5日目 3/23  ランタン村からキャンジンゴンパへ


ランタン村発8:00<3,450m>〜キャンジンゴンパ着11:45<3,840m>  (午後) 高所順応  テント泊

○快晴の朝を迎える

 夜中にはすっかり晴れ上がり、満月に近い月が煌々と照っていて、トイレに起きてもヘッドランプは必要がない。しかし、放射冷却のせいかしっかりと冷えている。テントの中でもマイナス温度でテントの内側の結露がしっかりと凍り付いている。

 やがて、夜明けを迎え、朝日に輝く西側の白い稜線が浮かび上がり(1)、北側の岩壁の上にやはり朝日に輝くランタンリルンの尖峰が覗く(2)。昨日は、まったく眺望のない雪の中を黙々と歩くだけであったが、今日はすばらしい眺望が得られそうである。

 7:30、朝食であるが、みんな毛糸の帽子を被り、しっかりと冬装備である(3)。靴はストーブのお陰できれいに乾いていた。

○ヒマラヤ襞の美しいガンチェンポを表面に眺めながら

 8:00出発。雪は昨日より深くなっているが、進む谷の正面にはヒマラヤ襞の美しさで有名な端正なガンチェンポ(6387m)が聳え、その左側にはツエルゴリ(4984m)、右側にはナヤカンガ(5846m)やガンジャ・ラ(5120m)が見える中を進む。歩いている内に気温がどんどん上がり、雨具を脱ぎ、フリースを脱いで、腕まくりまでして歩くようになる(4)。
 
 途中、道沿いにマニ石(経を刻んだ)を壁状に長く積んだメンダンがあちこちに設置されているが、ここはそれを挟んで左側通行をする習わしがあるようである。

 シンダムというロッジ村で休憩し、いくらであったかメモし忘れたが、ミルクティを飲む。しかし、ミルクはヤクの乳らしく、ちょっと癖があるのとくどい感じで全部を飲み干すことはできなかった。

○合計3泊するキャンジンゴンパ

 氷河の堆積物と思われる荒れた地形の中のアップダウンを繰り返して、橋を渡り、高台に登ると、下にキャンジンゴンパのロッジ村が見えてくる。比較的新しいロッジが多く、一般の民家はないようである(5)。ここは、2日間滞在し、さらに最も奥のランシサカルカで1泊して戻り、もう1泊と、3泊もするところである。(結果的に雪のために予定変更となり、3連泊することになる)

 11:45、4時間近く歩いて、イエティホテルというロッジに到着する。ロッジはほとんどどこでもホテルという名前になっている。また、どこのロッジもテン場を持っているわけではなく、テント泊をする我々はテン場が併設されているロッジを利用しているようである。ここのロッジはこれまでで最も大きく、我々の他にロッジ泊の欧米人が10名ほど利用していた。

 昼食後、テン場の雪掻きが始まる。ここもスコップ一丁と金属のお盆での雪掻きで、なかなかはかどらない。われわれも手伝うが、標高が高いせいか、直ぐに息切れをしてしまう。厨房のある建物の屋根から雪解け水が漏るようで、その屋根の雪も下ろすことになる。雪掻きが終わってテントが設営する頃には、暖かい陽光のお陰でテン場はすっかり乾いていた。

 このキャンジンゴンバは、周りの山がよく見える地点である。東側のガンチェンポやツェルゴリなどの他に、直ぐ南にはナヤカンガ(5846m)が聳え(6)、北側の直ぐ裏には、明日高所順応のために登る予定のタルチョピーク(4340m)が、その左側の奥には、ランタンリルン(7246m)と尖った3つ峰を持つキムシュン(6745m)とヤンサツェンジ(6543m)が連なり、それぞれの間にリルン氷河とキムシュン氷河が存在している様子がよく見える(7,8)。

 それらの展望を楽しんだりしながら、ロッジやテントの中でのんびりと過ごし、高所順応を図る。

 夕食は、ごはん、シチュー、焼きうどん、ナスの煮物、野菜サラダ、トマトスープ、白菜のおひたし、デザートであった。シェルパが次々と替わりを盛って歩くので、勧められるままに、つい食べ過ぎてしまうほどである。







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