○標高差600mの後旭岳へ登り、旭岳の北斜面を巻いて下山
参考にした記録のヤマちゃんは、「ここまで来ると、同じコースをシールを着けて戻るより、すぐ上に見える旭岳や後旭岳まで登ると、あとはシールを外して滑り降りるだけなので、ずっと早そうだし、楽そうだ」と書いてあったが、まったく同感である。標高差600mの後旭岳の登りは辛いが、2時間は掛からないであろう。
コルまでシールを着けたまま滑り降り、上から目で追っていた後旭岳の左下に繋がっている広い谷を埋めた雪渓を登って行く。見た目より緩く、ジグを切ることはなく、直登できた。
途中から振り返ると、谷の真下に小旭岳が見え、その奥に忠別岳〜五色岳〜化雲岳〜トムラウシ〜十勝連峰の展望が広がる(1)。
上に行くにつれて幅広になり、急になったが、右上に後旭岳の頂上が見えてくる(2)。
登りついた地点の尾根は雪が切れていたので、スキーを履いたまま、静かに横切り、尾根の反対側の雪渓を登る。後ろを振り返ると旭岳が見える(3)。
前回来た時には、旭岳の斜面を滑り降りているスキーヤーがたくさんいたが、今回はシュプールすら見当たらない。そう思っていると、一人のテレマーマーが下りてきて、こちらへ登って来た。
スキーを脱いで、11:05、小旭岳から2時間弱で雪のない2度目の頂上へ到着。前回はそのピークを踏んでいる熊ヶ岳とクレーターををバックに記念撮影。クレーターの奥に北鎮岳も見える(4)。
旭岳へも寄ろうと考えたが、標高差100mの急な登りが辛そうだ。どうせ、雪の関係でこちらのコルへ下りて来なければならそうなので、止めることにした。
シールを剥がしているところへ、旭岳からやってきた男性が到着。7:00のロープウェイに乗って来て、これからお鉢平の方まで行って戻るとのこと。旭岳の北斜面を巻く雪の繋がり具合を尋ねると、 、「上の方は切れいるようなので、裾合平の方まで下らなくてならいようです」とのこと。
いよいよ、旭岳と熊ヶ岳のコルを目指して下山開始(5)。
大きな斜面で大半径のターンを楽しむ。雪質は汚れが少ないので均一なザラメで、この時期としては気持ちよく滑ることができた(6)。
旭岳の北斜面は、できれば、効率よく2000m辺りのラインを巻きたかったが、案の定雪が切れている。こうなったら、腹を決めて、裾合平の上の1800m付近までの谷地形の中で、今シーズンの滑り納めを楽しむことにする。
快適なザラメ雪でのターンを楽しみ、自分のシュプールを振り返っては満足し、滑降を続ける(7)。
1800m付近まで下ると、裾合平と当麻岳や大塚・小塚が見えてくる(8)。
裾合平まで下りてしまうと、戻りは登り返しがあるので、向きを変えて1750m付近を巻いて姿見平を目指す。
上を見ると、旭岳の北西斜面を滑り降りてくる3人連れの姿が見える(9)。
この辺りからは、歩くスキー状態だったが、幸い登り返しはなく、スキーを滑らせながら、姿見平へ出ることができた。
前回は同時期に、旭岳の地獄谷の中を滑り降りたが、今回は、雪が少なく、とても無理は状態である(10)。
姿見平からは、圧雪車で整備されているスキー場のコースで最後の滑りを楽しんだ(11)。
下の方で、目の前を滑って行く5歳くらいのスノーボードの男の子が可愛かった(12)。
スタートしてから7時間45分、最高の天候に恵まれた新ピークゲットもできた旭岳大周回の大満足のゴールだった。
旭岳温泉の安い日帰り温泉の民宿やロッジは、ジュニアのクロカンスキー合宿でどこも満杯で入れなかった。仕方ないので、美瑛まで走って、先頭に入り、道の駅に早めに落ち着いて祝杯を上げた。