サマッケヌプリ山(1062.5m)<中標津町/斜里町> 
[荒川林道〜東尾根ルート] 山スキー 3名 2010,3,24
 
中標津のお二人に同行いただき、地元岳人ならではのルート採りで標津山地の最高峰へ

3:00 十勝平原SA(泊)発
7:00 荒川林道入口
登山
地 点
下山
 7:40
 8:45
 9:20
10:45
11:20
浄水場先除雪終点
林道分岐(右へ)
林道終点
東コル上(スキーデポ)
頂 上
13:40
12:55
12:30
11:55
11:35
[3:40]
所要時間
[2:05]
14:30 からまつの湯(入浴)
18:00 中標津公共駐車場(泊)

 標津山地・・・・根釧台地の北側、斜里岳の南側に、阿寒の山から知床半島を繋ぐ形で連なる山岳地帯が一般的にこう呼ばれているようだ・・・この山地に標高1000mをわずかに越える山が5山あり、その最高峰が、このサマッケヌプリ山で、斜里岳から直線距離で9.6km南に位置している。

 中標津町の最高峰でもあり、一等三角点(点名・砂馬毛岳)の山でもある。山名の由来は、アイヌ語の「サマッキ・ヌプリ」(横たわる・山)に因るらしい。ちなみに同名の山(898m)が雄阿寒岳と屈斜路湖の間の稜線上にもある。

 この山地では、登山道のある武佐岳と標津岳はすでに登っているが、その標津岳の東側に連なる台形の頂上稜線を形成する端正な山がこのサマッケヌプリ山である(1)

 今回、まとまった日程が取れたので、昨年3月の天候悪化で途中撤退した尖峰のリベンジも兼ねて、サマッケヌプリ山、養老牛山、俣落岳と通称・ソーキップ岳などの踏破を計画して遠征することにした・・・相互リンクを結んでいてる中標津在住のMoさんの記録に刺激されたことが一番大きいのだが・・・・。

 函館を前日の午後に出て、道東道の十勝平原SAで夜を明かし、この山の中標津側からの取り付き地点となる荒川林道入口まで走った。わずか6日前に別ルートから登ったばかりにもかかわらず、同行案内を買って出てくれた中標津ジモティのMoさんとMiさんとの感激の初対面登山となった。

 お二人と荒川林道入口で待ち合わせ、除雪されている浄水場先のT字路まで進む。山スキーを履いて、スノーモービルのトレースが賑やかな広い荒川林道を進む。その正面に目指す頂上と辿る予定の東尾根が見える(2)

 2.5kmほど進むと、林道分岐となる。そこから眺める頂上と鋭く尖る前衛峰とトドマツ林の構成が何とも美しい(3)その分岐を右側に進む。さすがジモティである・・・複雑に林立する前衛峰をかわして東尾根に取り付く効率的なルートのようである。ちなみに、自分は左の林道から頂上の南西側の1019ポコへ繋がる細い南尾根を登るつもりでいた・・・。

 川にぶつかって、その林道は終わっている。その先の広く緩やかな尾根には、標高500m付近にもかかわらず、ダケカンバの純林が広がり、青空とのコントラストが美しい(4)この辺りから、溶けてきた新雪がシールに着くようになり、シールワックスを塗る。

 やがて、目の前に見えてくる858ポコとの間のコルを目がけて進んでいく。コルに上がると、この後登る東尾根の全容が手に取るように判る。下の方はかなり急そうだ(5)

 斜度の変わる900m付近にスキーをデポし、急な東尾根に取り付く。高度を上げて振り返ると、中標津町と標津町の境界稜線に連なる俣落岳〜武佐岳までの山々が見えてくる

 一部、キックステップで慎重に登らなければならない堅く急なところもあったが、それよりときどきズボッっと埋まるハイマツ帯の方が歩きづらかった(6)東肩に乗り、道東の大展望を楽しみながら、広い稜線上の頂上を目指す。その間には、わずか6日前に「もうここには来ることがないだろうから、東の肩まで行ってみよう」と往復したお二人の足跡が残っていた。

 頂上には、初めて目にした三角点の位置を示す標識とその支柱に頂上標識までが付けられているのに驚いた(7)。頂上からは、360度遮るもののない一帯の大展望がみごと(8〜12)。道南の山に登り慣れている自分にとっては、森林限界が低いせいか、標高の割に開放的な山が多いのが非常に印象的である。

 遠征初日から天候に恵まれ、期待したとおりの新鮮な展望にも恵まれ、大満足で下山の途に付いた。


記念撮影〜三角点標識と頂上標識にビックリ

中標津町と標津町の境界稜線上の俣落岳〜武佐岳

南側に広がる根釧台地と根室海峡の海


西隣の標津岳

下山直前に全容を現した北側の斜里岳

北東方向の海別岳・・・左端の小山は小海別岳


○からまつの湯
下山後、養老牛温泉から林道を2kmほど奧に進んだところにある無料の天然露天風呂「からまつの湯」へ案内していただいた。
 ここは、昔の営林署の人たちが発見して、自分たちが利用するために整備した露天風呂とのこと。男女別の更衣室もあり、地元や秘湯巡りマニアにとっては、人気の温泉らしい。

 今でも、有志の方が整備しているらしく、快適な秘湯である。すぐ横を流れている川のせせらぎが雰囲気を盛り上げている。地元の人のお話も聞きながら、1時間以上もお喋りしながらマッタリと過ごした。

 源泉は90度近いらしく川の水を混ぜて湯温を調整する仕組みになっている。バルブがあって、左にひねると熱くなり、右にひねるとぬるくなる。

 2日後の養老牛岳の後にも再訪したが、貸し切り状態になることがないほど、次々と入浴者で賑わっていた。
 
 この後、中標津市街地に出て、Miさん宅でコーヒーをご馳走になり、今後の山にすべてお付き合いしていただくとのことで、天気予報や計画等の打ち合わせをする。その後、Moさんの案内で、結果的に6泊もお世話になった中標津町総合文化会館そばの、暖房が利き、お湯まで出る快適なトイレ付きの公共駐車場に落ち着く。すぐそばに大型スーパーやコンビニや食堂などもあり、文化会館の中にはパソコンも使える図書館もあり、非常に便利な駐車場だった。

 同行いただいたMoさんページへたくさんの大画像に、私がいっぱい写っています) 


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