来馬岳1040m) [カルルス温泉コース]  98、11、8
晩秋のスキー場の斜面から雪の残る痩せ尾根の急な道を登り、360度の火山地帯の展望を楽しむ。
幌別ダムから望む来馬岳
登山地点下山
10:00
10:45
11:30
登山口
第2リフト終点
頂上
13:15
12:45
12:20
[1:30]所要時間[0:55]
13:00 新登別温泉・いわた(入浴)
18:30 帰宅(函館)
この山の名前は、今春まで室蘭工大に在籍していた息子がスキー学校のアシスタントをしていた「サンライバスキー場」という名前を聞いたときに、以前は「カルルススキー場」という名前だったのにという会話から、その由来となっている「来馬岳」という名前を知った次第である。登山の対象と考えたのは、その後である。

 カムイヌプリを下山し、幌別ダム付近からはっきりと見えている来馬岳を目指し(1)、登山口のあるカルルス温泉へ移動する。登山口となるサンライバスキー場の駐車場に車を置いて準備をする。すでに、4台程の車があり、直ぐ後にもう1台到着する。K氏との無線交信を楽しみにスタートする。実は、携帯無線は4年前から持ち歩いているが、非常用であって、チロロ岳頂上で無作為に呼び掛けている交信に応えた以外、一昨年の冷水岳に次いで2度目の意図的交信である。
スキー場と左奥に覗く頂上
 参考にしていた『夏山ガイド』には第1リフトぞいに登るようになっているが、リフトが1本増えている。良く確かめないで、一番下の奥にあるリフトをそれと勘違いして思わぬ遠回りをしてしまう。登りながらスキー場の斜面を横切って本来の第1リフト終点のすぐ下で登山道に合流する(2)

 山容から覚悟はしていたが、結構きつい登りである。とくに第2リフトの斜面は、登山者の側に立つと、よくこんな急斜面にスキー場を作ったものだと思うが、指導員歴30年近くになるスキーヤーの側になると、ねじれのない長い一枚バーンに滑降意欲をくすぐられる急斜面である。

 その斜面は、さすが直登するのではなく、リフトを挟んでの反対側の斜面に「登山道(十三曲り)」という標識が用意されていた。多分、冬は迂回コースになるであろう作業道も兼ねる登山道を本当に13回曲がったかどうか定かではないが登って行くと、そのリフトの終点に出る。厚い火山灰が露出していて、それが雨に削られたままになっているのが痛々しい道である。前日の雨でしまっているので歩きやすいが、乾いた夏なら歩きづらい道かもしれない。頂上付近を雪化粧したオロフレ岳が雲に見え隠れしながら、その下に険しい羅漢岩が屏風のように連なっている。
頂上の様子と雲をかぶったオロフレ岳方面
 リフト終点で、地元の方だという二人の女性が休憩しているそばで、おしゃべりをしながら5分ほど休む。「この10月に反対側の鉱山町から新道コースもできたので、今度はそちらからもどうぞ。」という最新情報をいただく。 そこから、やはり火山灰の露出している斜面を抜けたところが5合目。その後は、刈り分けられた急な尾根道へと入って行くが、まもなく緩やかになる。この辺りになると、先日降った雪が道端に残っている。

 その緩やかな稜線で、約束の11時を迎える。リュックを下ろし、K氏にあらかじめ決めておいた周波数で無線のコールを入れると返答がある。いろいろ天候や今日の山のこと、パソコンを始めた頃の苦労話、私のホームページを全部ダウンロードして印刷し、二人の仲立ち的存在のT氏(10月10日に羊蹄の避難小屋で隣になった方)に見せてあげているとのこと、今日の二つの山を今週末にアップする約束など、うれしい交信を5分以上続けて名残惜しいお別れをする。

 その地点からは、頂上への急な痩せ尾根をジグを切って登る道である。振り返ると倶多楽湖が見えてくる。もっときれいなブルーの湖面の筈なのにと上空を仰ぐと、いつのまにかはかなり曇ってきている。 上から、キノコを探しながら下りてくる3人グループに出会い、新雪の残雪?を踏みながら最後の急な痩せ尾根の道を登り切ると、ちょうど誰もいない頂上に出る。
 倶多楽湖と橘湖(手前の暗い部分)
 一番近いオロフレ山方面は、雲で覆われているが(3)、洞爺湖の有珠山や昭和新山の噴煙、樽前山の噴煙、登別地獄谷の噴煙、倶多楽湖とその手前の初めて知った橘湖などのカルデラ湖が見渡せ(4)、登りの火山灰の厚さが納得できる山である。

 そんな展望を楽しんでいるうちに、直ぐ後にスタートした夫婦連れと第2リフト終点でおしゃべりした二人のご婦人が続いて到着し、この時期の山にしては賑やかな頂上となる。お湯を沸かしてカップ麺を中心としたを昼食をとる。他のグループの方々に「暖かそうでいいですね。」と羨ましがられるが、この時期は絶対これに限る。

 そうこうしているうちに、新道コースの方から男性が一人到着。「登山口までの道が、冬に備えてゲートが途中で締まっていて、そこから歩いてきたので2時間半ほどかかった。車を止める場所も狭い。」とのこと。 頂上にいる方にインターネットをやられる方がいたら、このホームページの紹介の手作りのチラシをと思ったが、誰もやられていないと言うが、全員に「それでも下さい」と言われ、「お友達にでも紹介してください」と言って差し上げる。「はあ、こんな世界もあるんですか?」と感心していた。 この時期にしては寒くもなく、1時間近くも寛いでしまう。

 いよいよ、温泉を楽しみに下山の道につく。スキー場の火山灰の道や斜面はついつい長年の性でスキー感覚で滑るように下ってしまう。ずっと下の緩斜面で転倒、見事に一回転する。スキーでも油断する緩斜面でのよくある光景である。

 下山後の温泉は、初め、カルルス温泉でと思っていたが、オロフレ山に登ったときに一度入っているので、二人連れの女性お勧めの新登別温泉のまだオープン間もない温泉旅館・いわたという新しい温泉で汗を流す。こじんまりとしていて露天風呂もきれいでさすがお勧め通りのいい温泉である。途中から、今日登った二つの山や室蘭岳の見る場所によって形の変わる様子の眺めを楽しみながら帰路に就く。


「目指せ!二百山」目次へ  次へ「無意根山」   HOME

inserted by FC2 system