ウェンシリ岳(1142m)A〜ポロナイポ岳(1093m) <氷のトンネルコース>  2名 05,8,24
96,8,09の氷のトンネルコースからのウエンシリ岳
ポロナイポ岳狙いで、9年振りのウエンシリ岳を氷のトンネルコースから再訪し、さらにその奧の国境稜線を辿る

6:00 西興部道の駅
下川コースの登山口まで行くが、未整備
なので、氷のトンネルコースの登山口へ
移動
登山地点下山
8:15
9:00
9:40
10:45
11:15
11:30
登山口
氷のトンネル分岐
820mピーク
ウエンシリ岳
最低コル
ポロナイポ岳
14:45
14:00
13:30
12:30
11:40
11:30
[3:15]所要時間[3:15]

 この両山は函館からは遠い道北の山で、ウェンシリ岳は、西興部、下川、滝上の3町村に跨り、その奥の滝上と下川の2町の境界線上に位置するのが地図上には山名が記されていないポロナイポ岳である。ウェンシリ岳は9年前に登っているが、その後、その奧のポロナイポ岳までの縦走路ができ、『夏山ガイド』に新しく加えられたが、遠いのでなかなか登る機会がなかった山である。今回8/21のオロロントライアスロン大会の応援を兼ねて道北まで来たついでに足を伸ばすことにした。

 ウェンシリ岳の山名の由来は、アイヌ語で「ウエン・シリ」(悪い・山の意)で、川縁の険悪な大きな崖を指しているらしい。またポロナイポ岳は周りにポロナイプ林道、ポロナイポロ川などがあり、どれが正しいのかよく分からないらしいが、「ポロ・ナイ」は(大きな・川の意)であるが、プやポやポロは何を指すのだろうか?

 今回は3コースあるうちの下川コースから登ろうと、前日のうちに電話して、下川の森林署で入林届けに名前を書いてゲートの鍵番号を記してきた。入林届けには下川コースの入林者が見当たらないので、変だと思いながら林道を入って行くと、ゲートのところに「下川コースは安全が確認されていないので当分、入山禁止とします」とのお知らせがぶら下がっている。「それだったら、電話したときに、きちんと教えてくれればいいものを・・・」と腹立たしく思いながらも、ゲートの錠を開けて登山口まで行ってみるが、やはり、今年になって全然整備がされていないようなので、一人ならともかく連れがいるので、諦めて別の2コースのある西興部町の方へ移動する。

 最も長い北尾根コースとも考えたのが、予定より1時間半以上も遅れたのと連れもいるので、前に登った氷のトンネルコースを再訪することに決めてスタートする。前に来たときに潜ることができた有名な氷のトンネルは数年前に事故があったとのことで、今は公開されていないらしい。

 このコースは、尾根を忠実に辿るコースであるが、最初からいきなりジグを切る急登と氷のトンネル分岐の先の640m標高点から820m標高点付近まで続く細い岩尾根が特徴である(1,2)直接氷のトンネルから登るコースは閉鎖されているようである。緊張の強いられる岩尾根の変化を楽しみながらも慎重に越えると820mピークである。しかし、さらにきつい急登が続く。展望や足下のコバルトブルーのツバメオモトの実が疲れを癒してくれる(3)

 標高950mを過ぎると、斜度も緩み、ずっとウェンシリ岳の頂上を見ながらのハイマツ帯の登りとなる(4)ポロナイポ岳はウェンシリの陰で見ることはできない。南の方には天塩岳やその向こうに表大雪や北大雪の山々が微かに見えている。振り返ると辿ってきた尾根と雪崩斜面が見え、その奧にオホーツク海が見える(5)

 『夏山ガイド』のタイムより少し速い2時間30分で、9年振りの一等三角点のウェンシリ岳に到着するが(6)、細かい虫が群れをなして飛んでいるので、休む気にもなれずに、単なる通過点としてすぐにポロナイポ岳を目指す。

 ポロナイポ岳は木の陰で見えないが、北尾根コースを100mほど下ると「ポロナイポ岳→2km」の標識のある分岐があり、幅広い吊り尾根の上に苅分道がはっきりと、さらにその先に目指す頂上が見える(7)この尾根は、分岐とポロナイポ頂上付近以外は、なぜかハイマツ帯ではなく、背丈を遙かに越すネマガリダケの林で、展望のない歩きが続く。しかし、ところどころで、ウェンシリ岳からは見えない西側と北側の展望が広がるのがうれしい。

 最低コルの手前のピークがもっとも展望の広がり、頂上までの登山道がずっと見通せるところである。そこで、妻に待ってもらうことにして、一人でカメラだけを片手にポロナイポの頂上を目指す。最低コルからはきつい登りが続く。そこを一気に登りきり、少し西側へ進路を変えると、ハイマツとすでに秋の様相を呈している灌木に囲まれた狭い頂上である(8)しかし、GPSをリュックと一緒に置いてきたので確かめようもないが、実際にはそこは地図では標高1060mのピークで、地図上に1093mと記されているピークはその西側の岩塔のように見える尖ったピークのようである。

 360度の遮る物のない展望を楽しみ、利尻岳を探すが、霞んで見えないのか、見つけることができないのか分からないまま直ぐに下山する。戻る側にはウェンシリ岳までの吊り尾根と北に伸びる北尾根とその左側に地図上には登山道が記されている札滑岳が見える(9)妻の待つ最低コルの先のピークまで戻り、昼食を摂って15分ほど休憩する。
 

 帰りは北尾根コースを下りることも考えたが、そちらの登山口から車の置いてある氷のトンネルコースの登山口までの5km以上の舗装道路歩きが嫌で、やはり来た道を戻ることにする。登山口に着いたら、車が1台停まっていいる。どうやら、こちらがポロナイポへ行っている間にウェンシリから北尾根コースを下ったようである。

当日の朝、夜を明かした西興部の道の駅で捕まえた日の出前の朝焼けの様子



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