○アナマ海岸へ下り、道のない海岸を歩き、宇遠内から再び山へ


 まったく植物の生えていない広い裸地を越えると、海岸へ向かう細い尾根道となる。岩場を覆うように咲くハイマツを横に見ながら進むと(1)、その先にはロープが設置されたザレ場になっていた。ここから標高差100mの急斜面を下ることになる(2)上の方はザレと岩だったが、下の方には階段が設置されていた。このコース最大の急斜面を反対側から登ってくる2人連れの年輩の女性にびっくりする。
 

 下りの岩場には、イワベンケイ(3)、チシママンテマ(4)、海岸に下りたら瑠璃色の花がきれいなハマベンケイも見られた(5)


 下り立ったところはアナマ川の河口だった。ちょうど12:00だった。そこから宇遠内までの1kmは道がなく、崖下の岩の上や波打ち際を歩かなければならない。函館山裏側の穴澗から寒川海岸と似た感じだった。20分ほどで、数軒の家と築港のある宇遠内へ到着(6)。そこには「食堂ひとやすみ」と書かれた休憩所があった。営業をしている感じで、手前の作業小屋に人の気配がした(7)しかし、その先のウエンナイ川の河口に建つ数軒の家には人の気配はなかった。多分、季節限定で漁に来る漁師の家のような感じだった。


 宇遠内から再び山へ登ることになるが、その登り口で昼食タイムにした。ふと目の前の空き地を見ると、植えたものであろうと思われる黄色のリシリヒナゲシ(8)と白いチシマヒナゲシ(9)が咲いていた。
 12:30、腹ごしらえをして、ウエンナイ川沿いの道を登っていく。道沿いには電柱が立ち、電線も引かれてしっかりとした幅広の道が続く。岩場もしっかりと削ってある。この道は宇遠内の生活道路のようである(10)川を横切るところで、休んでいた夫婦と思われる2人連れに出会う。浜中からスタートして近道をしてきたとのこと。そこで、水を補給する。標高点188まで登るとあとは下りが続き、やがて、礼文林道へのT字路にぶつかる。ここが現在の8時間コースの終点だ。
 ここまでで、5時間50分だった。予定は6時間だったので、まあまあのペースだ。しかし、山の中でゴールという感じはない。そこから左へ進むと東海岸の香深井まで1.8kmほど下って、あとはバスという選択肢もある。

○礼文林道へ入り、フェリーターミナルまで

 13:25、さらに右の礼文林道へと進む。名前の通り、今でも車が走っている林道である(11)

 この辺りまで来ると、すでに23kmも歩いている上に、前半はかなり飛ばしたこともあり、下肢に疲れを感じるようになる。変化のない林道だが、林道入口の標高は80mなのに、最高地点のレブンウスユキソウ群生地は約250mである。この緩やかな登り勾配が徐々に効いてくる。

 約1時間ほどで、レブンウスユキソウ群生地に建つ新しいトイレが目に入ってくる。

 ふと右の斜面を見ると、前回も同じ所で目にした覚えのあるネムロシオガマが咲いていた(12)



 14:30、レブンウスユキソウ群生地に到着。前回はなかったと思われるトイレが建っていた(13)。トイレの右手からロープでガードされた花畑が続く。澄海岬で最後に目にして以来5時間ぶりの観光客の姿を目にする((14)。この小振りなレブンウスユキソウとも15年振りの再会だ(16)

 多くの観光客とすれ違いながら、連分林道の出口を目指す。途中から利尻山が見える。前日に濃いガスと強風で、8合目半の避難小屋で撤退したのが悔しいほどくっきりとした姿だ(17)

 15:00、礼文林道出口に到着。先に桃岩の頭が見えている(18)あとは、ゴールのフェリーターミナルまで舗装道路を下るだけ。

 15:25、7時間50分でゴール。フェリーの時刻まで、約2時間もある余裕のゴールだった。自分には礼文林道とフェリーターミナルまでの距離を加えて8時間コースだった。噂通り、変化に富み、花もそこそこ楽しめた満足のトレッキングだった。うすゆきの湯に入った後のビールが美味かった。

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