 この様似町の天狗岳も国道のえりも町側から見ると鋭く尖っている(画像左)。ちなみに、その東隣(画像右)に聳えるのは、昨年やはり単独で登った袴腰山(1)

 この山は、昨年今日の午後から集合するメンバーで雨の中登って、途中で撤退した山である。今回は、単独でリベンジにトライしてみた。林道状況もルートも記憶に新しいのが心強い。これ以上はないと思われる好天に恵まれた早朝、国道の留崎橋の手前からニカンベツ川の右岸に続く林道へ入る。非常に快適な林道だ。途中で川の中を渡るところがあるが、その分岐を左へ直進すると迂回路になっている。帰りは川の中を渡った。
 
 良く走り込まれている林道を道なりに走ると昨年車を置いた分岐の沢沿いの土場跡(c120)に到着。ところが、昨年歩いたその先の頂上へ続く南西尾根に絡んだ林道跡は、最近ブルで整備されたばかりで、新しいタイヤ痕が続いている。走れるところまで走ってみようと先へ進む。南西尾根に絡んで、さらに1.4kmほども入ることができた(c330)。そこは、昨年撤退した尾根取り付き地点の直ぐ下だった。

その新しく整備された林道の途中から、紅葉に彩られた尾根斜面の上にポコンと丸く尖った天狗岳頂上が見えた(2)


 新しく整備された林道終点は、ちょうと頂上へ続く尾根の上だった。残り標高差340mほどで楽勝な感じだ。200ほど尾根の上の林道跡を歩き、昨年撤退した地点で尾根に取り付く。尾根の上は膝より低いミヤコザサにきれいに覆われている。中央に微かに続く鹿道を進む(3)。尾根は徐々に細くなり、鹿道もはっきりしてくる。相変わらず笹は低いままで快適に歩ける(4)
 20分ほどで、c550ポコに到着。目の前に朝日に輝く紅葉で彩られた端正な山頂部分が姿を現す(5)そこから方向を真北に変えて、コルまで下って、登り返す。

その途中の左手に、昨日登ったばかりのアポイ岳とつらなう昨日は雲が懸かったままだったピンネシリまでの連なりがすっきりと見えている(6)


 550ポコから眺めたときには端正な形だったが、頂上が近くなり、急になってくると頭上に岩壁が遮るように次々と現れる(6)しかし、よく見ると、鹿道がちゃんとそれらをかわすように、あるいはその間を潜るように続いている。ただし、非常に急で足元からすっぱり切れ落ちている。周りの灌木や木の幹に捕まりながら慎重に登る。ところが枯れた木が多く、掴むたびにポキンと折れるのが怖い。登り詰めると斜度が緩み、露岩の点在する細い稜線となる。
 歩き始めてわずか45分で頂上へ到着。なんとそこの灌木の枝に青いテープが結ばれていた。三角点のない山だが、登る物好きは人はいるもの(7)。セルフタイマーで記念撮影をして休憩(8)

 頂上からの展望は周りの木が邪魔で、すっきり見えないのがちょっと残念。ポンにニカンベツ川を挟んだ東には、昨年登った袴腰山が端正な姿で見え、その右側に翌日登る予定の本二観別岳と二観別岳のピークが見えるのもうれしい(9)

 西側には太平洋が広がり、どこかよく分からないが漁港が見える(10)

 無風でまさに小春日和の早朝ピークをリベンジでゲットできた満足感に酔いながら下山の途に就いた。岩場の下りは登りよりずっと怖い。上から見ると周り全てが崖の上に立っているような気がする。慎重に登ってきた鹿道状の痕跡を探し、折れない木に捕まりながら、登りより時間を要して下った。

 そこを突破したら、あとは怖いところはない。どんどん下る。ところが、遠くから鹿撃ちの発砲音が聞こえる。間違って撃たれないことを願いながら下った。

「地図がガイドの山歩き」のベージによると、この山には、「金の船伝説」があり、 「様似町史」にも載っているとのこと。以下、それをコピペさせてもらった。

 同町の吉田千代太郎翁の話として「昔、ニカンベツ川の流域にはアイヌのコタンがあり、そこには金の船のような形をしたものがあったそうであるが、盗賊に狙われるため、困り果てたあげく地中に埋めて隠してしまったとのことである。その後、この山域へ入った者が光るものを発見、近づこうと思ったがロープが足らずにこの日は諦める。翌日再び現地へ向ったが、この者は二度と山から帰ってくることはなかった」と載っているそうである。地元K氏の話しでは、海上から見るこの山は特徴的で、船の形のように広がって見えるそうである。
 
 なお、ポンニカンベツ川には金舟橋という橋もあるらしいが、この伝説に因んだものだろうか?


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