ルチシ山(754m)  <登り・地元登山会ルート、下り・南西尾根ルート>  単独 05,10,06

754mの頂上を7:54に踏んだ、小粒ながらも日高山脈の山らしさを誇るピリリと辛い山を登りと下りのコースを変えて楽しむ

5:30 えりも町灯台公園
6:00 上歌別川林道ゲート前
登山地点下山
6:05
---
6:40
7:40
7:54
ゲート前
林道T字路
尾根取付
尾根合流地点
頂 上
----
9:05
----
8:25
8:15
[1:50]所要時間[1:00]
(MTBで車をデポしてあるゲート前へ)
9:15 ゲート前
9:30 目黒側猿留林道入口へ移動

GPSトラックログ
(登り・赤色、下り・青色)
 豊似岳やオキシマップ岳と上歌別川を挟んで東側に聳える山(左のピーク)で(1)登山道はないが藪が薄く、いろいろな尾根から結構登られているようである。自分なりに地図上で策定したコースは、国道から上歌別の神社方向へ入り、農道を山の裾野まで走り、198.7地点の奥のT字路の直ぐ左側の緩やかな沢沿いの尾根に取り付くコースである。その尾根を登り、頂上からn南南東に長く延びる尾根に合流する比較的斜度の緩い最短距離である。

 ところが、いろいろメールで情報を下さった郷土博物館のNaさんによると、地元の小学生も登る登山会のコースがあるとのことである。前日、博物館に寄ったときに詳しい情報をいただく。それは、上記のT字路から右に進むと、正面にゲート(道有林管理)があり、その奥に林道が延びているので、それを利用して尾根に取り付くコースである。

 地元の登山会で利用しているなら、登山道もどきの踏み跡がある安全なコースなのであろう。せっかくのお薦めなので、登りはそのコースを登り、自分が策定したコースを下る計画で、下山地点にMTBをデポして、右の林道の奧にあるゲートの方へ進む。ゲート前に車をデポして林道を進む(2)。

  林道を5分も歩くと、左に折れて、尾根の北斜面を大きく6回ほどジグを切って登っていく。右上にはオキシマップ岳の頂上が見える。斜度は緩いので楽であるが、高度を稼ぐことができない。35分ほど歩くと、標高350m付近で斜度の緩んだ尾根の先端に広場のようなところがある。林道はまだ奧に続くが、どうやらそこから尾根に取り付くようである。よく見ると、ミヤコザサで覆われたダケカンバの明るい林の尾根の真ん中に踏み跡が続いている。ちょっと右側へ寄ると頂上が見える。町から見るのとは違って、頂上付近は岩を露出させた荒々しい様相を呈している(3)
 
 真後ろから朝日が照らし、自分の影が先行する形で、緩やかな明るいダケカンバ林の尾根の真ん中を登っていく。斜度が増してくるに連れて尾根も狭くなり、踏み跡もはっきりとしてくる(4)

 500m付近から一気に斜度が増し、ダケカンバ林を抜けると、Naさんも話していたが、「この山はツツジの頃に登ったら全山ツツジの花で凄くきれいですよ」との通り、エゾヤマツツジの木が一面に生えている。しかも、えりも特有の強風に耐えるかのように西側に枝を曲げ、矮小化したものが多い。そのツツジや周りの灌木に掴まりながら、ステップが切られたような踏み跡を休み休み登る。

 高所恐怖症の自分には尻がムズムズする感じの600m付近のコブ状の上に乗って一息つく。振り返ると牧場の向こうに襟裳岬が見え、朝日に輝く太平洋が広がる。左手には下山予定の尾根が岩をさらけ出して荒々しい様相を呈している。

 そこから岩混じりの灌木帯を登って行くと、670m付近で下山する尾根に合流する。日高らしい岩混じりの細く急な尾根が頂上まで続いている。東斜面は林であるが、西斜面は木が生えてなくて、転倒でもしたら谷底まで止まらないような急斜面である。帰宅後にネットの「えりも博物誌」で調べたら、大断層の斜面とのことで、大いに納得である(5)

 頂上の下は岩稜帯になっていて、その根元を巻くような踏み跡を辿ると頂上へ到着する。なんと時計を見たら偶然とは言え、この山の標高754mとピッタリの7:54であった。

 地図上でも三角点はないのだが、頂上を示す標識すらまったくない静かな頂上である。襟裳岬を中心として、左側に百人浜が(6)、右側の幾重にも入り組む谷の向こうには、漁港を中心としたえりもの市街地が見える(7)周りはどの方向も急斜面で尻が落ち着かない感じである。東尾根にも踏み跡があるところを見ると、そちらから登ってくる人もいるようである。

 北側には昨日眺めた楽古岳を中心とした主稜線の山が、すぐ北東にはアポイ岳〜ピンネシリ岳も見える(8)また、北側に延びる藪の薄い日高特有の痩せ尾根を伝って最高地点の847ピークまで行けそうである。
標高は高くはないが、岩混じりのナイフリッジの稜線、深い谷・・・山自体が日高特有の雰囲気で、最南端の山であるが、日高の山らしいピリリと辛い小粒な山である。そんな360度遮るものない眺望を楽しながら贅沢な朝食タイムにする。

 まだ8:00を回ったばかりで、もっとのんびりしたかったし、稜線上を847ピークまで行ってみたいところでもあるが、この後、残りの猿留山道を踏破したいので、頂上を後にする。

 登ってきた尾根と合流する67付近まで下り、そこからまっすぐ南南東に延びる岩尾根を下る。ここもツツジの木が一面に生えている。振り返って頂上を見ても、登りの尾根より顕著な尾根で斜度も緩いようである(9)しかし、500m付近から暗い林の中へ入っていくので、見通しの点では登りの尾根の方が快適で登山会などには適しているようである。

 林の中は藪も薄く、どこでも歩けるが、460m付近のコル地形から自分の下山する方向に好都合の登山道のような鹿道があったので、それを利用して、派生する尾根を越えて沢地形の近くまで斜めに下る(10)。

沢の西側の暗い林をずっと下り、最後はトドマツの人工林を抜けると、MTBをデポして置いた地点へピッタリと出ることができた。頂上からわずか50分であった。登りのルートより林道歩きの分、距離的には近いようで、斜度も緩いようである。

 MTBに跨り、おおよそ下りの林道を10分弱で車をデポして置いたゲートに到着する。まだ9:15である。予定通り、海岸線に出て、黄金道路を越えて目黒地区まで走り、昨日の残った反対側の猿留山道の入口を目指す。




「北海道山紀行」目次へ   HOMEへ



 

inserted by FC2 system