3日目 3/21 カトマンズからヘリコプターでランタン谷へ


ラディソンホテル発7:30〜カトマンズ空港8:00
カトマンズ空港発8:40〜(ヘリコプター)〜ゴラタベラ着9:30<3,010m>  高所順応・散策   テント泊

○これも初体験のヘリで一気に3,010m地点のゴラタベラヘ

 5:45、起床。いよいよ今日はランタン谷へ飛ぶ日である。心躍らせながら、服装を登山モードに着替える。下山後までホテルに預かるものはスーツケースに入れ、トレッキング中ポーターに運んでもらうものはダッフルバックに詰め、簡単な日帰り装備をリュックに詰めて、準備OKである。スーツケースとダッフルバックは部屋の外に出して置けば、ボーイが運んでくれる。

 6:30、ホテルの朝食バイキング。食事後、ツアーリーダーのSaさんからダイアモックスという高山病防止薬を半錠いただく。これは、半錠ずつ朝と夕方2回飲む薬で、利尿作用があるので、尿回数が増えるとのことである。

 7:30、ホテル出発。送迎の車で空港へ向かう。国内線の空港ターミナルは、時刻表示もなく、殺風景なJRの駅程度の広さである。30分ほど待って、サーダーの指示でヘリへ乗るために空港へ出る。空港からは、ヒマラヤの白い峰が2方向に見えている。空港の外れに2台のヘリが待機している(1)。サーダーを含めた12名が2台に別れて乗り込む。1号機は直ぐに飛び立ったが、自分の乗った2号機はなかな離陸しない。そのうちに重量調整なのか油を40gのポリタンに3本も抜いた後、1号機より15分ほど遅れて、8:40ごろに離陸する。

 へリへの搭乗も初体験であるが、揺れもしないで、実に快適な飛行である。眼下にカトマンズの町並みが見えるようになり(2)、やがて、カトマンズ盆地から、まさに「耕して天に至る」状態の急な段々畑の斜面の連なる大きな谷地形を3つほど越えてランタン谷の上空へ回り込んでいく。向かう途中の北側の先にはずっとガネッシュ?という7000m峰が見えている(3)。右側の方にはエベレストなどが小さく見えていたらしいが、2号機の中にはそれを説明できる人はいなかった。
○最初の幕営地・ゴラタベラでのんびりと

 わずか20分ほどのフライトで、目的地のゴラタベラへ着陸する。ここはすでに標高3,010mもあり、ランタン谷が下流の深いV字谷から広い氷蝕U字谷に変わる地点である。一番先に眼に飛び込んできたのは、この谷から見える山で最も高い唯一の7000峰で、ランタン谷のシンボルとも言えるランタンリルン(7246m)である。植生もまだ早春の感じで、ヤクと牛を掛け合わせたというゾッキョがゆったりとくつろいでいる(4)。

 着陸した地点から15分ほど西側へ下るが(5)、途中の道端に咲いている花々が眼に飛び込んでくる。まもなく、ロッジが数軒固まっているところへ到着する。ここが今日の幕営地である。すでに、テントやトイレテント(正面奥)まで設営されている(6)。

 ここで、現地のスタッフ総勢と顔合わせをする。総責任者のサーダーの他に我々の直接の世話や道案内をしてくれるシェルパ5名、食事を作ってくれるコック1名、キッチンボーイ2名、キッチンサポーター3名、さらに、物資や装備を運ぶポーターが15名で、合計27名のスタッフにも驚いた。まさに大名トレッキングそのものである。

 到着したら、早速温かいレモネードとココナツビスケットが用意されていた。周りには、食事を摂るロッジや食事を作る厨房のある建物などが建っている。

 昼まで、テントの周りでのんびりと過ごす。テントの中は暑くて入っていられない。画家でもあるYaさん、Koさん、Yasさんの3人は早速周りの景色のスケッチに取り組む。直ぐ目の前の対岸の急な谷地形の上に覗く尖ったピークやその奥に覗く白い峰もスケッチの対象になっていたようである(7)。この辺りでは、4〜5000mには山名はないのだそうである。

 午後から、付近を散策する。ようやくほころび始めた赤やピンクや白のシャクナゲ(8)の他に、辺り一面にいい香りを漂わせるジンチョウゲがあちこちに満開状態で咲いている(9)。さらに足下には小さなサクラソウの仲間が(10)、また、赤い実をびっしりとつけた木も目に付く(11)。

 ヘリの下りた地点より先に行くと、詰め所のような建物があって、銃を持った兵隊が二人立っている。そのままそこを通過したら、後ろから彼等が何か話しかけてくる。手で×の形を取っ
て見せたら、「そうだ!」とばかり頷く。仕方がないので戻ることにする。幕営地から下の方の道を辿ってみたが、まさにV字谷への以降地点らしく急に谷が狭くなり、樹林帯へ入っていく。その先は、ジグを切った急な道で谷底の方へと下りていく。
 
○バラエティ豊かな食事にも感激 

 このトレッキングの興味の一つに現地のコックが作る料理があった。最初の昼食は、きちんとカツオや干し椎茸でダシを取ったうどん、チーズとトマトを挟んで食べる現地のチャパティ、野菜サラダ、いわしの味噌煮(缶詰)、あげいも、デザートほかである。飲み物として、紅茶、スキムミルク、日本茶なども用意されている。そのほかにツアーリーダーが日本から持ってきた漬け物、ふりかけ、お茶漬け、梅干しなどもふんだんにある。

 毎日15:00ごろのティータイムには、上記の飲み物とクラッカーやビスケットが出される。2度目のダイアモックス半錠はこのときに飲み、血中酸素濃度と脈拍が図られる。この日は95%と脈拍はこのときがもっとも多く77であった。以降、だいたい心配のない90%台と脈拍は70前後であった。この検査は、毎日朝食後とティタイムに行われた。

 さらにこの日の夕食は、ごはん、パーパル?(カレーの仲間)、スパゲティ、野菜炒め、シシトウの煮物、スープ、デザートなどであった。味付けもかなり研究されていて、日本人好みになっている。以降、ずっとバラエティ豊かな日本料理っぽいものが多く出され、ボリュウムもあり、つい食べ過ぎてしまうほどであった。とくに、野菜がふんだんに食べられるのがうれしかった。これ以降も、ツアーリーダーのSaさんを初め、何度もネパールトレッキングを経験している方々も異口同音に今回の料理のおいしさを誉めていた。それにしても、テント泊8日分の献立を考え、その食材をすべて揃えてくるのにも感心する。

 夕食を食べると、することがないので、19:30ごろにはテントの中に入る。Koさんとペアの二人テントである。夜には冷えるとのことで、水枕を利用した湯たんぽが配られる。シュラフの下もゴムマットの上に厚手のマットが敷かれ、実に快適な寝心地である。ところが、夜半から雨が降り出し、朝方には雪に変わって、テントの内側が結露で凍っていた。

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