神威岳(983m)烏帽子岳(1109.7m)  百松沢林道コース  単独  04,9,02

まだ登っていなかった烏帽子岳へ、9年ぶりの再訪の神威岳から稜線の道を辿る

5:55 道路情報館前(車中泊)発
登山地点下山
6:05
6:50
7:55
8:20
9:05
登山口
林道終点
巖望台
神威岳
烏帽子岳
12:10
11:25
10:35
10:15
9:30
[3:00]所要時間[2:40]
18:00 函館着
 神威岳は札幌と函館を行き来するたびに定山渓付近の国道230号線から見える頂上に岩崖を巡らせ、西部劇に出てくる山のような感じの山で、その北に延びる稜線で繋がる丸みを帯びた山が烏帽子岳である(1)。

 札幌近郊の山で登山道のある山で唯一登っていなかった烏帽子岳であるが、登るチャンスは2度あった。それは、9年前に神威岳に登ったときで、そのときは今ほど踏み跡がはっきりしてなくて、そのころの自分の実績からはとてもそこから先へ進む気はしなかった。2回目は、今春の4月、百松沢山に山スキーで登ったときである。このときは1時間ほどで行けそうだったが、もの凄い強風に、痩せた稜線を辿るのが怖くて戻ってしまった。

 今回は、この烏帽子岳ねらいで、神威岳を再訪し、その間の稜線を繋ぐ予定で、前日、その札幌寄りの道路情報館の駐車場で夜を明かす。早朝、国道230号線から豊平川に架かる百松橋を渡り、登山口となる百松沢林道のゲート前へ向かう。

 まだ誰も入っていない林道を15分ほど歩くと、トドマツ林の中の短絡路に入り、さらに15分で再び林道に出る。さらに15分で林道終点となり、ようやく登山道入り口となる。崩壊した沢からトドマツ林の台地へ上がる。右側は巖望台のコルまで突き上げる百松沢川の左股沢の深い谷である。

 15分ほどで深い沢へ下り、小沢を渡り、ロープの設置された崖を登り、尾根に取り付く。徐々に傾斜が増し、急登となるが、登山道は尾根の右側についているので、常に樹間から神威岳の頂上が見える。

 急な登りを終えると、広く平らな尾根に出る。そこは休憩にもってこいの場所で、目の前に岩崖を巡らせた神威岳の頂上が見える(2)。そこからは右側の谷地形を巻くように方向を変える平らな尾根道である。

 やがて、コルに下り立つと、「巖望台」である。そこからは、向きが変わり険しいイメージのなくなった頂上が見える(3)。その先2〜300mは深い笹藪で、それらを掻き分けながらの登りとなり、朝露で全身びしょ濡れとなる。笹藪を抜けると再び急な登りとなり、岩場の下にはロープが設置されたところもある。

 間もなく9年前とは比べようもないほどはっきりとした烏帽子岳への登山道の分岐へ出る。そこからわずか2分でもちろん誰もいない神威岳頂上である。頂上標識の先に今春登った百松沢山南峰が見えている(4)。遠くの眺めは霞んでいて、はっきりしないのが残念である。札幌岳〜空沼岳の稜線はボヤッとしか見えず、札幌の街並みも見えない。

  分岐へ戻り、急な尾根道を下る。最低コル辺りから目指す烏帽子岳の東端のピークが見える(5)。最低コルは880mで、頂上まで230mの登り返しとなる。

 コル付近からの登りは笹や灌木のブッシュが濃くなり、それらを掻き分けながらの登りとなるが、高度を上げていくと、それもなくなり、高山の雰囲気の植生となる。道に岩が出てきて、タカネザクラがすでに紅葉し、すっかり秋の雰囲気である(6)。


 その間をくぐり抜けると露岩帯に出る。その上は草付きの急斜面で、少し登って振り返ると独特の姿をした神威岳と歩いてきた吊り尾根が見える(7)。

 草付き斜面を登りきるとそこは東端のピークで、さらに緩やかな稜線を西側へ進んでいく。この間は笹藪が深く、掻き分けないと踏み跡が分からないほどである。思ったより長い距離である。

 藪の先が明るくなり、突然刈り払われたところへ飛び出すような感じで頂上到着である。ちょうど登山口から3時間ピッタリである。

 そこには頂上標識と札幌近郊のあちこちの山に設置されている峯風さん作成の裏に短歌が書かれた標識がある(8)。また、三角点があるはずと探すと、刈り払われた端に三等三角点が見つかる。

 眺望は定山渓方面しか見えないが、やはり霞んでいて、定山渓温泉街ととさっぽろ湖、さらにその奥に微かに無意根山が見えるだけである(9)。
周りは霞んでいるが、上空は太陽が出ていて、ポカポカ陽気である。25分休んで、下山を開始する。

 帰りも神威岳に寄ってみたが、やはり誰もいなかったし、下山途中も誰にも会うことはなかった。長い林道歩きもそれほど気にならないで、およそ6時間の山旅は終わる。

 小金湯温泉で汗をがなそうと思ったが、時間も早いので、そのまま函館まで走る。



「北海道山紀行・目次」へ      HOMEへ

 

inserted by FC2 system