ラルマナイ川〜空沼岳(1249m) 5名 06,7,22
7/21 17:00 函館発
21:30 常盤小敷地(泊)
7/22 4:30 真駒内開発局駐車場
4:45 夏道登山口へ車デポ
5:15 ラルマナイ川370三股
登山 | 地 点 |
5:25
6:50
8:10
9:00
10:20
11:15
12:30
13:20 |
370三股左股沢
470二股
600二股
林道下鉄管(720)
920二股
空沼(1040)
稜 線(1180)
空沼岳頂上 |
[7:55] | 所要時間 |
下山 | 地 点 |
14:10
14:50
15:30
16:55 |
空沼岳頂上
真簾沼
万計沼
登山口 |
[2:50] | 所要時間 |
[11:30] | 総所要時間 |
|
当初、単独で日高のイドンナップを予定していたが、天気予報が思わしくないので、千歳川の支流のラルマナイ川を空沼(からぬま)まで遡行し、そこから薮漕ぎで空沼岳(そらぬまだけ)へ登り、登山道を下るというganさんをリーダーとするHYMLのオフミ登山に飛び入りで参加する。
メンバーは、今年2回の
松倉川遡行に札幌からやってきたKaさんとYaさんに紅一点のHi女史を含めての5名である。この沢は全員が初めてというのも楽しみである。
函館を前日の17時に出て、翌朝の集合場所である真駒内スキー場手前の開発局駐車場で車中泊体制に入るが、暴走族の集合場所のようで寝られたものではない。近くの常盤小学校の敷地にお邪魔させていただく。
翌朝4:30集合。天気予報に反して青空まで覗いている。まず、私の車を空沼岳登山口へデポして、支笏湖へ抜ける国道を南下する。恵庭へ道の交差点の先の山水橋の手前の林道を右に入るのだが、幸いゲートが開いていたので、歩く予定をしていた370三股の入渓地点まで車で入ることができた。
○まずは空沼までの遡行
三股の左股沢が空沼へ繋がっている沢である。橋の横から入渓する。沢幅は10m弱、水量もそれほど多くなく、沢の中を快適に歩ける。
『北海道の山と谷』には、ほとんど滝はないと記載されていたが、
435付近で1mほどの深い釜を抱いた小滝が現れたときには、歓声が上がる(1)。
その後、
やはり深い釜を抱いた2〜3m小滝がいくつも現れたり(2,3)、砂防ダムを巻いたり、
ナメが現れたり(4)と、結構変化のある遡行を楽しむ。ただし、激しい蚊の襲撃がすごい。防虫スプレーもほとんど効なしで、刺されたらすぐに薬を塗りながらの遡行を続ける。
途中、キノコに詳しいKaさんのお陰で倒木に生えているタモギダケを2ヶ所で採取して山頂ラーメンに備える(5)。
470と600の二股はいずれも右股を進み、
720mの林道はその下の大きな鉄管の中を潜る(6)。地図上にも記載されている370二股から続く現在も使われている林道である。
そのすぐ先の砂防ダムを越えた辺りから斜度が増し、770で幅50m高さ30mほどの右岸の崖の岩盤に沿った流れの中を進む。長い茶色の岩盤のナメ滝が遡行の喜びを感じさせる。石や倒木で埋まってはいるが、昔はさぞや奇麗な流れであったのであろう。その後も、
苔に覆われた階段状の小滝が連続する流れの中をどんどん高度を稼ぎ(7)、870付近の5mほどの釜のない滝を越え(8)、900m手前辺りから傾斜が緩んでくる
。
やがて、平坦な地形になり、沢も小川のような感じになってくる(9)。しかし、地形に特徴がなくなるので読図に緊張する。地図を取り出しては全員でああでもないこうでもないとルートファンディングを楽しむ。これも全員が初めてのルートならではの楽しみである。
川辺にはレイジンソウの群落が疲れを癒し(10)、頭上には空沼岳の稜線が招いている。
最も緊張したのは、920二股の特定とその進むべき方向の選択である。その二股を特定して安心し左股へ進む。その後の二股は右手の1018コブを手がかりに右股を進む。しかし、ところどころで倒木が沢を覆い、その上を越えるのに苦労する。
再び斜度が増す。2ヶ所の二股は方向や水量からいずれも空沼から流れ出しているものと思われる左を進む。最後と思われる二股の右股から取水し、少し登ると突然前方が開けてくる。空沼から流れ出していると思われる小さな流れを辿る。
目の前に広がる空沼は、人の入った痕跡のまったく見当たらない静寂そのもののまさに秘沼である(11,12)。入渓してちょうど6時間であった。
縦横200m100m程の沼は、遠浅で下は砂地のようで、湖岸まで森林と笹薮に覆われている。この沼に到達するには、我々のルートしかないわけで、これまた感動である。岸の水草には、オニヤンマのものではないかと思われる大きなヤゴの抜け殻が無数に付いている。
○空沼から藪漕ぎで頂上へ
ひとつ目の目的を果たしたが、踏み跡を期待した稜線へのルートや沢地形はその痕跡すら見当たらない。仕方ないので、辿って来た沢を少し戻る。
途中から目指す頂上が見える(13)。稜線方向から合流する取水した小沢に入る。 しかし、すぐに湧水地点にぶつかり、そのうえに沢地形がない。そこで、その右側の沢へ薮を乗っこして向かう。幸いその沢には水流があり、それを遡るが、ここもすぐに湧水地点にぶつかる。
覚悟を決めて、薄そうなところを狙って薮漕ぎに突入する。渇れ沢が現れたり、それほど濃い藪でもなく、覚悟したほどではなかった。
しかし、稜線直下の急斜面の笹薮はなかなか厳しいものがあった(14)。
方向を右に取りすぎると崖の下に出る心配があったが、1時間ほどでコルの右上のちょうどいいところに出ることができた。
稜線から振り返ると1時間ほど前にその浅瀬に立っていた空沼が見える(15)。 しかし、期待した踏み跡もなく、より厳しいハイマツ帯の薮漕ぎが待っていた。振り返ると、残雪期に2度登っている漁岳が稜線の先に見える。
いつもは一人で漕ぐことの多い藪であるが、一番高齢をいいことに紅一点のHi女史をフォローしながら最後尾にいたので楽をさせていただいた。
予想以上のきついハイマツ漕ぎを続けて、斜度が緩んだところで、古い刈り払い道に出る。その後出合った頂上からの4人グループの話では、どうやら空沼を眺めるための刈り払い道のようである。
空沼から2時間、入渓してから8時間、土曜日にもかかわらず誰もいない頂上へ到着する。
小雨も覚悟していた天気予報であるが、青空も広がり、札幌の街並みの広がりや(16)、周りの狭薄山や札幌岳などが見えている。
タモギダケのダシの効いたラーメンを食べ終わって休んでいるところへ空沼を眺めに行った4人グループが戻ってくる。中にはHYMLのロム会員でmyHPも良く見ているという男性がいた。
彼らにシャッターを押してもらって集合写真を撮り、下山を開始する(17)。
○疲れた足で長い夏道を下る
いよいよ下山である。この夏道を下るのは11年振りである。意外と長かった記憶がある。前の3人とHi女史の間が開く。フォローしながら後ろに付く。結構遅い時刻なのに、登ってくる6人ほどに出会う。天気予報に足止めを食わされた人たちであろう。
先の3人が待っていてくれる広々とした真簾沼(18)と、万計沼の万計山荘の前で休憩し、久しぶりの12時間近いロング山行に終止符を打つ。
真駒内開発局の駐車場でみんなと別れ、明日の札幌での会議に備え、まずは小金湯温泉まで走り、松の湯で汗を流し、ビールを飲みラーメンを食べて、そのまま駐車場で早々に眠り就く。