樺司山(1111.9m)〜リビラ山(1296m)<平取町・日高町・新冠町>
 単独 14、11,8
来年以降整備はしないとの情報を得て、急きょ向かったが、登山コースを見失い、途中から樺司山までは薮漕ぎとなった

5:00 二風谷パーキング発
5:45 ヌモトル林道ゲート
登山
地 点
下山
 6:00
 7:05
(薮漕ぎ)
 9:20
10:20
林道終点
430二股の先
(樺司山南西尾根)
樺司山
リビラ山
12:50
12:20
----
11:20
10:40
[4:20]
所要時間
[2:10]

14:30 新冠温泉(入浴)
19:00 新冠道の駅(車中泊)

 中日高主稜線の西方に位置する貫気別岳、ピウ岳と共に新冠川を挟んで主稜線と対峙する山である。リビラはアイヌ語で(高い崖)を意味すると言う。頂上付近は平取町・日高朝・新冠町に跨っている。

 02年10月に「里平の自然に親しむ会」によって、リビラ大滝経由コースが開削されたという情報をゲットして、どこにも紹介される前にいち早く登っている。その後「夏山ガイド」にも掲載されたが、その翌年に大雨で林道が決壊し、通行止めになってしまった。

 2009年にヌモトル林道から樺司山(111.3m)経由の新しいコースが開かれ、「夏山ガイド」にも掲載されたようだ。しかし、「里平の自然に親しむ会」が、来年以降、登山道の整備をしないという情報が入ってきた。廃道になる前に登っておきたいと、急遽トライすることにした。

 前日、平取町の二風谷パーキングで夜を明かし、国道237号から道道71号に入り(貫気別経由)三和で公団幹線林道に左折。1.4kmで左にゲートのあるヌモトル林道入口がある。ゲートの手前に「ヌモトル」と書かれた標識が立っている(1)林道の鍵NOは日高北部森林管理署に申請書を提出して許可を貰うことになっているが、なぜか鍵は外れていた。ゲートから約4kmで林道終点となる。


○途中で道を見失い、樺司山への南西尾根の薮漕ぎで登る

 林道終点の先からは、崩壊した林道跡(2)や荒れた川原の中を、ピンクテープに導かれて進んで行く。鮮明な道はない(3)ところが、いつもの癖で登山道のある山は、登山口までのアプローチさえ分かれば、後の情報を詳しく知ってしまうと面白くないので、今回もそのつもりで、何とかなるだろうと思ったのが間違いの始まりだった。今秋登ったばかりのyoshioさんの記録やGPSトラックを印刷して行けば良かったのだが・・・。


頼りにしていたテープが、430二股の少し先からどこを探しても見当たらない。430二股の右股にも入ってみた。その二股の中尾根が樺司山に繋がっている。ウロウロした後、登山道を探すのをは諦めて、その尾根に続く伐採道跡へ取り付いた(4) 前進あるのみと、丈の低いミヤコザサの尾根や鹿道や伐採道跡を繋いで高度を稼ぐ(5)ところが、850m付近から背丈をはるかに超える強烈なネマガリダケに突入。ここまで来て撤退はしたくない。久しぶりの悪戦苦闘の薮漕ぎを1時間ほど続ける。途中2ヶ所でピンクテープを発見したが、同じように薮を漕いだ人がいるようだ。親近感を覚える(6)。 


○吊尾根上をリビラ山までピストン

 悪戦苦闘の末、ようやく刈り払われた樺司山頂上へ到着周りの木で展望はない(7)三等三角点があるはずだが、見つかられなかった。あとで分かったが、リビラ山への道の分岐近くにあったようだ。
 吊り尾根の向こうに見えるリビラ山は頂上付近の木々が雪化粧をしていた(8)気を取り直して登山道を辿る。


 途中で12年前に登ってきたリビラ山大滝コース跡と合流する(9)。そこから先の道は、雪の被った笹で覆われた踏み跡だけの道になっていた。前回は2m以上の幅できれいに開削されたばかりの1級国道並みの快適な道だったのが夢にようだ。そのとき以来整備がされてないような感じだ。 頂上に近づくと、木の枝に雪が着いていてきれいだった。南日高とは言え、さすが1300m近い山である(10)


 樺司山からちょうど1時間で12年ぶりの頂上(西峰)に到着。北の方に連なる稜線上の手前に、沢から登ったことのある貫気別岳が見えた(11)。 
 前回は、立派な頂上標識が立っていたが、その支柱の残骸だけが笹の中に倒れていた(12)

 さらに本峰に向かう(13)。そこからは西峰からは見えない新冠ダムを見下ろすが、その奥のイドンナップ岳や日高山脈主稜線は残念ながら雲に覆われていた(14)


 南西方向の里平川の田に愛の向こうの鋭く尖った山が気になる。帰宅後に地図で確かめたら、エチナンゲップ山の本峰のようだ(15)。情報によると、崩壊した里平林道を歩いて、難しくない沢詰めで登れそうだ。登高意欲がそそられる。
 20分ほど休んで、樺司山へ戻る。この方向から見るとなかなか存在感のある山だ(16)50分で樺司山へもどることができた。

○正規の登山道を下る


樺司山まで戻って登山道を下る。800m付近までは、ものすごい急な笹で覆われた小尾根上に道が続いていた。細いトラロープも設置されているが、周りの笹をつかんだ方が安全に下りることができる。それでも2度ほど尻もちをついた。笹薮から抜けると広い源頭斜面へ出る。鹿道があちこちに発達して、どれが登山道か分からない。ピンクテープを探しながら適当に下る(17)反対に登るとしたら、笹薮の中の登山道を見つけるのに苦労しそうな感じだった。


 下って行くと、激しく崩壊した地形となる(18)ここ数年の日高地方を襲う豪雨は凄しいものがある。そのせいであちこちの林道が崩壊している。やがて、斜度も緩み、荒れた河原の中を適当に下って行く(19)登りで尾根に取り付いた地点へ合流。

 登りは情報をきちんと把握しておいて、登山道を登ったら、1時間は短縮できたであろうと思うとちょっと悔しい。いずれにしても、ここ数年整備された痕跡もなく、廃道寸前のコースだった。天候も展望もパッとせず、登山道を見つけられなかった悔しさもあり、新ピークである樺司山をゲットしたことと山頂部の雪化粧した木々以外は、満足感の少ないすっきりしない山行だった。おまけに、薮漕ぎでリュックの腰ベルトのポケットのファスナーが開いて、車と家のキーを落としてしまった。常に車のスペアキーは財布の中に入れていたので助かったが…。 





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