羅臼岳(1661m)B  
羅臼コース  2名  04,9,15
A 96,9、15の岩尾別コース
18年ぶりの同じ日に、同行者と共に長くて険しい羅臼コースから11時間を要して登った

5:30 羅臼道の駅発
登山地   点
下山
 6:00
 6:55
 9:05
 9:50
10:35
12:00
登山口
里見台
泊場
屏風岩
羅牛平分岐
頂 上
17:30
16:15
15:10
14:05
13:20
12:30
[6:00]所要時間[5:00]

18:00 熊の湯(入浴)
19:00 羅臼道の駅(泊)


 知床半島を代表する羅臼岳は日本百名山に選ばれている人気の山である。この山に最初に登ったのは、1968年の20代のころである。職場の仲間5名で岩尾別コースから登り、4名で縦走をしてルサ川に下山している。

 そして、その28年後に、日高のカムイエクウチカウシ山を日帰りで登って、数時間しか寝ないでこちらまで移動し、やはり岩尾別コースから登っている。それ以来18年も経過していた。函館から遠く離れた山の宿命だろう。

 今回、道東へやってきて、北根室ランチウェイ、武佐岳などとセットで計画した。天候の回復を待っていたら、期せずして18年前と同じ9/15になった。今回は、まだ一度も歩いたことのなかった羅臼コースからと決めていた。

 たまたま、8月上旬の狩場山の前日に初対面が叶った根室のE女史が、一緒に登りたいと、予定を切り上げて札幌から戻って来て同行してくれた。岩尾別コースは毎年のように登っているが、羅臼コースは30年ぶりとのこと。

 羅臼の道の駅で朝を迎える。国後島から登る日本で一番早い日の出に感激する(1)
 

 反対側には、朝日に輝く羅臼岳が青空の下にくっきりとその姿を見せてくれた(2)天候の回復をずっと待った甲斐があった。
 羅臼コースは、岩尾別コースに比べて、標高差が1530mもある。距離が長く、険しくて登る人が極端に少ないコースらしい。道内の日帰りコースでは最長の部類に入る。羅臼キャンプ場がある登山口の案内版にも「登り6時間半、下り4時間半」と書かれてあった(3)

 6:00にキャンプ場で待ち合わせて出発。入山届けには先行者が1名いるようだ。初同行のE女史のペースで先を歩いてもらった。登る人が少ない割には整備が行き届いていて、標識も充実している。 


 1時間弱で標高350mの里見台に到着。下に羅臼の温泉街が覗く(4)ここで、休憩しているところに、後からやって来た青森から釧路に単身赴任しているという男性もが追いついた。その後ずっと一緒に最後まで行動することになった。「ハイ松原」を通過し、「第一の壁」の下を通り、「第二の壁」からはずっと700mの等高線に沿ったトラバースの歩きとなる。時間ばかり掛かって高度を稼げないもどかしさを感じながら歩く(5)


 700mの等高線沿いの歩きから川へ下る。帰りの登り返しが気になる。その川に下りた地点の右に崖があったが、そこを屏風岩と勘違いした。しかし、屏風岩はもっと幅と高さがあったはずと、間違いに気づく(6)川沿いの岩の間の踏み跡を辿る。途中に、ゴゼンタチバナの赤い実が群生しているところがあり、カメラに収める(7)
 

遠くから見ると残雪に見える川底に硫黄が貼りついた川を渡渉する(8)。そのすぐ先が「泊場」だった。うれしいことに、頂上斜面が青空の下に姿を見せてくれている(9)


 泊場からは、しばらく涸れ沢の登りとなり、展望がなくなる。やがて、頭上に屏風岩が見えてくる(10)。迫力のある屏風岩の対岸の踏み跡を辿って登って行く(11)昔は、下山時にその沢形を上から下って来て、そのまま下ってしまって迷う人が多かったそうだ。その対策として、登山道との合流地点より下へ下らないように岩の端まで長いロープが張られていた。


 屏風岩の上には雪渓があって、その周りだけは初夏だった。この時期に目にできることはないエソコザクラ(12)やアオノツガザクラ(13)が咲いていた。凄い得をした感じだった。

<このほかに目についた花々>

タカネトウウチソウ

チシマノキバイソウ(雪渓のそば)

エゾヒメグワガタ(雪渓のそば)

エゾクロクモソウ

チシマクモマグサ

イワギキョウ

 

 1240m地点で、羅臼平分岐へ到着。羅臼岳へ直接つながる左へ進む。この上の急なザレ場の登りがこのコースの核心部かもしれない(14)1450mで羅臼平からの道と合流。
 青のすぐ先の岩清水は18年前とはずいぶんと姿が変わっていた。18年前は大きな岩壁から何筋も糸状に流れ落ちる湧き水だった。しかし、今は1ヶ所に一筋流れ落ちている感じだった(15)


 一番期待してきた羅臼平から知床半島の先へ延びる三ツ峰〜サシルイ〜オッカパケ〜南岳〜知円別岳〜知床硫黄山の連なりは、残念ながらガスの中で、これ以上姿を見せることはなかった(16)
 岩場の間に島状に群生しているチングルマの綿毛や紅葉したオトギリソウの群落が美しい(17)


やがて、岩が積み重なった頂上への岩場の登りとなる(17)上から岩尾別コースから登ったと思われる人たちが次々と下りてくる。
ちょうど6時間、12:00、全員が下山して行き、たまたま貸し切り状態の頂上に到着。3人で記念撮影(18)
羅臼岳の山頂部分だけが雲海の上に頭を出し、太陽の恵みを受けて暖かくてうれしい。しかし、周りはすべて雲海で、他の山は全く見えないのが非常に残念・・・。

30分ほど休憩して下山開始。下山は、まったく展望のないガス中下山になった。ちょうど5時間、17:30に無事登山口へ到着。単独行でないゆっくりモードとはいえ、総所要時間11時間半の超ロング山行はしばらくぶりだった。岩尾別コースよりは確かにハードだが、変化に富んだ登山を楽しめると言う点では、こちらに軍配が上がる。

他の二人と登山口で別れ、熊の湯で汗を流し、疲れを癒す。その後、羅臼道の駅でE女史からいただいたホッカイシマエビを肴に一人で打ち上げモード突入。


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